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僕らの死亡遊戯  作者: 神話project
第一章 上守隼人~最後の犠牲者~
12/43

012

「隼人!」

 次の日、栞が珍しくクラスにやってきた。

「どうかした?」

「絶対何かおかしいよ、あの人」

 声を潜めて、囁くように言った。

「あの人……?」

 栞は白倉さんの方へ目線を向ける。

「何が?」

「うまく説明できないけど、別れた方がいいって……」

「……」

 僕には、栞が言ってる意味が、さっぱり理解できなかった。

 むしろ、腹立たしさのようなものを覚えていた。

「私は、本気で隼人の心配してるんだよ?」

「何を心配してるのか知らないけど、大丈夫だって……」

「じゃあ……」

「ん?」

「じゃあさ……、私が隼人と付き合うって言ったら……別れてくれる?」

 栞の消え入りそうな囁きが聞こえた時、クラスの喧噪が音を失った気がした……。

「……何、馬鹿言ってるんだよ。冗談でもそんなこというな」

「…私は……」

「あ、もしかして上守君の彼女?」

 横から話しかけてきたのは、綾先さんだった。

「違うよ。ただの友達」

「…ごめん。私、用事あるから……」

 栞はその場から逃げるように、教室から出ていってしまった。

「もしかして、何か邪魔しちゃった?」

「いや、全然」

「ふ~ん……」

 綾先さんは、何か聞きたそうにしていた。会話が聞こえたわけがないから、単なる興味心みたいなものだろうか。

「静香ぁ! いるかぁー!?」

 その時、廊下から大声で白倉さんを呼び出したのは郷矢巻勝だった。

 白倉さんは席から立ち上がり、郷矢の方へ向かうと二言三言会話を交わして、二人でそのままどこかへ行ってしまった。白倉さんはどことなく不機嫌そうに見えたが、他の人にはそう映らなかったらしい。 

「あっやしいぃー」

「あの人、サッカー部のキャプテンでしょ。カッコイイよね」

 女子達が盛り上がっていた。いつの間にか、綾先さんも女子の輪に入っている。

 しばらくして白倉さんが戻ってくると、質問攻めにあっていた。

「ねぇねぇ、郷矢君と付き合ってるの?」

「……まさか」

「えー、じゃあ告白されたとか?」

「そんなことあるわけないわ」

「つまんなぁーい。じゃあ、何の用だったの?」

「……別に大した用じゃなかったけど」

「何それ…、教えてよ。すごっく親しそうだったし、やっぱり付き合ってるんでしょ」

「それは絶対ないから。だって、私付き合ってる人がいるし」

 ……白倉さんの方を見てみたい気がするが、どうしても見れなかった。耳を傾けるのが限界だ。

「えー、嘘! 誰?」

「それは……彼氏に口止めされてるから無理なの」

 女子達は大騒ぎだった。男子達は全員耳を澄まして聞いていたようだが、目に見える反応はなかった。

 その後、授業中も白倉さんは何事もなかったように過ごしていたが、僕と目が合ったとき微笑んでくれた……。

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