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チートニートスペシャリスト・魔眼の勇者  作者: 鬼京雅
キャンディ王国を支配するバナナ魔王ミーナ編
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バナナ魔王ミーナとの戦い

 キャンディ王国を支配していた金髪ツインテールの美少女魔族・ミーナと俺は対峙していた。

 こんな序盤にラスボス並みの美少女が現れるなんてと驚く俺だったが、これはゲームじゃないんだから当たり前だよな。何かバナナを片手に持ってやがるが何なんだ?


「バナナが好物? まさか城の頂上でバナナの皮を仕掛けてたのはお前か!」


「は? この世界の人間は大体バナナが好きなのよ。こうやって、ペロペロ……ペロペロ……と舌先をねっとりさせて時に強く、時に優しく攻めてくわえて噛み付くのよ。そしてこのバナナのように勇者などは消え去るの」


 どうやらこの国にたくさんのバナナを植えて育ててるのはこのミーナらしい。

 確かにバナナは栄養価は高いし、キャンディよりは腹持ちもいいしな。

 カオリもバナナ好きだし。……ん?

 俺は黒髪ロングの美少女に振り返る。


「あの地面に落ちてたバナナってまさかカオリが食ったやつ?」


「はいな!」


「ぐおっ! 疑って悪いミーナ」


 ドキッ! として顔が赤くなるミーナは言う。

 まさか魔力を溜めていて血圧が上がってるわけじゃねーよな?


「な、何よ……敵同士なんだから疑ってよ! バカ!」


「いや、俺が悪いのは悪いし。ゴメンな。じゃあ仕切り直しでやるか!」


「な! 何をするのよ! 変な事はしても……」


「戦うんだろ?」


「あ、当たり前でしょ! バカ!」


 何か知らんがミーナの奴は興奮してるな。

 こいつはかなりの戦闘マニアかもしれん。

 顔の赤さがみなぎるパワーを物語ってるぜ。

 すると、スタスタとカオリが現れ俺に言う。


「アデュー君。あの子はツンデレなんだよ。わかってあげな」


「ツンデレ? 奴にデレ要素は無いだろう。それよりも俺様の活躍を見とけよ。後はあのバナナ魔王ミーナを倒せばキャンディ王国の平和は戻る。一日もかからず俺はキャンディ王国の英雄であり勇者だぜ……」


「それと、私のヒーローだね!」


 キラッ! とした爽やかな笑顔に俺は悶絶しそうになる。

 くそー! コイツ超カワイイな。

 黒髪ロングの清楚系は最高だぜ!

 にしてもこの世界は美少女魔王が多そうだからハーレムを形成出来るかもな……ま、俺の正室はこの

一人だけどな。


「さぁて、艶色に絶対勝利を宣言するぜ!」


 最高のヒロインが見守る中、俺とバナナ魔王ミーナの戦いは始まる。





『……』


 勇者と魔王の激突にキャンディ王国の人間もモンスター達も見入ってやがる。

 そらそーだよな。

 火炎に水に雷――と、色々な極大魔法のオンパレードだし、お互いの武器のぶつかり合いもハンパ無い。ちなみに、ミーナの武器はバナナデスサイズだ。要するにバナナの形をした大型の鎌だな。鋼鉄さえ断ち切りそうな魔を秘めた鎌だ。二人は交差し、一息つく。


「俺の二刀流にここまでほぼ互角か。やるじゃねーか」


「武器だけじゃなく魔法もここまで使えるとは思ってなかったわ。キャンディ王国の姫が探した異世界の勇者というのは本当のようね。元の世界ではどこかの国の王に使える戦士だったのかしら?」


「……ん? まーそんな所だ」


 背中に浴びるカオリからの視線がちょい痛い気がするがニートとは言えねー!

 まさかゲーム世界のアバターのままこのダンポコワールドに来たとは言えん……まさか勇者が元ニートなんて恥ずかしいしな。


(……けども、カオリの前で嘘はつきたくねーかな)


 丁度よくこの周囲の奴等も静まり返ってる。

 首をコキコキと鳴らした俺は言う。


「言葉の意味がわからんかもしれんが、俺はニートだった。要するに家でゴロゴロしてる奴の事だ。それがたまたま俺が一番になれたゲーム世界のステータスのままこの世界に召喚された。俺は勇者でも無い出来損ないだ。それでもやるぜ……処女の為なら俺はやる!」


『……』


 流石に驚いてやがるな。

 背後のカオリはただ微笑んでる。

 ミーナはバナナデスサイズを落とし唖然とした顔をして、モンスター達はやけに親近感のある顔に変わった。そしてそのモンスター達は叫ぶ。


『うおおおおっ! 勇者アデュー! 貴方は神だ!!!』


「へ? 神? これが計画通りってやつか?」


 このモンスター達も話がわかる奴だな。

 後はバナナ魔王ミーナをどうにかすればいいだけか。

 ふと、後ろにいるカオリに振り返る。


「やったねアデュー君! モンスターさえも味方につけたね。流石は勇者! カッコイイ!」


「……おう。当然だ。俺はこの世界だけじゃなく。お前の勇者だからな」


「え? モンスターがうるさくてよく聞こえなかったよ? もう一回お願い」


「……何でもねーよ。すぐに終わらせる。俺だけを見てやがれ」


「はいな!」


 ったく、絶対聞こえてたのに二度も言わせるなんて結構ドSだな

 さっきのミーナみたいに俺も血圧が上がってやがるぜ。

 最後の仕上げだ。

 必殺技でも叩き込むか……ん?

 すると、両手にバナナを持つミーナは叫ぶ。


「黙らっしゃい! バナナ投げるわよ!」


『は、はひー!』


 モンスター達はミーナの一声で黙った。

 そしてバナナデスサイズを構えるミーナは、


「処女の為に働く!? とんだド変態勇者ね。アンタがいたらこの国はおかしくなるし、部下のモンスターもおかしくなるわ。だから消えてもらう」


「負けねぇよ。それにチートポイントは貰うぜ。俺はチートポイントを十万貯めればあの姫とテックル出来るんだ。だからポイントちょーだい! 俺を評価してね!」


「は!? そんなんなら絶対評価しないわ! 乙女心を弄ぶのも大概になさい!」


「妄想ではミーナなんて、俺に超絶メラメラペロペロされてるんだからな! ヒヤッハー!」


「貴様! 戦いの最中に何を考えてる!?」


 ミーナは俺の全身に高ぶるオーラ……特に溢れ出る股間のオーラに驚愕する。

 カオリはフフフフと微笑み、両手にバナナの旗を持ち応援してくれてる。

 焦るミーナはバナナデスサイズに魔力を注入し出した。


「お前の頭の上の映像は、昨日のお前か?」


「頭の上……? あ! この映像は!?」


「こいつも中々のエロスだぜ」


 ミーナの頭から漏れ出してる頭上の映像を見た。

 ちょっとヤバメな映像だぜ。




 薄闇の中、シングルベッドで一人の金髪ツインテール少女が抱かれている――。


「今日はいいバナナが取れたわね……あっ……最高の……バナナだわ」


 あっ……。


「昨日の戦いでは、私は無音で相手を倒したわ。サイレントキリングってヤツね……」


 あっ……。


「やっぱり黄色はいい色よ……濃密で、人が希望を持てる色」


 あっ……。


「キャンディって美味しい?何か触るとベタベタして嫌よ。口の中で舐め回すか、舌先でチロチロするのが一番」


 あっ……。


「学園の方も楽しそうね。私はどこでも美少女だからモテてしょうがないでしょうね」


 あっ……。


「猫のエサも……あげなくてはいけないの」


 あっ……。


「新しい魔法も生み出したいわ……もっとこの国を良くする為に……」


 あっ……。


「そうだ! 今日は月九の芝居見る日だから早く帰らないと!」


 あっ……。


「明日は雨ね。けど雨は恵みを与えてくれる……それは貴方が感じてる女の園のように」


 あっ……。


「でもこれからはもっと……もおーっと美味しいバナナが手に入るわ……ビショビショに濡れちゃうくらいにね」


 そしてその男の身体は弾け飛ぶ。

 空気の抜けた人形は元のビニールサイズへとしぼんだ。

 少女は抱かれていたのではなく抱いていた。

 イケメン顔のダッチワイフを――。

 この金髪ツインテール少女は、ちょっと痛い妄想少女だった。

 そしてバナナを咥えた少女は、舌先で皮を剥いてチロチロと舐めて濃密な甘みを味わった。




「人の現実を覗くな!」


 頭上にモワッと浮かぶ昨日の現実をかき消し、金髪のツインテールを逆立たせ激怒するミーナは叫ぶ。

 俺とカオリはニシシ! と微笑む。

 更に怒るミーナは必殺技の構えに出た。


「私の必殺技で倒すわ。それにしても何故二本のソード以上に股間にオーラが集中してるの?」


「身体が勃起しねーで心が勃起するかよ!」




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