幼女神ワールド
幼女ワールドに到着した。
「ここが幼女神ワールドか……近代的な都市って感じで案外普通だな」
幼女神ワールドに到着した俺とカオリは、白を基調とした近代的な都市に向かい歩き出す。特別に目立つタワーなどは無く、全体的に見てもジュテームがどこにいそうかは判断出来ないような都市だぜ。そこには多数の人間が生活していた。一応攻撃を受けるかもしれないから警戒しつつ、ジュテームシティーに足を踏み入れた。
「……とりあえず今は大丈夫だな。この街の人間はこっちを見向きもしねー」
「そだね。それに何か規則的に動いてる子が多いわ。幼女しかいないのも幼女ワールドの特徴なのかしら?」
「確かにそうだな……」
ジュテームシティーはとりあえず幼女が多い。つーか、幼女しかいない。
神に仕える為に魔法で生み出された存在だからそれぞれの役割以外はこなさない幼女達だ。自我はあるが必要以上の受け答えはしないように出来てる。
「まるでゲームのキャラクターだぜ。まともな自我が無い人間と話すのは案外不気味なもんだ」
ジュテームシティーはかなり近代的な都市なんだな。街の中は車とかも走ってやがるぜ。
燃料はガソリンじゃなくて魔力のようだ。
「とりあえずこの人形幼女達に話しかけて情報を集めるしかねーだろ。俺達は子供化してるからパワーも落ちてる。ここは慎重に行くのがベストだぜ」
「ん?何か叫び声がするよ?暴走ゴーカート?」
「何だアレは?まさか幼女神ジュテーム?」
すると、ゲームキャラクターのように決められた行動しか出来ないはずのジュテームシティーの人間なのに、一人のゴーカートに乗ってる白髪幼女は叫んでいた。これはまさかーー。
「のほほ!運転は難しいのじゃ!」
『ゴ、ゴッド!?』
俺とカオリはゴーカートで走り去る神幼女ゴッドを追いかける!
「あのゴッドの奴、自分が幼女神に狙われてる事を知らないのか?あれじゃいつかやられるぞ?」
「やられる前に事故りそうだよ!って危ない!」
「ゴッドーーー!」
ズゴーン!と一つのレストランに突っ込み、神幼女ゴッドの乗る暴走ゴーカートは停止した。乗っていたゴーカートは煙を上げて大破し、真っ黒になるゴッドはフラフラとよろけながら地面に倒れる。
「のほほ……」
『ゴッド!』
駆け寄ろうとする俺達の前に、ゴッドに似た白髪の幼女が立ち塞がる。
長い白髪は三つ編みに纏められ、頭には金のカチューシャなんてしてる。白いワンピースの背中には幼女神と書かれてた。
この幼女はーー。
その事故現場には幼女神ジュテームがいた。
笑うジュテームは言う。
「やはりお前達が現れればこのゴッドも現れると思った。ダンポコワールドへ行って正解だったな。これで神の交代を行えるぞ」
「でも、どうにかゴッドを継続させる事は出来ねーのか?コイツだって今まで頑張ってきたはずだ」
「神の行いは頑張るよりも傍観だよ。僕はあくまでも神は人間と関わり過ぎずに傍観する事で神と人間の関係を保てると思っている。それがその世界の安定でもあるだろうし」
「確かにそうかも知れねーが神が世界の傍観しているのが仕事なら、勇者はその世界を混乱を解決して守る勇者だ。多少、神が人間と関わって問題を起こしても勇者が何とかする。またその逆もあるだろ」
「ぽぽぽ!面白い意見じゃの」
「面白いかどうかは知らん。時間の流れと共に時代は変化する。今は多少、神も人間に関わり合う時代なんじゃねーか?」
どうやら話は平行線のようだ。
戦いで決着をつけるしかないか?
けど、これは神と神の争い。
ジュテームとゴッドが根本的に解決しないとならん問題だ。
「やけに余裕をこいておるが、ダンポコワールドから一人使えそうな女子を見つけたのだ。何やらバナナが好きな魔王らしいのぅ……」
ニィ……と笑うジュテームの背後に現れる黄色いツインテールのゴスロリ幼女に俺とカオリは驚く。
『ミーナ!?』
そこにはバナナ魔王ミーナがいた!
俺達と同じように幼女魔法テペロペロで子供状態になってやがる。やってくれるぜ幼女神ジュテーム……。
どうやらミーナは催眠などもかけられてるらしく、このジュテームシティーの住人のように与えられた命令だけを遂行する人形になってるな。それに気付いた俺達を嘲笑うようにジュテームは言う。
「我が配下にはバナナ魔王がおるぞ。使えそうな奴をこの世界に召喚してやったのだ。ぽぽぽ!」
「まさかミーナが召喚されてたとはな……でもミーナは気難しいぜ。多分使いずらい」
「見ての通り、すでに幼女魔法テペロペロで幼女にしている。だからバナナさえ与えていれば僕の言う事は聞くのだ」
「やってくれるなジュテーム」
幼女魔法テペロペロ。
厄介な魔法だぜ全く。
ゴッドの神問題だけを解決すればいいと思いきや、まさかミーナまで子供化させられてるとはな。そんな混乱する状況にカオリは言う。
「数では有利だけど、これからどうするのアデュー君?ミーナもあっち側に連れさられてるし……」
「ただ戦って勝つだけじゃダメなんだよな。これはゴッドを勝たせる為に俺達がサポートしないと……」
そんな考えを巡らせる中、神幼女ジュテームは事故でフラフラしてた状態から立ち直るゴッドに言った。
「ゴッドよ。僕とゴーカート勝負をしよう。さすればこの事故は損害賠償請求をしないでやるぞ?」
「の、のほほ!ワシにゴーカート勝負を挑むとはいい度胸じゃて!マッハドリフトと、ニトロパワーで全て振り切ってやるぜよ!」
と、さっき事故を起こしたばかりのゴッドは意気揚々としてる。
「大丈夫かよゴッド?ジュテームは明らかに自分の有利なゴーカート勝負を誘ってるじゃねーか?」
「それに勝てば、ワシは幼女神から神の座を剥奪されずに済むのじゃ。何としても勝たねばならぬ。応援せいアデュー!」
「応援はするが無茶すんなよ。楽な勝負じゃねーからな」
「ワシに任せておれ。幼女神はこの世界でゆっくり寝ててもらうのが一番じゃというのを教えてやるぞぇ!」
そんなこんなで俺達はジュテームに案内され、ジュテーム専用のゴーカートレース場に案内された。




