ジュテームとのゴーカート対決!
そんなこんなで神幼女ゴッドと幼女神ジュテームの新旧の神対決になった。神と神の対決だからどんな凄まじいものになるかと思いきや、結構地味な感じのゴーカート勝負だ。これでこの問題が解決するなら、勇者の俺としては楽でいいが……。
ジュテームサーキットのスタートラインには二台のゴーカートが並び、白髪幼女の神二人は白いゴーカートに乗り込んだ。瞳を閉じて精神統一する隣のゴーカートに乗るジュテームは余裕そうだ。こっちのゴッドはカオリに肩を揉まれながら会話してる。つーか、ゴッドの奴は寝そうな雰囲気だぜ。大丈夫か?
それを察したのかカオリは頭をグリグリしなが言う。
「ゴッド、相手はゴーカートが得意なんだから相手を驚かせるような戦法で行かないと負けるわ。攻める気持ちを忘れないでね」
「うへぇ!?痛いぞカオリ!ワシは負けぬぞ。だって神だからのぅ」
「向こうも神なのよ。ちゃんとしてないと、大変な事になるんだからシッカリしてよね。頑張るのよゴッド」
「わかっておる。わかっておる。のほほ!」
本当に大丈夫かゴッドの奴は?
とりあえずダメそうだが、励ましの声はかけねーとならん。
「ゴッド、これはお前が神でいられるかどうかの重要な戦いだ。負けるなよ!」
「のほほ!ワシが負けるわけがなかろう!眠い……」
『寝るな!』
と、二人のツッコミが炸裂すると、ジュテームがレースの開始を告げた。
「さて、ジュテームサーキットでの神と神の対決だ。刮目して見てるがいい!」
そして、俺とカオリはベンチまで下がり座って観戦する。スタート合図のテンカウント信号機のレッドランプが点灯し、最後のブルーランプが点灯するまでの緊張感がこっちにまで伝わって来る。
そして、スタート合図のブルーランプが点灯し一気に二つのゴーカートが走り出した!
二人のゴーカートはほぼ並走しているが、このままだとジュテームが先行するだろ。このサーキットは奴のコースだ。普通に走ってるだけじゃ勝つのは厳しい。
すると、開始早々ゴッドはジュテームに仕掛けた!
「のほほ!コース外に出てしまえ!」
「直接的な妨害作戦か……悪くないぞ!」
ガスッ!と自分のゴーカートをジュテームのゴーカートにぶつけ、走行を妨害した。
開始早々の攻めにジュテームも防戦一方になってる。それでいいぞゴッド。攻撃は最大の防御だ……このまま攻めて行けよ!
「ゴッドーーー!その調子だ!」
「行けーーー!ゴッドーーー!」
と、俺とカオリの歓声が無人のジュテームサーキットに響き、ゴッドのテンションも上がる。互いにゴーカートをぶつけ合うように走行して行き、どちらも相手の先にゴーカートを走らせられない状態にあるデッドヒートだぜ。
(今はいい調子だが、いつジュテームが仕掛けて来るかだ。けど、奴ももっとゴーカートに魔力を送り込んでスピードを上げてもいいと思うが、そこまで余裕かあるのか?明らかに魔力が凄まじいのはゴッドの方だ。ラストスパートにかけてるのか……
すると、まだ余裕があるのか口元を笑わせるジュテームは言った。
「その攻めの姿勢は素晴らしいぞゴッド。僕も楽しくなって来たよ……ハンデだ。先に行くがいい。この先は地獄のカーブエリアだ」
「のほほ!ハンデをやって後で後悔するなよジュテーム!」
蛇の身体のようにウネウネとしたカーブエリアにゴッドは先に進入した。ピカッ!と両目を好物のアイスを見つけた時のように光らせたゴッドは叫ぶ。
「ドリフト走行など、ワシにかかればこの通りじゃ!」
ズガガガッ!とタイヤ痕を地面に彩るようなドリフト走行で一気にカーブエリアを抜けて行く!
スゲーぞゴッド……何てドリフト走行だ!
これならゴールまで一気に行けそうだな。
すると、勢いに乗るゴッドの後ろを走るジュテームは呟いた。
「……あまり調子に乗ると痛い目に合うというのを知らないのか?」
何だあれは?
コースが沼のようになってる場所があるぞ?
すぐに俺は魔眼でその正体を見た。
「!?ゴッド!カーブエリアを抜けた先にローションがまかれた沼がある!何とか回避しろ!」
「のほ!?もう遅いーーぬおーーーのほほ!?」
『!?』
コースに飛び出す俺とカオリは完璧なレースをしていたゴッドの失敗を見た。
ローショントラップにゴッドは気付かず、ゴーカートのコントロールを取れなくなり回転しながらコースの壁に衝突した。
「のほ……ほ!」
『ゴッド!』
もうゴーカートは大破し、レースは無理だと判断した俺達はローションまみれになるゴッドを助ける為に駆けた。
「どうやら勝負はゴールに入る前に決してしまったようだね。僕もそこそこ楽しめたよ。最後はあっけなかったけどね」
ローションまみれのゴッドを水魔法でカオリは洗浄する。
俺は魔力で動くゴーカートの転がる部品が燃えてもいないのに焦げている事に気付いた。
敗因は他にもあったんだ。
「ゴーカートをムチャさせ過ぎたな。機械部品だから魔力を高めすぎるとダメなようだぜ
「ほぅ。よく気付いたな。それが魔眼の力か?」
「チゲーよ。見ての通りの事を言っただけだ。魔力で動いている以上、このゴーカートは必要以上に魔力供給されると熱で部品がイカれて壊れる。だからお前はそこまで飛ばさなかったんだろ?」
「……そうだよ。流石は勇者という事かな。ぽぽぽ!」




