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19.報復

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

どうやらハコスたちは拠点の一つに侵入してきたようだわ。

契約書の写真と腕輪しか手に入れられなかったようだけれど、それで十分。

マフィアとの関係の裏どりをして、契約書を使えば叔父を追いつめられる。


それに、この購入履歴……

何種類かの薬物がうちの子会社名義で購入されている。

この会社は叔父の息がかかっていたはず、品を抑えれば決定的な証拠になるわ。


ハコスたちに指示を、と思った時スマホが光る。

あら、どうやら前回の侵入時に能力を使ってしまったようね、髪を伸ばす時間が必要と……

せっかくの共犯者を使いつぶすのも忍びないわね。ここはわたくしが動きましょう。


「ゾフィー、BB商事に行くわ」

「は、車を用意いたします」


部屋を出ていくゾフィーの背を見送り、顔を伏せる。

いけない。復讐の完了が近くなるにつれて、表情を取り繕うのが難しくなってる。

彼女が戻ってくる前に、いつもの顔に戻らなきゃ。


_______________

BB商事につくと、オフィスで何やら社員がざわついていた。

一体どうしたのかしら……


「おい、社長室にウォーデン会長が来てるってマジか」

「なんだかとっても荒れてるみたい」

「うちの社長と二人だけで……って何やってるのかしら」


叔父がBB社長と揉めているらしい。まずい、出遅れましたわ……!証拠を処分される前に抑えなければ!

急いで社長室のドアを開ける。


「~~~!!くそっ!帳簿が消えただと!!やはりマフィアのドブネズミと組んだのが間違いだった!!」

「落ち着いてください総帥、いまからアレを処分することはできないのですか!?」

「プロジェクト凍結の指示は出した、しかし既に完成した物のいくつかがあいつらの手にある……!」


「話は聞かせていただきました」


部屋に突入し、奴の首を取るべく、言及を始める……!


「エラ……どうしてここに、それより聞いていたのか?」

「叔父様、いやウォーデン……言質をつりましたわ。やはりドッドファミリーとつながっていたようね」


醜く顔を歪めた叔父が唾を吐き散らかすようにして吠える。


「そうか……っ!お前がやったのかっ!帳簿もファビュラスマンを嗾けたのも!お前が!!」


身に覚えのない謂れです。しかし、叔父が激高しているのは好都合、このままやつの口を滑らせるために、意味深な笑みを浮かべるのみで明言は致しませんわ。


「何のことかしら?ずいぶんと気が立ってらっしゃるようね。そちらの顔のほうがお似合いですわ」


「あぁぁぁ!!お前らは親子そろって私の邪魔をする!!ヒューズのやつもそうだった……!」


父上が?叔父の邪魔をしたと……あくどいことを企んでいたのは過去にもあったようですわね。

しかし、そんな話は聞いたことがありません……

ポーカーフェイスを忘れて、考えている間にも叔父は止まらない。


「私が育毛剤を作成しようとした時も、口座を差し止め私の前に勝ち誇った顔で現れた!今のお前のようにな!あの顔が、奴のすべてが許せなかった……!だから、お前の母親を殺してやったのさ!!」


全身の血の気が引くのを感じた。母は殺された……?目の前の男に……?

知らず知らず奥歯を噛みしめていたのか、次の言葉が出ませんでした。

そんなわたくしに、叔父は下卑た笑みを浮かべて続けます。


「簡単だったよ。借金で首の回らない奴に車で突っ込ませただけだ!あの女が死んで、お前の親父は見る影もないほどに憔悴した!最高の気分だったよ……!」

「そのあとに、慰めだと毒入りの酒を飲ませたら、あっという間に病院で寝たきりになりやがった!!!バカだよなぁ!私に黙って従っていればよかったんだよ!」

「それに、お前の父親が隠していたことも、大したことはないゴミみたいなもんだったぜ!?知りたいかぁ?なぁエラ!?」


怒りと悲しみで、目に涙が溜まるのを堪えられませんでした。

憎い、目の前の男が……

殺す……!


殺意で目の前が真っ赤になる。

大口を開けて高笑いする醜悪な男を、お母様を亡き者とし、お父様を病床に伏せさせたこいつを……!

会社を取り戻すとか、お父様の品位を取り戻すとか、そんなものが一瞬だけ脳裏によぎる。


それを衝動で押しつぶし、能力を発動しようと意識したとき、叔父の胸から黒い刃が生えた。


「なん……ごふっ……がっ、ぎ、きさま……裏切った、のか……」


「汚い口を閉じろ下種が」


黒い刃が引き抜かれ、叔父の体がカーペットに沈む。


そこに立っていたのは、頭髪が刃のように変化したゾフィーだった。

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