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ヤンデレ幼馴染に監禁されたけど、快適すぎた。  作者: ChaCha


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産後ケアはとっても大事です。


翌日。


我が家は、祝福の熱気に包まれていた。


まだ身体の芯はだるく、下腹には出産の名残の重みが鈍く残っている。

けれど、磨き上げられた床も、陽の差すカーテンも、廊下を行き交う足音も、全部がどこか浮き立って聞こえた。


セバスさんやノア、ノエル、そして他の使用人たちがずらりと並び、


『新たにお仕えする尊き血に、絶対の忠誠を!!』


などと、ひたすら激重な祝言を述べてくる。


重い。


重すぎる。


昨日この世に出てきたばかりの、ふにゃふにゃの赤ちゃんに向かって、どうして出陣前みたいな重すぎる忠誠宣言になるのよ。


「ねぇ、この世界の人たち、すぐ『命を賭けて』とか言うよね!」


「普通だぞ?」


「ほんと、びっくりするわよね」


「慣れろ」


呆れる私に、ルシアンから甘い口付けが落ちる。


「名前はルシアンが考えてね?」


「……それは、国家の一大プロジェクトに匹敵する重大な案件だな」


真顔で言うから困る。

でも、たぶんこの人は本気でそう思っている。


さて、出産前に私が恐れ、心配していた

『三時間~二時間に一回泣かれて、寝不足で死ぬ思いをする』という過酷な新生児育児だが――。


ルシアンお手製の『自動搾乳器』に『保温魔導具』、『母乳冷凍魔導具』、さらには『寝かし付けゆらゆら魔導具』まで。


それらに加え、ノアとノエルはもちろん、使用人たちを総動員しての24時間体制のシフト制。


部屋の隅では柔らかな魔導灯が一定の明るさを保ち、保温魔導具の上では清潔な布がほどよい温度に保たれている。


小さな寝台は揺れすぎない絶妙な速度でゆらゆらと揺れ、泣き声が上がれば誰かがすぐに駆けつける。


その結果、私はひたすら産後の回復だけに専念させられるという、超絶VIP待遇を受けていた。


ルシアン様々、魔導具様々である。


というか、ここまで来ると、もはや私は母というより超高待遇の軟禁状態に近いのではないだろうか。


「これじゃあ、ガルガルする暇も与えられないわね!!」


ふかふかのベッドでくつろぎながら私が笑うと、ルシアンが不思議そうに首を傾げた。


「ガルガルとはなんだ?」


「我が子を守るために、獣や魔物みたいに気性が荒くなる、産後のお母さんのことよ」


私が前世の知識(ガルガル期)を説明すると、ルシアンは心底恐ろしいものでも聞いたかのように、真顔でこう言った。


「……リナのいた世界は、ずいぶんと物騒なんだな」


(……いや、それルシアンが言う!?)


私は心の中で、愛する夫に向かって渾身のツッコミを入れたのだった。


「ぷす、ぷすぅ」


ゆらゆら揺れる寝台で、愛しい息子は小さく鼻を鳴らしながら、あたたかな毛布にくるまって夢の中だ。


平和だ。


あまりにも平和すぎる。


そんな幸せを感じずにはいられない心地良さに、私はまた微睡んだ。


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