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僕らの死亡遊戯  作者: 神話project
第二章 白倉静香~契りし者~
27/43

004

 それから数日が経っても神明君に話しかける機会は来なかった。放課後もクラスの男子……上守君が彼といつも一緒にいるからチャンスが中々来ない。上守君の存在は私にとって煩わしいだけだった。

「静香ちゃんスタイルいいよね。うらやましいぃ」

 私の中で変化といえば、体調も回復して体育に参加できるようになったぐらいだ。

 更衣室で着替えるのも半年ぶり……それ以上かもしれない。私にとってはささやかな幸せだ。

「そんなことないって」

「揉ませて!」

 綾先さんが両手を掲げながら構えた。

「だーめ。やめて」

「残念だなぁ。あ、でもちょっと痩せた? 前よりほっそりした気がする」

「……ずっと寝込んでから」

「私なんか運動やめただけで、一気に太っちゃうからうらやましいなぁー」

「……」

「あ、ごめん……体質の話だよ」

「わかってる」

「でも、静香ちゃん元々痩せてるんだから、もっと太った方がいいよ」

「食欲も戻ってきたから、そんなに心配しなくてもすぐ元通りになるわ」

「あ~、その余裕がうらやましいぃー」

「……」

「……顔色悪いけど大丈夫?」

「うん、まだちょっと疲れやすいみたい」

「体調が悪くなったら言ってね。保健室まで一緒にいくよ」

「ありがとう」

 綾先さんにはいつも心配してもらっていた。

 そんな彼女に、さらに心配をかけることなってしまった。

 それは次の日のことだ。

「ねぇねぇ、静香ちゃん。大変! ちょっと来て」

 綾先さんに呼ばれて廊下の隅に行く。

「どうしたの?」

「これ見て!」

 綾先さんに携帯の動画を見せられた。……私の着替えが映っている。

「……これは?」

「盗撮だよ。盗撮。男子がきっと更衣室にカメラか何か仕掛けてたんだよ」

「……」

「それとこれ」

 もう一つはネット掲示板のようだった。

 そこには、私の悪口ばかりが書かれていた。

「どうする? 先生に言った方がいいんじゃない? 私も何か怖いし」

 心当たりは全く無かった。玲二がするとはとても思えない。

「うーん、一時的なものだと思うから、しばらく様子見てみる。これからは気をつけるわ。教えてくれてありがとう」

「え!? いいの!? ショックじゃない?」

「そういうことをする人の方が、むしろ可哀想かな……」

「……えー静香ちゃん優しすぎるよぉ」

 綾先さんは私より心配しているようだった。更衣室内で盗撮となれば、女子にとって人事ではないだろう。私自身、ショックでないと言えば嘘になる。でも、私は先生を頼る訳にも、警察を頼るわけにもいかなかった……。

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