魔王神ワールドの探索
「……ふぅ。ここが魔王神ワールドか。……って、ただ草原が広がってるだけだな」
そう、俺と神幼女ゴッドがワープした魔王神ワールドの場所は、魔王神サターンのシティーじゃなくてだだっ広い草原の真ん中だった。どこまでも見渡す限り深緑の草原で、かなり歩かないと人を探すのも一苦労しそうだぜ。てなわけで、魔王神サターンのシティーから探さないとならない。
なので俺は一緒にこの魔王神ワールドに来たゴッドと共に歩きだそうとする。
にしてもこのゴッドの野郎……。
口を開けて草の上で寝てやがる。
「おい起きろゴッド。魔王神ワールドに着いたぞ」
「ムニャ、ムニャ……アイス食べたい」
「アイスを食べたきゃ魔王神がいるだろうシティーへ行かないとならん。とりあえず起きろ。全てはそれからだ」
「ムニャ、ムニャ……起きたらアイスを食べたい……のほほ!」
「……」
ゴッドはとんでもない事を俺に言いやがる。
起きたらアイスがあるって考えがスゲーよ。
つか、お前はアイスしか食わねーのか?
とりあえず無理矢理起こすしかねぇ。
「起きるぞゴッド。早く起きてアイス食いに行くぞー」
「あいちゅ、あいちゅ……のほほ!」
俺はゴッドのヨダレをハンカチで拭きつつ、乱れた髪をとかしてやり何とか起こした。コイツは手のかかる幼女だ……千年以上も生きてる神なのに……。
「起きたかゴッド?とりあえず適当に歩いてみるぞ。モンスターの気配も無いし、とにかく進むしかねーよ」
「のほほ!ならば行くべし!我等は魔王神サターンを倒す神と勇者の一行じゃ!」
とゴッドは言うと、俺にしゃがんでくれと言う。何でだ?と尋ねると、
「おんぶしちくり」
「は?自分で歩けよ」
「ワシはワープで疲れてるんじゃ!おんぶ!おんぶ!おんぶしてくれー!アイス食べたいー!」
「おいおい、疲れるも何も俺がオッパイ揉んでただけじゃねーかよ。これから魔王神の手下とかが襲ってくるかも知れねーんだから早く体力回復させろよ」
「おんぶしてくれなきゃ、ワシはここで寝てるぞえ?」
「仕方ねーな……」
面倒だからゴッドをおんぶする事にした。
やってられねーが、敵地で争ってる場合じゃねーしな。ゴッドをおんぶする俺はとりあえず怪しげな鳥が飛んでる方向に向かって歩き出す。すると、やけにまた重くなるように俺にしがみつくゴッドは呟く。
「とりあえず寝る……」
「……もう好きにしろ」
草原を少し進むと、開けた広場のような場所がありそこに放牧されたような豚が数頭いた。魔王神サターンはブヒー!とかいう口ぐせがある女だ。それに豚丼食いたいとか言ってたから奴の食料なのかもしれん。
「とりあえず倒して、食うか。腹が減っては戦は出来ぬからな」
「アイスを食わねば戦はできぬのじゃ……」
「寝言までアイスとは、お前は本当はアイスの神だろ……フレアバースト!」
ズバババッ!と炎が豚達に炸裂し、豚の丸焼きにしてやった。ほどよく焼けていい感じの豚の丸焼きになったぜ……あ!このままじゃ食えねーじゃん。
「そうだ。このままじゃ味が微妙だな。今は調味料とかがねーからな。……まぁ、いいか。とりあえず食ってみよう」
「おー……」
「……コイツ本当に寝てやがるのか?」
そんなこんなで俺と寝てるゴッドは近くの洞窟で豚の丸焼きを食べる事にした。洞窟の中はそこそこ薄暗いが、モンスターとかの住処にはなってないようで安心した。
このエリアは豚を飼ってるからモンスターはいないのかもしれん。それなら養豚場みたいなのが近くにあるのかもな……って、すぐそばの神幼女が暴れてウゼー。
完全に目が覚めたゴッドは俺のあぐらをかいた上に座り叫んでやがる。
「のほほ!この豚の丸焼きはアイスに近い美味さじゃ!」
「そうか、いっぱい食えよ。調味料も無しでこれだけの美味さだと、魔王神サターンは焼いただけで食えるように品種改良してるのかもな」
「まさか豚の丸焼きがここまで美味いとはのぅ……魔王神も中々やりおるな」
と言いつつ、ゴッドは豚の丸焼きにむしゃぶりつく。口についた肉汁を拭いてやりつつ、俺も食べる。……うーん。噛めば噛むほど口の中にじゅわー……と肉汁が広がり、後味はさっぱりしてていくらでも食えそうな肉だ。こりゃ、この世界の食だけで人をさらう事も可能だな……!
すると、ゴッドがつぶらな瞳を俺の顔の目の前でパチクリさせながら言う。
「抱っこしちくり。寝るから」
「俺は抱き枕か!」
「Zzzz……豚の丸焼き……」
「アイスじゃねーのかよって、もう寝てる……」
とりあえずゴッドの奴を寝かしつける事にした。コイツを回復させとかないと、ダンポコワールドに帰る時も帰れなくなるからな。
さて、とりあえず今日はここで休もう。
明日の朝からこの辺を調べて豚が飼われてる養豚場へ向かう。そこで魔王神シティーの情報を集めてサターンに会いに行く。連れ去られた女達の状態も知らなきゃならんしな……やることは結構山積みだぜ。
「さて、ゴッドも寝てるし俺も……」
「ワシはまだ寝てないぞぇ?」
「ん?起きてたのかよゴッド。ちゃんと休んだ方がいいぞ。いつ襲撃にあってもいいようにな」
「襲撃を警戒するのはいいけど、簡単にダンポコワールドに帰れると思うなよアデュー」
「何だって?簡単に帰れねーだと?」
どうやらこの魔王神ワールドからダンポコワールドへは簡単には帰れないらしい。行きはヨイヨイ帰りは怖いってヤツか。
「……そうじゃ、帰るには多大な魔力を消費する。この魔王神ワールドは入るのはそこまで難しくないが、出るのは非常に厳しい。そこが魔王神が存在する世界なのじゃ!」
「まるでヤクザの世界だぜ。けど、脱出方法は魔王神を倒せばいいだけだろ?」
「魔王神サターンを倒しても脱出できるわけじゃないぞぇ。だからこそこの世界に散る金の魔力秘宝・チェリーボールを集めるのじゃ!」
「チェリーボール?」
この魔王神ワールドのどこかにある金色の魔力秘宝・チェリーボールを三個集めると、ここからワープ出来るようだ。チェリーボールか……男の金玉みたいなもんかな。ま、いずれわかるだろ。
「とりあえず今日はここで寝るぞ。しっかり抱きついとけ」
「のほほ!ワシの処女を寝てる間に狙ってもかまわぬぞ……お主は未だにカオリの処女を大事にしてるようじゃからな。チェリーボーイよ」
「狙うか!って寝てやがる!……寝顔だけ見てるとカワイイんだが。ま、俺も寝るとするか」
そんなこんなで、今夜は洞窟で一晩過ごす事にして翌朝から活動する事にした。




