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ジュリアン兄、エスコート
結婚式、二週間前。
ベルナール男爵家から、ジュリアン兄が、ヴァランシエンヌ公爵邸に、訪ねてきた。
「リリア——いえ、ルリアージュ」
「お兄様」
「俺、約束、覚えている。お前を、エスコートする」
「うん」
「父上は、足腰が、悪く、長時間、立てない。代わりに、俺が、お前を、神殿の、祭壇まで、エスコート、する」
「うん、よろしく、お願いします」
私は、ジュリアン兄を、抱きしめた。
「お兄様、ありがとう」
「リリア、お前、本当に、立派に、なった」
ジュリアン兄の、青い目に、涙が、滲んでいた。
「お母様も、空から、見て、喜んでいる、と、思う」
「うん」
——母さま。
——明日の、リハーサル、見てね。
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