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ヤンデレ幼馴染に監禁されたけど、快適すぎた。  作者: ChaCha


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一緒に寝れば安心だ

私は必死に、先ほど寝室で起きた出来事を両親にぶちまけた。


驚愕に目を見開く両親。

管理人は代々この洋館を任せてきた、家系ぐるみで信頼の厚い人物だったらしい。

それがまさか、深夜に隠し通路から令嬢の寝室へ忍び込み、心中を迫るなど……。


「……リナ。今すぐとはいかない。せめて夜が明けるまで待てるか?」


父は沈痛な面持ちで、私が連れてきた護衛騎士へ即座に指示を出す。


そうよね。

騎士団は私の誘拐騒動で高原中を駆けずり回り、疲労困憊だ。

馬も準備も整わない中、深夜に強行軍を強いるのは、さすがに我儘が過ぎる。


「……あ、そうですよね。取り乱してしまって、ごめんなさい」


父が静かに腕を広げる。


「おいで、リナ」


その隣で、母も優しく微笑んだ。


「愛しい我が子」


両親にぎゅっと抱き締められ、

ようやく冷え切っていた体温が戻ってくるのを感じる。


「そうだわ! 今日はこのまま、三人で一緒に寝ましょう」


母の提案に、父も即座に頷いた。


「そうだな」


父は数歩歩み寄り、壁に飾られていた名剣を手に取ると、無言でベッド脇に置いた。


……ガチである。


母がベッドに入り、ポンポンと私の座る場所を叩いて呼んでくれる。


見た目は美少女。

中身は大人の私だけれど、このむず痒くて温かい幸福感には抗えない。


「お父様、お母様、ありがとう。私、二人の娘になれて本当に嬉しい」



翌朝、管理人の姿は館のどこにも見当たらなかった。


昼食の席で、合流したルシアンと顔を合わせる。


昨夜の微妙な空気を察したのか、ルシアンは穴が開くほど私をじっと見つめてくる。


(やめてよ。私はただ寝てただけだよ?

私が禁術を拒んだから自業自得だとか、そんなこと思ってるんでしょ?)


居たたまれなさに視線を泳がせていると、ルシアンが低く告げた。


「……リナ。王都へは俺の馬車で帰るぞ」


「両親と一緒の馬車がいいな……なんて……」


ルシアンと二人きりの閉鎖空間。

説教されるか、あるいは被験者としてベタベタと観察されるか。


どちらにせよ、ツラい未来しか見えない。


「……俺をなんだと思っている」


「えっ! 声に出てた!?」


「顔に出てる。……手は出さない。……今はな」


「『今は』って言った!!」


そんな私たちのやり取りを、両親はなぜか「仲睦まじいわね」と言わんばかりの微笑ましい目で見守っている。


違う、助けて。


館の前では、慌ただしく荷が積まれ、王都へ戻る準備が進んでいた。


「お嬢様、もう準備はお済みですか?」


声をかけてきたのは、見覚えのある御者だった。


「ええ、多分そうね。皆が頑張ってくれたおかげだわ」


「お先に馬車に乗られてお待ちになりますか?」


周りを見渡すと、忙しく立ち働く使用人たちの中で、手持ち無沙汰な私は、ただ邪魔なだけのように思えた。


「……先に馬車で待っていると、両親たちへ伝えておいてくれる?」


「お任せください」


御者が差し出した手に、そっと手を添えて馬車へ乗り込む。


ふかふかの座席に腰を下ろすと同時に、背後でドアが閉まった。


カチャリ。……ガチ。


ん?


今、外から鍵をかけるような、嫌な音がしなかった?


カタン……


「えっ」


私の困惑を置き去りにして、馬車が揺れた。


ゴトゴト、ガタゴト……。


窓の外を流れる景色が、

ゆっくりと、けれど確実に加速していく。


もーやだ。


ほんとに……。


なんでぇ……!?



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