キャンディ王国に立つ勇者アデュー!
「艶色にアデュー!」
ダンポコワールドのキャンディ王国城頂上にて俺はそう叫んだ。
すると下の群衆は俺に気付く。
「俺はアデュー! チートニートスペシャリストの魔眼の勇者である!」
気持ちいーね……。
ここからの眺めは最高に気分がいいぜ。
このキャンディ城にはやけにバナナの木があるし、周囲の森もバナナが多いな。
それはいいとして、俺を見つめるアリのような群衆は、茫然とこの魔眼の勇者を見てやがる。
へっ、惚れるなよ!
「賊が現れたぞー!」
「賊はテメー等だろ魔物共!」
まさか異世界に召喚されてすぐに戦闘とはな。あのカオリ姫もやってくれるぜ。
「さーて、ちゃんとチートニートスペシャリストの能力があるか確認するか。まずは魔眼の力からと……」
キイィィィン……と俺の右目は赤くなる。
その右目は輝き、全身にVRMMOチートニートオンラインの時のようなパワーが溢れ出て来る。
「……なるほどな」
俺は人間達の中に混じる魔物を魔眼で選別する。
ほーら、ほーら、混ざってやがる、混ざってやがる。
人間の皮を被り、人間の世界を裏から支配しようとしてる魔物がよ。
そんな皮被りとはこの魔眼の勇者は違うからな!
いや、確かに俺は童貞でまだ被って……ってんな事はどーでもいい!
俺はカタツムリはすぐにあの美少女で卒業するんだ!
本番になれば一皮ムケるぜ!
「んなわけで、一狩り行こうか。艶やかにアデュー!」
「どもども! キャンディ王国の姫のカオリだよん!」
「お?お前は俺をこの異世界に召喚したカオリか! 宜しくな! とりあえずアイツ等をこの勇者と魔術師と魔王と龍王の力を持つ俺様が倒せばいいんだな? 勝ったから約束通り処女は貰うぜ」
「チートポイント溜まったらね!」
「そうだったな。まぁ、お前ようなチョロインは、俺様のしもべになるのが一番だぜ」
「はいな!」
「ツッコまないんかい! 面白い奴だな。俺のヒロインにしちゃあ上出来だ。そろそろ下の魔物もこの城の頂上に向かってくる。シバいて来る……ぜ?」
ドテ! と落ちていたバナナの皮で俺は転んでしまう。
それをカオリは助けてくれた。
……こんな美少女と密着したのは初めてだからドキドキしちまうぜ!
しかもオッパイが腕に当たってる!
ま、これは事故だから仕方ない……ので、もうちょっとこの豊かなたゆんたやんオッパイの感触に浸りたいぜ。アデュー!
「助かったぜ。ありがとな。にしても俺様ともあろうものがバナナの皮で滑るとは……どうかしてるな!」
「そうね、童貞だし!」
「そりゃ関係ねーし!」
「あるよ!」
「あるの!?」
「……内緒!」
と、漫才をしてる場合じゃねー。
敵はすでに下から迫ってるんだからな。
そしてカオリは言う。
「今は新しいパワーに慣れてないだけだよ。安定すれば転ぶ事も無いから。何せ私の命の半分の力なんだからね!」
「命の半分!? ぐおっ!」
ボンッ! と俺は背中を押されて下に落下する。
そんなこんなで俺は千ぐらいのキャンディ王国を支配する軍勢と戦う事になった。
異世界に召喚されたチートニートスペシャリストである魔眼勇者の初陣だ!
「来い! チートソード! ニートソード!」
ブウゥゥゥンッと魔力で異空間から右手の赤いチートソード、左手の黄色いニートソードが出現した。
最強無双を誇る絶対勇者の剣のそれを手に取り、俺はいつも通り二刀流の構えに出る。
「超絶メラメラに燃えて来たぜ!」




