ヴァランシエンヌ公爵邸の朝
ヴァランシエンヌ公爵邸の、私の、私室。
朝、私は、ふかふかの、絹の、ベッドから、目を、覚ました。
「ルリアージュお嬢様、おはようございます」
侍女の、フローラ(ベルロワ家から、ついてきてくれた)が、優しく、声を、かけた。
「フローラ、おはよう」
——ルリアージュ。
——もう、その名前にも、慣れた。
——リリア・ベルナール → リリア・ド・ベルロワ → リリア・ド・モンペリエ → ルリアージュ・ド・ヴァランシエンヌ。
——四つ目の、名前。
私は、起き上がって、窓辺に、立った。
ヴァランシエンヌ公爵邸は——
エトワール王国、最大の、貴族邸宅。
広大な、庭園。
東西に、伸びる、長い回廊。
中央には、白大理石の、噴水。
そして、奥の、庭園の、一角に——
私の、専用、芸能事務所棟。
「事務所棟」と、私が、呼んでいるそこには——
オーレリアン、レオン、リアナ、奉公人棟の少女たち、新タレント、グスタフの工房(増築)、そして、ベルロワ・カーヴ運営本部、雑誌『エトワール・ステラ』編集部、特許管理事務所——
全てが、入っていた。
私の、王国だった。
そして——
今日から。
私は——
エトワール王国、全土を、巻き込む、最大の、夢、を、始める。
『スター・サバイバル』。
エトワール王国、初の、全国オーディション。
「フローラ、朝食、用意して。今日、皆を、集める」
「はい、お嬢様」
私は、振り返って、にっこり、笑った。
——よし。
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