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125/227

第125話 使われていた場所

翌朝。


アルスたちは昨日見つけた人工的な広間へ向かった。


入口からの道。


細い足場。


地下水路を見下ろす場所。


左の加工された通路。


そして。


昨日調べた広間。


今日も。


誰もいない。


火の跡。


錆びた金属。


排水溝。


壁の固定穴。


全部。


そのまま。


シリウスが周囲を見る。


「昨日から変わってないな」


レインが答える。

「誰かが今も使ってる場所ではなさそうだね」


アルスもそう思う。


少なくとも。


一晩で。


新しい痕跡。


なし。


でも。


それだけで放棄された場所と断定はしない。


長い周期で使う場所かもしれない。


まず。


左の通路。


見る。


五人。


全員で進む。


通路。


人工的な加工。


続く。


床。


平ら。


壁。


削られている。


ところどころ。


小さな窪み。


一定間隔。


昨日の広間にあった固定穴と似ている。


シリウスが言う。

「ここにも何か付けてた?」


アルスは記録する。


「可能性あり」


進む。


十数分。


先。


また部屋。


今度は。


小さい。


四角い。


壁際。


低い石。


横一列。


レインが見る。

「座る場所?」


アイリスが言う。

「棚にも見えます」


リリアも。

「寝台かもしれませんわ」


三つ。


全部。


あり得る。


形。


だけでは。


分からない。


ただ。


自然ではない。


部屋の奥。


壁。


大きく削れている。


そこに。


何かを置いていた跡。


四角。


底。


少しだけ黒い。


アルスが魔素を見る。


特別な反応。


なし。


シリウスが周囲を探す。


「他に何もない」


レインが言う。

「倉庫だった可能性もある?」


アルスは少し考える。


「ありそう。でもまだ保留」


今日は。


決めない。


記録。


だけ。


次。


右の通路。


広間へ戻ってから進む。


こちらは。


少し違う。


人工的な加工。


最初だけ。


すぐに。


自然の洞窟へ戻る。


床。


凸凹。


壁。


不規則。


シリウスが言う。

「途中で工事やめた?」


アルスが答える。

「それか、最初だけ整えれば十分だった」


進む。


少し先。


広い場所。


そこに。


大量の石片。


積んである。


自然に崩れた。


ではない。


明らかに。


一か所へ集めている。


レインが言う。

「掘った石?」


アルスもそう見える。


壁。


削れている。


大きく。


深く。


採掘。


あるいは。


通路拡張。


その残骸。


シリウスが石を一つ見る。


「発光鉱物はないな」


「少なくとも見える範囲には」


アイリスが壁を見る。

「ここだけ掘った理由があるのでしょうか」


アルスは魔素を探る。


特別に濃い。


わけではない。


鉱物。


目立つもの。


なし。


今のところ。


理由。


不明。


でも。


広間。


加工。


掘削。


固定具。


火。


排水。


一つずつ。


増える。


この場所。


偶然の休憩所。


それだけではなさそう。


五人は右の部屋も記録し、広間へ戻る。


残る。


奥。


小さな開口。


シリウスが覗く。


「ここ狭い」


人。


通れる。


でも。


一人ずつ。


レインが言う。

「今日はここまででもいいと思うけど」


シリウスが見る。

「ちょっとだけ見ない?」


アルスは時間を確認する。


余裕。


ある。


疲労。


ほぼなし。


魔素反応。


近く。


なし。


「入口だけ」


それで決まる。


シリウス。


先頭。


レイン。


アルス。


リリア。


アイリス。


細い通路。


少し下る。


そして。


すぐ。


終わる。


いや。


終わり。


ではない。


前。


縦。


穴。


大きい。


下。


見えない。


シリウスが止まる。


「また下か」


アルスも覗く。


でも。


近付きすぎない。


穴の壁。


不自然。


途中。


削られている。


足場。


のような跡。


一定間隔。


下へ。


続く。


レインが言う。

「階段?」


「今は残ってない」


アルスが見る。


石。


壁。


横。


同じ間隔。


何か。


あった。


可能性。


木製。


金属。


梯子。


階段。


分からない。


でも。


人が上下するための構造。


あったように見える。


シリウスが少し興奮する。


「じゃあ下にもこの場所の続きがある?」


アルスも。


可能性。


高いと思う。


魔素を見る。


下。


弱い。


でも。


空間。


ある。


さらに。


風。


上がってくる。


地下水路の音。


しない。


別。


系統。


かもしれない。


アイリスが言う。

「ここを降りるのは無理ですね」


「今はね」


レインも即答。


今日は。


見るだけ。


穴の位置。


深さ。


不明。


壁の加工痕。


下部空間。


記録。


それで戻る。


広間へ戻った時。


シリウスが言う。


「ここ、ただの休憩所じゃないな」


今度は。


アルスもすぐ否定しなかった。


「活動拠点だった可能性は高いと思う」


何を。


していたか。


誰が。


いつ。


まだ。


分からない。


でも。


広間。


小部屋。


掘削。


上下構造。


複数の通路。


明らかに。


長く使う前提。


ありそう。


リリアが言う。

「働いていた人たちがいたのでしょうか」


アイリスも。

「採掘施設にも見えますね」


レインが発光鉱物の方角を見る。

「鉱物を取ってた?」


可能性。


ある。


でも。


発光鉱物。


この場所の近くにも。


直接はない。


アルスは言う。


「まだ繋げない方がいい」


一つ。


仮説。


採掘拠点。


別。


調査施設。


別。


避難所。


別。


昔の冒険者拠点。


全部。


可能性。


残す。


帰る。


細い足場。


水量。


問題なし。


全員。


渡る。


野営地。


地図。


更新。


人工広間。


左。


小部屋。


低い石列。


四角い設置跡。


右。


掘削空間。


石材集積。


奥。


縦穴。


上下移動設備跡の可能性。


アルスは新しい紙へ。


人工区域。


とだけ書く。


名称。


ではない。


分類。


仮。


シリウスが見る。

「区域って付けたんだ」


「地図で区別しやすいから」


「名前じゃない?」


「名前ではない」


レインが笑う。


「そこは大事なんだね」


大事。


だった。


呼び方。


付ける。


その瞬間。


意味。


固定。


されやすい。


だから。


今は。


機能だけ。


アルスは記録の最後に書いた。


――人工区域。

――複数の加工空間、掘削跡、上下移動設備らしき痕跡を確認。

――短期滞在用ではなく、継続的な活動拠点だった可能性。


そして。


もう一行。


――跡が増えるほど、分かったように感じる。

――でも、跡が増えただけで、答えが増えたわけではない。


五人は今日。


昨日より。


たくさん見た。


でも。


誰がここにいたのか。


それだけは。


まだ。


何も分かっていなかった。

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