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第129話 予測して進む

翌朝。


アルスたちは採掘区域(仮)の地図と、壁面記号をまとめた紙を見比べていた。


丸と二本線。


荷役設備の近く。


三角と一本線。


採掘地点の近く。


縦線を囲む形。


通気構造の近く。


そして、まだ一例しかない四角と点。


意味。


確定していない。


でも。


繰り返し。


ある。


シリウスが言った。


「今日は記号を見ながら進む?」


「うん」


アルスは頷く。


「当たるかどうかを確認したい」


レインが紙を見る。


「当たっても、すぐ意味を確定しない」


「もちろん」


アイリスが少し笑う。

「そこはもう全員分かっています」


五人は中級ダンジョンへ入った。


細い足場。


地下水路。


人工区域。


採掘空間。


昨日まで何度も通った場所。


そして。


崩落を確認した通路は使わない。


今日は、まだ見ていない別の道。


採掘区域下部。


分岐。


右。


広め。


壁。


加工あり。


アルスが魔素を見る。


近く。


大きな反応なし。


レインが言う。

「行こう」


進む。


最初は。


特に。


何もない。


床。


粗い。


壁。


削られている。


でも。


十分歩ける。


少し先。


壁。


記号。


三角。


その下。


一本線。


全員。


止まる。


シリウスが笑った。


「来た」


アルスも少しだけ気持ちが動く。


昨日まで。


この記号は。


採掘地点付近。


二例。


今日。


三例目。


レインが前を見る。


「この先に鉱脈がある?」


「あるかもしれない」


進む。


慎重。


通路。


少し曲がる。


そして。


壁。


黒い。


鉱脈。


明確。


シリウスが声を抑えながら笑う。


「当たり」


アイリスも見る。


「三例目です」


アルスは記録する。


三角+一本線。

三例目。

採掘地点。

一致。


まだ。


三回。


でも。


意味。


かなり。


強くなる。


シリウスが言う。

「じゃあ採掘の印でよくない?」


「まだ、採掘地点にある印、くらい」


「ほぼ同じだろ」


「違う」


レインが笑った。


「アルの中では違うんだよ」


アルスも笑う。


でも。


ここで。


初めて。


観測した情報。


未来の予測。


使えた。


それが大きい。


進む。


鉱脈。


何度か。


削られている。


ただ。


昨日採取した黒い鉱石とは。


少し違う。


色。


暗い灰色。


魔素。


少ない。


全部。


同じ鉱物。


ではない。


シリウスが聞く。

「採る?」


アルスは首を振る。


「今日は記号確認が目的」


必要。


ない。


進む。


さらに。


壁。


別の記号。


丸。


二本線。


シリウスがすぐ言う。


「荷物運ぶ場所」


レインが周囲を見る。


床。


広くなる。


壁。


金属輪。


二つ。


さらに。


地面。


擦れた跡。


長く。


続く。


アイリスが言う。

「かなり一致していますね」


アルスも頷く。


荷役。


運搬。


少なくとも。


そういう用途と。


関係。


かなり高い。


そして。


その先。


通路。


少し下る。


音。


聞こえる。


水。


ではない。


金属。


いや。


何かが揺れる。


微かな音。


全員。


止まる。


シリウスが小声で言う。

「動いてるものある?」


アルスが魔素を見る。


生き物。


近く。


なし。


でも。


何か。


魔素。


弱い。


一定。


前。


レインが言う。


「慎重に」


進む。


少し。


広間。


入る。


そして。


五人。


止まった。


中央。


古い構造物。


木。


ほぼ朽ちている。


金属。


枠。


残っている。


天井。


滑車。


複数。


床。


溝。


一直線。


奥。


縦穴。


大きい。


ただ。


昨日見た縦穴とは違う。


こちらは。


明らかに。


設備。


組まれていた。


シリウスが言った。


「これ、完全に運ぶ場所だろ」


今回は。


アルスも。


かなり。


そう思う。


鉱石。


集める。


運ぶ。


ここ。


上げる。


下げる。


別の場所へ。


流す。


工程。


ある。


レインが天井を見る。


「まだ何か動いてる?」


音。


微か。


カン。


カン。


風。


揺らす。


金属。


ぶつかる。


それだけ。


らしい。


生き物。


なし。


アイリスが言う。

「機械がまだ動いているわけではなさそうですね」


アルスも頷く。


でも。


魔素。


弱い。


残っている。


構造物。


一部。


発光鉱物。


埋め込まれている。


青白い。


ほんの少し。


光。


残る。


「これ、魔道具だった?」


シリウスが言う。


アルスは近付く。


触れない。


見る。


発光鉱物。


配置。


規則的。


金属枠。


線。


繋がる。


魔素。


流れ。


弱い。


でも。


ある。


人工的。


「可能性、高い」


レインが言う。

「採掘した鉱石を動かすための?」


「たぶん」


でも。


動かない。


壊れている。


長い時間。


経っている。


アルスは構造を記録する。


滑車。


縦穴。


金属枠。


発光鉱物。


魔素経路。


床の溝。


そして。


壁。


また。


丸と二本線。


シリウスが笑う。


「もうこれは運搬でいいだろ」


アルスも少し笑った。


「かなり高い」


そこまで。


認める。


ただ。


壁の反対側。


別の記号。


初めて見る形。


横線。


三本。


その下に。


小さな丸。


アルスが止まる。


「新しい」


全員。


見る。


意味。


分からない。


近く。


何がある。


確認。


壁。


構造物。


縦穴。


その奥。


小さな扉。


いや。


石。


塞いでいる。


人工的。


閉じた。


ように見える。


シリウスが言う。

「ここ?」


レインが見る。


「記号がこれを示してる?」


可能性。


ある。


でも。


一例。


決めない。


アルスは紙へ写す。


横三本+小丸。

運搬設備広間。

閉鎖された開口部付近。

一例。


そして。


今日は。


開けない。


シリウスが少し驚く。


「見ない?」


アルスが答える。


「開けたら戻せないかもしれない」


閉じている。


理由。


ある。


かもしれない。


崩落防止。


危険。


保管。


封鎖。


何か。


分からない。


レインも頷く。


「今日はやめよう」


アイリスも。

「今は記号の確認だけで十分です」


リリアが閉じた場所を見る。

「閉じてあるものは、閉じてある状態も情報ですものね」


その言葉。


アルスは気に入った。


開ける。


その瞬間。


情報。


変わる。


だから。


今。


そのまま。


残す。


五人は広間を詳しく記録する。


そして。


戻る。


帰路。


問題なし。


細い足場。


水量。


変化なし。


入口。


野営地。


アルスは壁面記号の紙を更新する。


三角+一本線。

採掘地点三例。

一致。


丸+二本線。

荷役・運搬設備付近三例。

一致。


縦線を囲む形。

通気構造二例。


横三本+小丸。

閉鎖開口付近一例。

意味不明。


シリウスが言う。


「ほぼ辞書になってきた」


アルスは紙を見る。


まだ。


単語。


にも。


届いていない。


でも。


記号。


見れば。


少し。


先を予測できる。


今日。


それが。


初めて。


できた。


レインが言った。


「今までは見つけたものを記録してた。でも今日は記録から次を予測したね」


アルスも頷く。


観測。


記録。


比較。


仮説。


予測。


そして。


確認。


一周。


した。


前世で。


何度も。


やった考え方。


でも。


今。


この世界で。


自分の目。


自分の足。


仲間。


使って。


回っている。


アルスは探索記録の最後に書いた。


――記号の仮説を用いて、採掘地点および運搬設備を事前予測。

――現時点では一致。

――壁面記号は作業用標識である可能性がさらに上昇。


その下。


もう一行。


――観測したものは、残すだけではなく、次を見るために使える。


地図。


記録。


記号。


全部。


ただの紙。


ではなくなり始めていた。

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