魔石カメラ、発明
貴族院、入学から、半年。
私は、新たな、発明に、取り組んでいた。
魔石カメラ。
「グスタフのおじさん、今度は、像を、魔石に、焼き付ける、技術を、開発したい」
私が、月一の、抜け出しで、グスタフの工房に、現れて、提案した。
「像を、魔石に?」
「うん。光と、像を、魔石が、捉えて、紙に、転写する。一瞬で、肖像画が、できる」
「……それ、絵描き、要らなく、なるぞ」
「いや、絵描きは、芸術として、生き残る。これは、量産用」
——前世の、銀塩写真の、原理を、魔石で、再現したい。
——光感受性のある、特殊な、魔石を、使えば、たぶん、できる。
グスタフは、長く、考えてから——
「やる」
頷いた。
「お前の、発明、毎回、王国を、ひっくり返す。今度も、ひっくり返るんだろ」
「うん」
私は、にっこり、笑った。
開発は、半年、かかった。
グスタフと、画工と、神殿改革派の、神官(光の魔法に、詳しい)と、私の、四人で、毎週、会議を、開いた。
そして——
完成した、魔石カメラ、第一号。
握り拳ほどの、サイズ。
レンズに、特殊な、光感受性魔石。
シャッターを、切ると、像が、内部の、感応紙に、転写される。
その紙を、現像液(魔法薬)に、浸すと、像が、定着する。
「うわあ、できた!」
私は、最初の、写真を、見て、感動した。
被写体は——
オーレリアン。
「綺麗、綺麗、綺麗」
私は、写真に、頬擦りした。
「リリア、本当に、気持ち悪いぞ」
オーレリアンが、ぼそりと、呟いた。
——うん、推し活オタクの、リアクション。
魔石カメラは——
予想通り、エトワール王国の、芸術界に、革命を、起こした。
軍:偵察用に、独占供給。月、金貨五十枚。
神殿:聖典の、複製用に。月、金貨二十枚。
貴族:肖像画の、量産用に。月、金貨百枚。
総収益:月、金貨百七十枚。
それも、ロイヤリティ。
私の、収益は、月、金貨七千枚を、超えた。
——よし。
——これで、リアナを、ちゃんと、迎えに行ける。
——いや、もう、迎えに、行こう。
私は、決めた。
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