セラフィムの、過去
決闘の、夜。
王宮、奥の、部屋で、オーレリアンと、セラフィムと、私が、長く、話し合った。
セラフィムは、彼の、過去を、語った。
「あの、村が、焼かれた、夜——」
「俺は、たまたま、霊峰の、深奥に、薬草を、採りに、行っていた」
「戻ってきた、時には——、村は、すべて、焼け、家族は、皆、死んでいた」
「俺は、お前が、捕らえられた、ことを、後で、知った」
「お前を、追って、俺は、ガイア・サヴァージュに、辿り着いた」
「ガイア・サヴァージュは、不死鳥族の、最後の、避難地だった、と、伝承で、聞いていたから」
「そして、ここで、十年、生きてきた」
「ガストル王陛下が、俺を、保護して、くれた」
「だが、俺は、人間の、世界を、憎み続けた」
「お前が、エトワール王国で、人間の女と、結ばれた、と、聞いた、時——」
「俺は、お前を、裏切者だと、思った」
「殺すために、エトワール王国に、向かおうと、した、時——」
「ガストル王陛下が、お前を、ガイア・サヴァージュに、招待してくれた」
「そして、俺は、ようやく、お前と、対峙、できた」
セラフィムの、青い目が、私を、見た。
「ルリアージュ嬢」
「はい」
「貴方が、オーレリアンを、変えた」
「いえ、オーレリアンが、自分で、変わった、です」
「いや、貴方の、おかげだ」
セラフィムは、深く、頭を、下げた。
「俺の、誤解を、許してくれ」
「もちろんです」
私は、にっこり、笑った。
「セラフィム、これからは、家族として、よろしく、お願いします」
セラフィムの、青い目に、涙が、滲んだ。
「ルリアージュ……、ありがとう」
——よし。
——新しい、家族、増えた。
——不死鳥族、二人、揃った。
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