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チートニートスペシャリスト・魔眼の勇者  作者: 鬼京雅
初代の神!幼女神ジュテーム現る!
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神幼女ゴッドの浄化!


聖なる泉から脱出して、ジュテームシティーに戻る俺達は外の景色に白い霧がかかってるのを見た。それはドライアイスのように冷たい冷気だ。遠くの景色も見えない状態のジュテームシティーを茫然と眺める俺は呟く。


「世界が……冷気に満ちてる?」


今までのジュテームシティーにはこんな白い霧は無かった。これはおそらく……。


「ゴッドの仕業だな。アイス好きのゴッドがこのジュテームシティーを変化させてしまったようだぜ」


『……』


ジュテームとカオリは頷く。

そしてジュテームは、


「とりあえずシティーを歩いてみよう。僕が案内する。周囲の警戒を頼むぞ」


『……おう』


ジュテームを先頭に白く冷たい霧に包まれるジュテームシティーを俺とカオリは歩き出す。身体が小さいせいか、この寒さも堪えるな……これじゃアイスワールドだぜ。

そう、ジュテームワールド王国はアイスワールドへ変化していた。ジュテームが作った人間達はアイス屋かアイス兵士に変化して、冷たい人形へとなっているな。ブルブル震えるカオリに俺は言う。


「大丈夫かカオリ?火炎魔法で暖を取りながら歩くしかねーぞ。このままだといずれ動けなくなるし、魔力の消耗は無視した方がいい」


「そうね……ファイア」


ブオッ……という炎がカオリの両手から生まれ、それで暖を取り歩く。俺もそうしようとすると、右手の路地に人の足音が聞こえた。白い霧で姿こそ見えないが、敵だろう。

そして、俺はこっちに向かって来る気配を感じ先制して攻撃する。


「この白い霧に隠れて奇襲かーーやらせねぇ!」


「はううっ!」


「!?俺のパンチが弾かれた!?」


何か敵の身体に柔らかい何かではじき返された。プリンのような弾力だが、プリンほど脆くはなかったな。すると、聞き慣れた甲高い叫び声と共に黄色いツインテールのゴスロリ少女が現れた。


「ちょっと!何でオッパイ攻撃するのよアデュー!」


「ミーナ!」


敵と勘違いしたのはミーナだった。

俺と同じように敵と勘違いしたカオリに火炎魔法をくらいそうになるミーナは焦りつつ、全員にバナナを渡してくれる。


「何かジュテームシティーが白い霧に包まれておかしくなってるんだけど何で?それに凄く寒いわよ……」


「よく無事だったな。これはダーク化したゴッドの仕業なんだ……」


ミーナに経緯を説明した。

そして俺達のゴッドのダーク化を止める作戦が始動する。すると、目の前の道の白い霧が晴れて行き、アイス片手にペロペロとする白髪幼女が現れた。


「のほほ!やはりミーナを泳がせておけばすぐにお主達は見つかったのぅ。ジュテームシティーはアイスシティーへと変化した。そして他の世界にもアイスシティーは誕生し、ワシの理想の世界が生まれるのじゃ!」


『ゴッド!』


ゴッドの奴……本当に欲望まみれだぜ。

ひたすらにアイスを食べてやがるな。

食べても、食べても、次から次へと違う味のアイスが生まれて来やがる。糖尿病になりそうだぜ全く。

そのアイス幼女ゴッドを見つめる幼女神ジュテームは言う。


「やはり神には向かなかったか。ここで欲望を消せば普通に戻る。その後は僕がこの世界でゴッドを管理しよう」


「欲望が消えれば、元に戻る。なら丁度いいんじゃねーか?そこで安定した神の誕生だ」


「そこまでしてあのゴッドを神としたいのか?その理由は一体何だ?」


「世界の神である以上に仲間だからだ」


その俺の言葉に、ジュテームは口元を笑わせ大きく頷いた。


「……ならあのダーク化をなんとしてやる。そして僕を仲間の力で倒してみろ。そうすればゴッドは神として認めようぞ!」


「!?」


「幼女魔法テペロペロ!リバース!」


「のほほ!うきゃー!」


幼女魔法テペロペロリバースを受けたゴッドの身体から、黒いオーラが抜けてジュテームへ注がれた!

ジュテームはゴッドのダーク化を一身に引き受けたんだ。そして、ダークジュテームが誕生してしまう。ダークを自分に引き受けるとは凄まじい覚悟だぜ、幼女神ジュテーム……。ゴッドをカオリとミーナに任せ、俺はチートソードとニートソードを出現させた。


「やるしかねーな。行くぜダークジュテーム!」





「このダークジュテームに勝てると思うのか?神の力と闇の力を同居させるこの私に……」


ダークジュテームはアイスを捨て、ソードを召喚した。

ここで大好物のアイスを捨てるとはな……って今はゴッドじゃなくてジュテームか。でも、本体は闇の化身ダークだ。つまり、ダークもアイス好きって事だな。だからこそゴッドと同調しやすかったんだろ。


「ダークジュテーム……いや闇の化身ダーク。俺はお前だけを倒す。覚悟してやがれ」


「フン、勇者アデューよ。よくこのダーク様に気が付いたな。けどこの俺は簡単には倒せないぞ。隙あらばその身体ごと奪ってやるぞ!」


「ほざけ!」


俺の二刀流とジュテームのアイスソードが激突する。空中へ飛び上がるジュテームはダークオーラをソードから飛ばして来る。そのダークオーラを突っ切るように俺は空中のダークジュテームに向けて飛んだ。

身体が小さいせいか二本の剣が重く感じるぜ。それに……。


「チートソードとニートソードのパワーも落ちてやがるのか?くそっ!」


「そのまま地面へ落下しろ!」


「でもパワーなら俺が上だ!


更に上空へ弾き飛ばした。

地面へ落下する俺は、着地と同時に一気に空へ飛んで追撃をかけようと準備するーーが、


「なっ!?足元が渦に!?」


「引っかかったな!これがアイスクリームトルネードだ!」


「捨てたアイスで仕掛けたトラップか!」


捨てたアイスによるトラップ・アイスクリームトルネードの渦に巻き込まれた!

ズゴオオオッ!と果てしないアイスが俺の胃に流れ込んでくる。


「ぐっ!ぐおおっ!?これだけのアイスを食わされたら糖尿病になるぜ!」


仲間の声援がして、この渦に魔法攻撃をしてくれてるようだがどうにもならんようだ。絶対的に魔力のパワーが落ちてる。それは俺にも言える事だが……。


「やっぱりこの小さな身体での戦闘は辛いぜ。幼女魔法テペロペロは解除出来ねーからどうにかするしかねぇな」


「フハハハハ!いいざまだ勇者アデュー!そのままアイスの渦に呑まれ、闇にも呑まれるがいいさ。勇者の身体を得てやるぞこのダーク様がな!」


すると、ジュテームの顔が変化して内部のダークが出てきやがった。


「とうとう完全に表に出たな闇の化身ダーク。お前を倒して、俺はジュテームを助ける!」


「それももう終わりだ。このままアイスクリームトルネードの副産物である急性糖尿病で死ぬがいい!」


「ぐああっ!」


さらなる渦に巻き込まれ、全身に糖が行き渡り過ぎてピンチンチンになった!


(くそっ……こんな所で負けてたまるか。パワーが落ちてても龍王の力で何とか抜け出して……)


全身の糖が龍王の力の発動を抑えていた。

どんだけスゲー糖分なんだよ!

その瞬間、俺の相棒の声が響いた。


「アデュー君!力を貸すよ!」


「カオリ!」


そうだ……俺には仲間がいる。

闇の存在として孤独で誰も信じないお前とは違うんだ!そして神幼女ゴッドとバナナ魔王ミーナの声も聞こえた。


「のほほ!ワシも力を貸そうぞ!ほれー!」


「私のバナナをペロペロしなさいな!」


全員のパワーが俺に流れ込む……!

シュパアァ!と全身が煌めき覚醒する。

それを見たダークジュテームは、


「そんなまやかしのパワーでは俺には勝てない!何故ならお前は身体つきが変化しただけだからだ!」


確かにそうだ。

俺の身体つきと外観はバナナのツノを生やした美しい女のように変化している。

ゴッドの胃袋、カオリの巨乳、ミーナのバナナの力を得た俺はパワーアップする!そして胃に流れ込んで来るアイスなどはどうでもよくなった。


「……ゴッドの胃袋ならいくらでもアイスを食べられる。これがゴッドの力!」


全てのアイスクリームトルネードを飲み尽くし、俺は地面に立つ。仲間の歓声が上がり、Vサインをした。しかし、余裕のダークジュテームは、


「でもゴッドの身体ではない以上、胃が吸収した糖分などが貴方の身体を蝕むぞ?副産物効果を忘れてたようだなフハハハハ!」


「そして糖分などのエネルギーは全てカオリの巨乳へ流れる……これがカオリの力!


カオリの巨乳パワーで糖分問題は解決した。

少し俺の乳が肥大化し、胸が重くなる。

少し焦るダークジュテームは、


「なら同じ味で飽きさせて倒すまで!


アイスクリームホースからアイスを流しだす。

徹底的に同じ味で攻めて、俺の味覚を飽きさせてから倒すつもりのようだ。しかしーー。


「ミーナのバナナがバナナ味にしてくれる!これがミーナの力!」


「な、何だと!?」


完全に形成逆転だ。

ワナワナ……とダークジュテームは動揺し、ジュテームの身体からダークが離れようとする。

ゴッド、カオリ、ミーナ。そして拳を突き出す俺はその三人と同時に叫んだ!


『これが仲間の力だーーー!』


全員の力を合わせ、逃げようとする悪の化身ダークを消滅させ勝利した。

地面に座り込むジュテームに俺は言う。


「ダークに乗っ取られたのはお前のシナリオだろ」


「僕はなりゆきでダークを受け入れただけさ。それ以上、それ以下でもない」


「幼女神の考えは、そんな浅はかじゃねーだろ」


フッとジュテームは微笑み、俺達は霧が晴れるジュテームシティーを見つめた。

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