第二十二話 神殿の保守派
# 第二十二話 神殿の保守派
レオンを、加えた、その翌週。
私たちは、街頭ライブで、初めて、四人——いや、三人——で、披露した。
歌:リル+レオンの、二人ハーモニー。
踊り:コレット。
照明:照明魔石、四隅設置。
拡声:拡声魔石、三人分。
これは、爆発した。
聴衆は、ついに、千人を、超えた。
そして、その夜——
歌い終わって、空き缶を片付けていた私たちの、目の前に、神殿の、神官が、三人、立った。
灰色のローブ。
胸に、銀の、星のシンボル。
冷たい、目。
「リル、と、いう少年。それと、レオン。お前たち、神殿に、来い」
「神殿?」
「歌は、神への、祈りである。娯楽として、用いることは、神への、冒涜だ。お前たち、明日、神殿で、審問を、受けてもらう」
——きた。
——神殿の、保守派の、ターン。
私は、にっこり、笑って、頷いた。
「分かりました。明日、伺います」
——望むところ。
——むしろ、こっちから、行きたかった。
——神殿の、保守派と、改革派の、構図を、知るために。
——そして、改革派と、繋がるために。
神官たちは、私たちを、もう一度、睨んで、去った。
レオンが、青ざめた顔で、私を、見た。
「リル、神殿の審問、ヤバい。下手すれば、俺たち、火炙り、だぞ」
「大丈夫」
私は、レオンの肩を、叩いた。
「私、神殿の、味方を、ひとり、知ってる」
——嘘だ。
——まだ、知らない。
——でも、明日、知る。
——必ず、神殿の中の、改革派を、見つけ出す。
その夜、私は、グスタフの工房で、コレットと、レオンと、二人を、座らせて、こう、言った。
「明日、私、神殿の審問、行ってくる。コレット、レオンは、絶対、来ないで。来たら、危ない」
「リル、ひとりで、行くの?」
「うん。ひとりで、行った方が、相手の、出方が、見える」
——本当のところは。
——コレットと、レオンを、巻き込みたく、ない。
——神殿との対立は、私、ひとりで、引き受ける。
「グスタフのおじさんも、来ないで。後ろから、見ていて。何かあれば、後で、迎えに来てください」
「……分かった」
グスタフは、低く、唸った。
「だが、リリア、危ない時は、俺、すぐに、軍に、頼む。モンタージュ副司令官の、名前、使う」
「ありがと」
——よし。
私は、深呼吸した。
——明日、神殿に、乗り込む。
——五歳児の、私が。
—— エトワール王国の、神殿改革、第一歩。
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