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ファンクラブ、第一号
劇場建設、一ヶ月目。
私は、グスタフの工房で、新しい、構想を、練っていた。
「ファンクラブ、って、何だ」
グスタフが、首を、傾げた。
「特定の、タレントを、応援する人たちの、組織」
「組織?」
「うん。月会費、銀貨一枚。会員には、特典がある。会報誌、優先チケット予約、握手会、サイン入りグッズ、限定の、ブロマイド」
「……ブロマイド」
「うん、それも、これから、作るの」
私は、紙を、取り出して、書き始めた。
『ベルロワ・カーヴ ファンクラブ』
- 月会費:銀貨一枚
- 会員特典:
・月一回の会報誌
・チケット優先購入権
・限定ブロマイド毎月一枚
・年一回の握手会参加権
・サイン入りグッズ抽選
「これ、本当に、人が、入るのか?」
「入る」
私は、きっぱり、答えた。
——だって、推し活オタクは、そういう生き物。
——会費、払って、特典、貰える、なら、入る。
——むしろ、特典、貰えるなら、家賃、削っても、払う。
「目標、初年度、五千人」
「五千? 本気か」
「本気」
——五千人なら、月、銀貨五千枚=金貨五百枚。
——年、金貨六千枚。
——劇場の入場料を、超える。
——ファンクラブが、私の、第二の、収益柱。
グスタフは、頭を、抱えた。
「お前、本当に、王国を、ひっくり返す気だな」
「うん」
私は、にやり、と、笑った。
「いつか、ね」
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