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ヤンデレ幼馴染に監禁されたけど、快適すぎた。  作者: ChaCha


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36/96

川の字で眠る夜。なお私は寝たフリである。

結局、私は両親の間に挟まれる形で、巨大な天蓋付きベッドに横たわっていた。


いわゆる「川の字」だ。


これ以上ないほど守られているはずなのに、私の肌はさっきから、微かな寒気を感じ続けている。


右からは母が、私の髪を指先でくるくると弄ぶ感触。

左からは父が、私の手を逃がさないように――それでいて壊れ物を扱うような慎重さで、そっと握り込んでいる。


……いや、寝にくいわ!


いくらなんでも密着しすぎだ。


だが、誘拐に次ぐ誘拐で疲れ切っていた私は、そんな違和感さえ押し流されるように、いつの間にか深い眠りへと落ちていた。


どれくらい時間が経ったのだろう。


ふと、妙な胸騒ぎに引き上げられるように目が覚めた。


時計の針が刻む音さえ聞こえない、静寂に沈んだ深夜。


「…………」


視線を感じる。


それも、一つや二つではない。


射抜くような、刺すような、

それでいてじっとりと熱を帯びた、逃げ場のない視線。


私は恐る恐る、ほんのわずかに目を開け――


そして、凍りついた。


暗闇の中。


隣で眠っているはずの両親が、二人揃って上体を起こし、

じっと私の顔を覗き込んでいた。


「……あぁ、本当に可愛い……私の愛しい子」


母が、吐息をこぼすように囁く。


その瞳は一点の曇りもなく私を捉え、瞬きすらしていない。


「一分一秒も逃したくない。リナ。お前が吸い込む空気まで、すべて私の管理下に置きたい」


父の声は、昼間の威厳など影も形もない。

ただひたすらに、渇望に震えていた。


二人はまるで、深夜の美術館で禁じられた至宝を前にした観客のように――

あるいは獲物を前にした捕食者のように――

暗闇の中で、瞳を爛々と輝かせている。


「愛しいリナ」


「可愛い子」


「ずっと一緒だ」


「どこにも行かせないよ」


交互に繰り返される、呪文のような愛の囁き。


その視線が触れる場所が、じりじりと熱を帯びていく。


そして――


二人の視線は、一度も、私から外れなかった。


待って。


これ、やっぱりおかしい。


いくら親馬鹿でも、寝ている娘を無言で数時間ウォッチングするのはホラーの領域でしょ……!


あまりの恐怖に、私は寝たフリを続けることしかできなかった。


扉の外には、


ストーカー気質の婚約者。

拉致監禁を狙った騎士。

隠し通路から侵入してきた管理人。

馬車を操り、連れ去る気満々の御者。


そして――深夜に娘を凝視する両親。


……あれ?


もしかして、一番まともなの……


消去法でルシアンだったりする……?


その考えが頭をよぎった瞬間、胸の奥がきゅっと縮んだ。


私は震える心を必死に押し殺し、

ただ、夜が明けることだけを祈り続けた。



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