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チートニートスペシャリスト・魔眼の勇者  作者: 鬼京雅
魔王神サターン出現! 連れ去られた美少女とオッパイを救出せよ!
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魔王神サターンとの最終決戦3


そのサターンの言葉と共に、スッと一つの豚のアクセサリーが空中に向かって投げられた。

そのアクセサリーに描かれている顔はこのサターンシティーに来てから俺が大食い勝負で苦しめられた忌まわしい存在を思い出させた!


「子豚のアクセサリー!? またユイの召喚か――!?」


投げられた子豚のアクセサリーが地面に落ちると、いきなり魔王神の腹心ユイが現れた。


「ブヒブヒ……!」


以前と比べると、やや苦しそうな声だ。

つか、明らかに意識がねーな。

そして、その姿も落武者の如くボロボロだった。首から下げられるアクセサリーだけが光ってやがるぜ。


「流石に傀儡カラクリの魔力でも人間一人はまともに再生出来なかったか。そこまで自力で再生した意地は認めるが、お前と遊んでる暇は無い」


完全に意識を失ったまま召喚させられたユイは俺に襲いかかる。


(……サターンの創った傀儡カラクリの魔力受け皿を利用してその力をカオリに還元すれば俺自身のパワーも上がるかもしれねーな。うまくいけば、二人分のエネルギーを一つに出来るはずだ。サターン、ユイも含め全てを利用して俺は勝つ。ここが頑張り所だ……!)


狂気に満ちた表情で俺はユイの手刀を片手で受け止める。

間髪入れず、ブオッ! とユイは毒の息を吐いた。しかし、俺はしゃがんで毒の息を回避する。


「毒はもう十分だぜ!」


下段回し蹴りを叩き込み、暴れるユイの豚のアクセサリーに目を向けた。おそらくこれを破壊すればユイは元に戻るはず!


「ーーくっ!サターン!」


「狙いは悪くないわ。けどさせないわよ」


だが、サターンの魔法攻撃によって破壊するチャンスを失った。

けど決死の覚悟でダメージを受けつつユイの豚のアクセサリーを奪い取り、ユイを子豚に戻そうとするーー。


「何だこのパワーは!?」


何故か意識を取り戻し、凄まじいパワーになるユイに攻撃を受けそうになり逃げた。その背後をサターンに狙い撃ちされつつ、すぐさま近くの柱の影に隠れた俺は、


「何故いきなりユイの意識が戻ったんだ?まるでサターンのようなパワーだったぞ?そういえばユイ。ユイの姿が見当たらねぇ」


直前にサターンから攻撃を受けていた俺はユイの存在を見失う。だがすぐに見つかった。背後に回り込み俺の首を落とそうと構えていた。完成に不意を突かれた俺は、動く事が出来なかった。


「死ねアデュー!」


「――!」


必死確定の手刀が俺の首に振り下ろされる!

赤い液体が、宙を舞った。

けど、うずくまっているのはサターンの方であった。


「……いつ傀儡カラクリから出てきたのゴッド」


攻撃された右手をかばいながらサターンは言う。その視線の先には、俺の見慣れた顔があった。トマト味のアイスを食べるゴッドは白く長い髪を揺らし、白いワンピースをアイスで汚しながらのほほ!と微笑んでいる……。


「ゴッド!お前今までどこにいた!?」


「のほほ!傀儡カラクリに吸収されてしまった後に中でゆっくりしてたら、いきなり傀儡カラクリから魔力を奪った奴のおかげでワシも飛び出てきてしもうたわい。あれ?もう戦闘中?」


「どー見ても戦闘中だ!手伝えゴッド!」



突然の援軍は神幼女ゴッドだった。

最大のチャンスを逃したサターンはゴッドに魔法攻撃の狙いを定めたまま言う。


「神幼女ゴッド……基本的に下界に干渉しない貴女がここに来てやけに干渉するじゃない。神も勇者の方がお気に入りのようね」


「残念ながらワシは面白いものを見ていたい主義なのじゃ。故に、つまらぬサターンに協力する義理も義務も無いぞぇ。のほほ!」


「別にいいさ。私が永久に動ける身体を手に入れればいずれは神も消す。神と呼ばれる存在は一人で十分だからね」


苦々しい顔つきでサターンは言う。

そして、サターンとユイは構えた。


「とりあえずユイが動いたら任せるぜ。いつもアイス食わせてるんだから動いてくれよゴッド」


「……仕方ないのぅ。あのユイはワシが引き受けるか。やれやれじゃて」


「助かるぜゴッド。さて、サターン。賽は振り出しに戻った。もう一度振らないとな」


そして俺は、左手でネックレスらしき物をかざした。そのトップには、豚の勾玉のような物がついていた。


「さて、そろそろこの茶番劇も終わるぜ」


「そのネックレスは傀儡カラクリの核になってる豚の勾玉! いつの間に!?」


「そりゃ、傀儡カラクリには俺の相棒がいるからな」


意識を取り戻しているカオリは俺達にピースをした。激昂するサターンは、


「一体、それを何に使うつもり? 傀儡カラクリの謎を吐かせる為に使うのかしら……?」


「いーや、違うな。お前は二人居るんだろうサターン。正確にはユイの身体を乗っ取る事が出来る」


「……どうかしらね。アナタの手の内が見えない限りは答えられないわ」


「そうかよ……」


左手の平で豚の勾玉をぐっと握りしめた俺は一つの決意を固めた。


「呪われた傀儡カラクリよ! お前とリンクした者の意思に従え!」


『――!』


俺の言葉に驚く皆は傀儡カラクリを見た。

俺のの左手にある豚の勾玉は傀儡カラクリの内部にねじ込まれ、その緑色の輝きを目映く発光させた。白色に満たされていた室内は、やがて嘘の勾玉の緑色の輝きに満たされた。それと同時に、生贄であったカオリに全てを支配された傀儡カラクリは、活動を停止した。次第にカオリの顔面に浮き出た神経の張りは消え、弱まった拘束から放たれたカオリが落下した。


「おっと」


そのカオリを受け止めた俺は、自分のジャケットを羽織らせた。

唖然とした表情で、サターンとゴッドは俺達を見ていた。そしてチートソードの切っ先をサターンに向ける俺は、


「チェックメイトだサターン。そしてユイも乗っ取れる事を教えてくれよ。そうすれば倒す敵は二人になるからな」


「そうね。確かに私はユイを乗っ取れるわ。だからこそ、ユイは魔王神の腹心なのよ。コインのように表裏一体とも言えるわ」


「……白は黒に染まりやすいってことか。やれやれだ……」



やはりユイはサターンが乗っ取れるようだ。

つまり、今はサターンが二人存在する。

こうなったら二人共倒すしかねーか!

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