魔王神サターンとの入浴
そして俺とゴッドは叫んだ!
「うおー!広い!」
「のほほ!最高じゃ!脱ぐぞぇ!」
「脱ぐな」
興奮して白いワンピースを脱ぎ捨て全裸になるゴッドの服をストン!と元に戻す。そして宴会場の席についた。
長いテーブルの先に魔王神サターンがいる。
その反対の席に俺とゴッドがいるから真向かいにはなるが多少の距離があるな。
侍従達は素早く動き調理場から料理を運んで来る。
「スゲー広くて、俺達三人じゃなんか悪い気もするが、そんなの関係ねぇ!ぱっぱっぴー!」
「のほほ!ぴー!」
と、ムダに浮かれて見せた。
けど、魔王神サターンは特にリアクションは無い。こっちの策には乗らねーってか。やっぱりそうだよな……なわけで、
「とりあえずお前の目的を聞いておこう。それぐらいはいいだろ?」
「いいだろう。食事が運ばれて来るまでの余興として聞かせてやる……ブヒブヒ」
そして俺は魔王神サターンの目的を聞く。
それは不死を与える禁呪大魔法アムリタ。
永遠の命計画の発動だった。
アムリタは満月を媒介にして月のエネルギーと魔力を融合させて得る禁呪らしい。その力で永遠の命を得て全世界を支配するようだ。
「永遠の命に全世界の支配か。子供のような発想の単純な計画だが、それが出来るからこそお前は少女を誘拐してる。嫌な魔法が世の中にはあるもんだぜ全く」
どうやらサターンは永遠の命を手に入れたいようだ。永遠の命か……俺は欲しくねーな。だって、生きてるだけで苦しくなる事もあるし、生き物はソコソコで死んでおかないと次の世代にバトンタッチが出来なくなるからな。そしてサターンは言う。
「魔王神の寿命消費は激しい…神だからこそ眠りにつかなければならない期間が必ず存在する。そうしなければ寿命は一気に縮んでしまうのだ。それを少女達のおっぱいに集中する魔力を吸収する事により寿命消費を抑えるの。この少女達のおっぱいは私の寿命となり、全ての世界の役に立つのだよ」
「なるほどな……さて、食わしてもらうぜサターン」
「遠慮せず食うがいい。そしてデザートは豚アイスだブヒブヒ」
その言葉にゴッドは喜び鼻血を出した。
宴会場の料理をたらふく食い、俺とゴッドは腹をパンパン!パイパーン!にしながら倒れこんだ。まるで悪女のようにその俺達を見下すサターンは、
「とりあえず今日は風呂にでも入りゆっくりするがいいよ。慣れない世界で疲れてるだろうしね。ブヒブヒ」
『サンキュー!ヨンキュー!』
「ゴーキュー!って数が増えるブヒか?」
『そーだよサターン!』
そんなこんなで、サターンとムダに盛り上がった俺とゴッドは大浴場に向かう事になった。まさか……俺がこの面倒な神幼女の風呂の面倒まで?いや、流石に一人で身体ぐらい洗えるだろ……。
一抹の不安を抱きながら大浴場へ歩き出した。
大浴場サターン。
そこはブヒブヒ……という本物の豚の幻聴が聞こえてきそうな大きな豚の腹がくぼんだ大きな浴槽だ。多少の湯気が大きな豚の顔を隠し、幻想的のようで幻想的でもない微妙な感じの豚の彫刻加減になってた。
だが、俺がそれを体験するにはまだ時間がかかる。今は大浴場の外で待機してるんだ。ちょうど、俺の入浴を阻んでいたサターンとゴッドから声がした。
『入っていいわよアデュー!』
ガヤガヤしてた音が脱衣所から消えた。
「……!さて、サターン達は大浴場に入ったか。なら次は俺の番だな」
男女で別れた脱衣所は無いから、俺は後から着替えて入浴する事になっていた。横目で大浴場のカゴに入れられるサターンの水色の下着をチェックしつつ、服を脱ぐ。
そして、ここに入る前にサターンから渡されたメガネケースを取り出す。
「とりあえずサターンの魔法で互いに大事な所は見えないからフルチンでいいだろ。それにしても、魔眼を封印するメガネとはやってくれるじゃねーかサターン……」
入浴する時には乳白色の湯船に浸かっているから、裸は見えない。そして、俺には魔眼封印メガネをさせられてて魔眼が使えないから覗き見は不可能だ。それに魔王神サターンの魔法である程度の素肌は見えるけど、肝心な所は見えないようになってる……くそっ!
そして俺は魔眼封印メガネをかけた俺は大浴場サターンに入った。
ひたひたと濡れた足元を歩いて行くと、大きな豚の腹の中の浴槽にサターンとゴッドがいた。やっぱりこの魔法でコーティングされた空間と、魔眼封印メガネのせいて二人の裸は見れない……。すると、湯船から立ち上がるサターンは水色の濡れた髪をサッと耳にかけつつ言う。
「ようこそ、魔王神サターンの大浴場へ」
「おう、この大浴場のデザインは微妙だが湯加減はよさそうだな。ゴッドもほろ酔い気分のようだぜ」
酒でも飲んでんのか?ってほどゴッドは酔ってやがる。どうやらこの湯船のお湯に秘密があるようだ。
「サターン。この乳白色の湯は何の効能があるんだ?それに微妙にするこの匂いは……」
「効能は体力、魔力の回復促進。そして湯の成分はお酒。だけどいくら飲んでも酔いはするけど無害よ。一日で酒も身体から抜けるから人体には安心なお湯なの」
「……へぇ、便利なもんだな」
「そうね。少し目をつぶってなさいな。湯船に入る前に身体を水魔法で洗い流してあげるから」
「おう」
ザッバーンと水魔法で身体を洗浄された。
想像してた温度と違い、俺は悲鳴を上げた。
「ーーひぇ!?冷てぇ!」
「お湯かと思った?迂闊ね勇者アデュー。ブヒブヒ」
「野郎……」
身体が冷たい水色で流されて寒い……。
ゴッドの奴も笑ってやがるぜ。
冷たい水だったが、サッパリして身体がキレイになる俺は湯船に足を入れた。
「癒されるぜ……ここまで広い大浴場ってのは気分が良いもんだ。安らぐ……」
あー……極楽だ。
このまま眠っちまいそうだぜ。
隣のゴッドは白い髪を湯船に浮かばせて、自分の顔もアゴまでつからせてとろん……とした目で浮遊してやがる。
「ゴッド、お前もこの極楽がわかるから静かだな」
「当然じゃ。神は風呂が好きなのじゃ……」
「て、風呂で寝るな。溺死するぞ」
と、ボコボコ……と更に沈んで行き溺死しそうなゴッドを助けた。全く、この湯は確かに体力と魔力の回復はするがちょっと気持ちよすぎだな。サターンも、自分の作ったこの大浴場が満足してるようで安らかに瞳を閉じている。
『……』
湯船に浸かる三人に永遠に続くような時間が流れて行く……。何かこのままゆっくり朝まで寝てしまいたい所だ。体力、魔力だけじゃなく精神力が一番回復するんだなこの湯は……。
と、あんまこんな状態じゃいられんな。
「……サターン。この世界に連れ去ってきた人間達の魔力はどうやって吸収するつもりなんだ?その人間達はこのタワーのどっかにいるんだよな?」
「場所は言えないけど、このタワーにいるのは当然よ。魔力を集めるには大聖壇で儀式をしないとならないの。その儀式が済めば魔力を吸収した人間は元の世界に返すわよん」
「儀式ってのはもうやってんのか?」
「儀式は順次行うわ。一番魔力の高い者は最上階で行う。ほとんどの人間の儀式は下層階で済むけど、貴方の仲間は違うようね」
「カオリとミーナか……」
「最上階は私自身が行う儀式。大きな魔力を持つ者に対しては最上階の聖壇で私自身が行わなければならないのよ。聖壇こそがこの魔王神の活動を長続きさせるエネルギーの全てがある場所だから」
「最上階の聖壇か。そこで魔力吸収儀式を行う……」
顔を湯で洗い流す俺はカオリとミーナ達について考えた。ブヒブヒと鼻を鳴らすサターンは、ビュー!と湯を俺に手で水鉄砲のように射出しながら言う。
「何かもう私を倒したような感じでいるけど、この魔力神タワーに入った以上、出られないというのも忘れてない?」
『!?』
確かにそうだな……入ったからには出られない。ここのシティーの人間は魔王神を信仰してるから勇者の味方にはならねーだろうし……。今更だがゴッドもビビってやがる。
「アデュー……やばいぞぇ!酔ってる場合ではない!」
「まぁ、そんなの関係ねぇ!」
ズバン!と水面を叩いた!
『!?』
予想以上に強く叩いたのか、軽い津波が起こりサターンとゴッドはそれにのまれた。
そんなこんなで、混乱する大浴場はお湯の霧に包まれた。俺はその場で立ち尽くす。
「困ったぜ……メガネが曇って見えやしねー」
とにかく、目の前のお湯の霧を手で払いつつ動いた。二人の返事が無いからもしかしたら溺れてやがるのか?
「……ん?」
やけに柔らかい触り心地だ……けどプリンのように壊れるほどではなくてしっかりとした硬い弾力もある……これは!
「お、おっぱいか!」
見えないだけで触れられないわけじゃなかったな!気を失ってるのかサターンは水色の髪を顔に張り付かせたまま瞳を閉じてる……?
「あれ?」
何か視界がやけにクリアになってる……。
つー事は。
「魔眼封印メガネも外れてたな!それに……」
サターンの心が動揺したからこの大浴場にかかってる魔法が解除されちまったようだぜ。
やったね!
バッチリ魔王神のおっぱい見てやったぜ!
そんなこんなで、俺はサターンとゴッドを介抱した。
目を覚ますサターンは頭を抑えながら言う。
「……もう少し手加減しなさいよ。体力と魔力が回復してるんだからここでは予想以上の力が出るのよ!ブヒー!」
「悪い、悪い」
どうやらサターンは魔眼封印メガネが外れている事に気付いてないようだ。気付かれても面倒だから、最後に俺はサターンに聞く。
「連れ去って来た人間達の魔力吸収儀式はいつやるんだ?」
「満月の夜……つまり、明日よ」
そしてサターンは先に大浴場を出た。
プリプリとした尻を見つめる俺は、明日に行われる魔力吸収儀式を阻止しようと考えつつもサターンの尻に見とれた。
「さて、ゴッド。俺達も風呂から出るぞ」
「のほほ!出るぞ!出るぞぇ!」
「痛ぇ!俺のチンコをつかんで立ち上がるな!」
「たいした引っかかりではないが役に立ったぞ。もう少し勃たせなければカオリもミーナも満足しないぞぇ!」
「うるせー!ゴッド!頭をグリグリしてやる!」
「のほほ!やめてケロ!」
逃げ惑うゴッドを捕まえると、ふと違和感を感じた。さっきの脱衣所とはここは違うな……。どこかの倉庫の一角のような場所に出ちゃったぞ?
「ん?ここは脱衣所じゃないな?どこだ?」
俺と同じくキョロキョロするゴッドは、
「一階と書いてあるぞぇ?しかも、裏の一階だから表とは繋がってないようじゃ」
「マジかよ……ハメやがったなサターン!」
大浴場から出ると、下層階へ落とされていた。
とにかく上がるしかない。
「艶色にのし上がってやるぜ!」




