117/120
結婚式、前夜
結婚式、前夜。
私は、ヴァランシエンヌ公爵邸の、私室で、眠れずに、いた。
「ルリアージュ」
ふと、扉が、開いて、シャルロットが、入ってきた。
「シャルロット」
「眠れない、んでしょ?」
シャルロットは、私の、ベッドの、隣に、座った。
「うん」
「私も、結婚式の、前夜、眠れなかった」
シャルロットは、ふっと、笑った。
「ルリアージュ、明日、絶対、幸せ、になる」
「うん」
「私、姉さまが、十年、頑張ってきたの、見てきた。あなたが、辿り着いた、この、瞬間。誇りに、思ってる」
シャルロットの、紫の目に、涙が、滲んだ。
私の、目にも、涙が、滲んだ。
「シャルロット、ありがとう」
私たちは、夜明けまで、姉妹として、長く、長く、話し続けた。
---




