番犬誕生!バクロンをペットにしたアデュー
オモチャの宇宙空間ーー。
バクロモンスターのバクロンが俺達を転送させたそこは満天の星が輝く宇宙空間だった!
この星しか見えない暗闇がバクロンの能力が発揮されるテリトリーなのか……。
けど、空気があるからただ浮かんでるだけの無重力の場所だ。よかった、よかった。
「何かフワフワしてる感じだな。足元がおぼつかない……とりあえず掴む所を……」
「おい、アデュー!どこを触ってる!?」
すると暗闇からミーナの声が聞こえた。
こんな近くにいたのかミーナ。
少しずつシルエットが見えてきたな……触れると見える仕組みか。にしても……。
「この柔らかさと弾力は、全ての男を癒す神の如き物体ーー」
ふと手を伸ばすとミーナの胸をつかんだ!
ほどよい弾力でソコソコつかみ易い。
素晴らしい巨乳だ!
けど、いつまでも揉んでるわけにはいかないから少し離れよう……ぬ?
「ヒャううう……アデュー君、暗闇だからってエッチな事はほどほどにね!」
「お、やっぱり今度はカオリの乳か!」
今度はカオリの乳だ!
かなりの弾力でつかみズラい。
圧倒されるかなりの巨乳だぜ!
「よし、これでカオリも発見したぜ。とりあえず皆無事で何より。何より」
変な星空の異空間に来たらラッキーハプニングのオンパレードだぜ!
とんだトラブルだ!
にしてもこの星空を見ていると……。
「ここは何か落ち着くな……俺の元の世界だとプラネタリウムでも行かないとこんな満天の星空は見れないからな……」
俺はこの異空間で横になり、左右にカオリとミーナが横になる。
ミーナがバナナをくれたから皆で食う。
腹が減っては戦は出来ぬってことわざもあるからな。やっぱりミーナのバナナは美味いぜ!そして、ぽかーん……と口を開けたままのミーナは言う。
「バナナもいいけど星空もいいわね……なーんかロマンチックじゃない?」
「ほー、ミーナはそんな乙女チックな事を言って何気無くアデュー君の手を握るとは策士ですなー」
「は!いや、これはただぶつかっただけよ!アンタだってアデューの手を握ってるじゃないカオリ!」
勢いよく起き上がるミーナの手により、俺は大ダメージを受けた!そして冷静にカオリは二ヒヒと微笑み言う。
「そしてミーナはどこを握ってるの?」
「え?だから手を……って!アレ!?アレだった!?ぎゃー!」
ミーナは俺の股間をつかんでた事に気付き、慌てふためく。こんなんでスゲーダメージ受けたよ……チートでも股間だけはどうにもならんな!
微妙に仲の悪い二人のヒロインの争いは見てて楽しくもある。何か微笑ましいんだよな。
落ち着く二人に俺は言う。
「そういえば、キャンディ王国ってお祭り的なものはあるけど、あんま活発にやってないよな。夜もだいたい早く寝る人間が多いし」
するとカオリとミーナは、
「そうだね。キャンディ王国は早寝早起きが基本だから、軍の夜勤じゃない限りだいたいの人は夜は寝るね。けど、これからは経済の発展の為にも夜のイベントを増やして夜の良さも国中に広めていければいいねー」
「そうよ!そうよ!私がキャンディ王国を支配してた時は夜のイベントとかやりたかったのよ!屋台とか出せばチョコバナナとかたこ焼きバナナとかメッチャ売れるだろうし、キャンディ王国のキャンディ以外の名産品として様々なバナナが様々な食品とコラボレーションして消費され、人間の栄養素となり輝くの!」
ほーう。
この二人もヤル気はありそうだな。
なら、色々と考えていった方がいいな。
とりあえずミーナの案を参考にしつつ……。
「キャンディ王国も、お祭りで夜のバーベキュー大会とかやろうぜ!あったかい季節なら最高のパーティになるな!」
『いいね!いいね!』
「いいねじゃねー!ワイを忘れるなぁ!」
すでに忘れ去られていたバクロンは言う。
「またまたワイの存在を忘れてたな!その迂闊さがこの状況を生んでる事がわからんのか!?」
『わからん』
「!?」
俺達のシンクロ台詞にバクロンは驚いてやがる。この状況になったのはちょっと感謝してる。心が安らかになったしな!
「まー、そうカリカリすんなよ。お前のテリトリーなんだろ?ならドシっと構えてやがれ」
「なら、もっとピンチな感じをかもちだせ!」
『やーだよー。ベロベロベー』
「コイツ等は何なんだ!?」
俺達のシンクロベロベロベーにバクロンは更に絶句してる。コイツは案外チョロいかもな。
「おいバクロン。お前、俺のペットになれ」
「ワン!ってなるかいボケぇ!」
ククッ、全く面白い犬コロだぜ。
さて、そろそろ冷静に倒すとするかね。
すると、バクロンはニシシ!と笑いながら言った。
「お前の行動パターンは赤魔王ユリリにバクロされてるから知ってる。残念ながら油断はしないぞ、このバクロン様はな!」
「どう油断しないんだよーー」
一瞬でバクロンとの間合いを詰め、俺は一撃を叩き込む。あれ?バクロンが消えた?
「バカめ!ワイの自由空間だから幻覚魔法のように存在するのだ。つまり、ワイの本体はあるようでないのだ!ブハハハッ!」
「チッ、ならこの空間ごと壊してやろーか?」
「それは無理だ。すでに人質は取ってるからな」
「何!?カオリ!ミーナ!」
バクロンの野郎!
すでにカオリとミーナを鳥籠に閉じ込めてやがる。
ジャンプして二人が閉じ込められてる鳥籠を壊すーーが、バクロンに一撃を加えようとした時のようにスカッ!と外れた。
「くそっ!この鳥籠すら幻覚魔法か。ならバクロンを倒す方が先決だ。どこにいるのか知らんが待ってろ二人共!」
『うん!』
元気な二人の声を聞いて安心した。
ソッコーでバクロンを倒してやる!
そのバクロンは尻尾をフリフリしながら言う。
「お前は女に弱いのも調査済みだ。くらえ!イマジネーションガールズ!」
バクロンの魔法で
無数の美少女の群れが現れやがった!
これが世に言うハーレムって奴か!?
その美少女幻覚の中に俺も呑まれてしまう……。
大きなソファーが現れ、その真ん中に座る俺に無数の美少女達が囲い込むように集まってくる……こりゃ極楽過ぎで死んじまいそうだ。そして目の前にテーブルが現れて特盛りのフルーツの詰め合わせが隣の美少女達から口に入れられ、それを濃いめのカルピスで飲み干す。
「いやー、こんな美少女達に囲まれて飲むカルピスは一味も二味も違うぜ。毎日こんなんだったら、廃人人生まっしぐらだ」
『勇者アデュー!好きよー!』
「わかった、わかった。そんなには食えねーぞ……」
俺の口は一つしかねーのに、困ったもんだぜこの女達は。
これだけの美少女が揃っていても案外冷静でいられるもんだな……あの二人のおかげか。元の世界の俺なら引っかってたが、今の俺には仲間がいる。だからこそ、このハーレムトラップには……!
スッ!と俺は目の前のフルーツの詰め合わせの皿を吹っ飛ばす。周りの美少女達は顔を硬直させ、人形のように固まる。
そう、この顔こそがこの作られた女達の本性。
「残念だったなバクロン。女は好きだが好みはある。あんまり好みじゃねー女が連続して出てくると、幻覚魔法からも醒めちまうぜ。それに、近くにこの二人がいたらぽっと出の女が勝てるわけねーよ」
「何だと!?これだけの美少女達を揃えても尚、勇者は納得しないのか!貴様はどれほどの欲を……」
「言ったろ?カオリとミーナに勝てる女は簡単には見つからねーよ。俺の右目に巣食う魔眼よ……この異世界空間の核を教えろ……」
「ワイの空間を壊すつもりか!」
「そーだよ犬コロ」
そして俺は魔眼の力を開放し、バクロン異空間の核を見つけそこを砕いた。全てのエネルギーが弾け、俺達は現実世界に帰還したーー。
「さて、ウチのペットになってもらうぜバクロン」
ぐぬぬ……と尻尾をフリフリしながらバクロンは黙る。嬉しいんだか嫌なんだかどっちなんだよ?
「勇者のペットとしてこのバクロン様が生きるにはお前の協力が必要だ……エサと給与に応じてなってやる」
コイツ……負けた癖に強情だな。
「ツナ缶毎日あげればいいだろ?」
「ツナ缶毎日くれるのか!ならなるぞ!絶対になってやる!ワイが勇者アデューのペットのバクロンだ!」
単純な野郎だ……ま、いっか。
そんなこんなで他人の噂を暴露する暴露モンスターのバクロンがウチのペットになった。これで夜間でもゆっくり眠れるぜ。
「ワイは夜は家の中で眠るぞ?だって外は怖いしな!」
「いや、外で寝ろよ!お前は番犬として役に立つ為に飼うんだよ!アホか!」
「外なんて誰か来たら怖いだろ!特に幽霊なんて出たらどうするんだよ!ワイは意外にビビりなのじゃ!」
「うるせーよ!黙って夜は外で寝てろ。早々変な襲撃者はこねーよ。だから外な」
「やだよ!頬をつねるぞアデュー?」
「つねってみろよバクロン!」
『うがーーー!』
色々もめたが、ツナ缶三食で外で寝てもらう事になった。全く面倒な番犬だぜ。
じゃ、艶色にアデュー!




