結婚式、当日
結婚式、当日。
エトワール王国、大神殿。
私は、純白の、絹のドレス、瑠璃色のヴェール、を、纏って、神殿の、入口に、立った。
私の、横には、ジュリアン兄。
「リリア」
「お兄様」
「綺麗、だ」
ジュリアン兄の、青い目に、涙が、滲んでいた。
「お兄様、お母様、見てくれてる、と、思いますか?」
「ああ、絶対、見てくれている」
ジュリアン兄は、私の、手を、取った。
「行こう」
私たちは、神殿の、長い、聖路を、歩き始めた。
聖路の、両側には、千五百人の、招待客が、並んでいた。
ヴァランシエンヌ公爵夫妻、ベルロワ子爵夫妻、モンペリエ伯爵、王太子妃殿下、ジャン陛下、シャルロット王妃、王太后陛下——
王族、貴族、神官、軍人、商人、平民、獣人、他種族——
そして、ガイア・サヴァージュからの、ガストル王陛下、使節団。
エトワール王国の、すべての、身分、種族の、人々が、私の、結婚式に、参列していた。
聖路の、奥、祭壇の、前。
オーレリアンが、立っていた。
そして、彼の、隣には、セラフィム卿。
——!
——セラフィムも、立会人として、参列。
紺色の、礼服。
胸元には、暁色と、瑠璃色の、紋章。
暁色の、髪は、長く、肩を、超えて、流れていた。
紅い瞳が、私を、見つめていた。
ジュリアン兄は、祭壇の前で、私の、手を、オーレリアンに、渡した。
「俺の、妹、リリアを、よろしく、お願いします」
「お預かり、します」
オーレリアンが、深く、頭を、下げた。
ジュリアン兄の、目から、涙が、こぼれた。
そして、マルセル神官が、祭壇に、立った。
「皆様、本日、私たちは、ルリアージュ・ド・ヴァランシエンヌ嬢と、不死鳥オーレリアンの、結婚を、神の、御前に、おいて、祝福、します」
「これは、エトワール王国、初の、身分の、壁を、超えた、結婚です」
「これは、エトワール王国、初の、種族の、壁を、超えた、結婚です」
「これは、エトワール王国、新しい、時代の、夜明けの、象徴です」
そして、誓約。
「オーレリアン。あなたは、ルリアージュ嬢を、唯一の、妻として、永遠に、愛し、守ることを、誓いますか」
「誓います」
「ルリアージュ嬢。あなたは、オーレリアンを、唯一の、夫として、永遠に、愛し、守ることを、誓いますか」
「誓います」
「では、神の、御前に、ふたりの、結婚を、宣言、します」
そして、オーレリアンと、私は、長い、長い、初めての、口づけ、を、交わした。
千五百人の、招待客が、立ち上がって、拍手を、送った。
そして、神殿の、上空に、不思議な、光が、射した。
暁色の、輝き。
そして、銀色の、輝き。
オーレリアンの、肩から、半透明の、暁色の、翼が、現れた。
セラフィム卿の、肩からも、半透明の、銀色の、翼が、現れた。
二羽の、不死鳥の、翼が、私たちの、結婚を、祝福した。
神殿、全体が、温かい、暁と、銀の、光に、満たされた。
「神の、祝福……」
「不死鳥族、二人の、神聖なる、力……」
「これは、神話の、再現……」
招待客の、誰もが、息を、呑んでいた。
オーレリアンの、翼に、包まれた、私は、世界一、幸せな、花嫁、だった。
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