獣人国「ガイア・サヴァージュ」、初到着
馬車で、十日間。
エトワール王国の、東方、霊峰の、麓を、抜けて——
私たちは、獣人連邦『ガイア・サヴァージュ』の、首都に、到着した。
首都の、名は『シルフィム』。
蒼緑の、深い森の、中に、隠された、巨大な、都市。
驚くべきことに、建物は、すべて、巨木、そのものを、利用していた。
巨大な、樹齢千年を、超える、巨木の、幹を、刳り貫いて、建物にしている。
「うわあ、すごい——!」
リアナが、目を、輝かせた。
「エトワール王国とは、まったく、違う」
街には、獣人たちが、歩いていた。
狼系、猫系、狐系、熊系、鹿系、鳥系——
あらゆる、獣人が、共存していた。
そして、街の、中央に、青く輝く、巨大な、宮殿。
蒼狼王ガストルの、王宮、『蒼風宮』。
私たちは、王宮に、案内された。
王宮の、玄関で、蒼狼王ガストルが、自ら、私たちを、迎えた。
蒼狼王ガストル。
推定四十代。
体格は、巨大。
身長、二メートルを、超える。
銀の、たてがみのような、長髪。
青い、深い、瞳。
獣人の、王者の、風格。
「ルリアージュ・ド・ヴァランシエンヌ嬢、ようこそ、ガイア・サヴァージュへ」
ガストル王の、声は、低く、深く、空気を、震わせた。
「蒼狼王陛下、お招き、いただき、誠に、ありがとうございます」
私は、深く、頭を、下げた。
「貴方の、改革、聞いている」
ガストル王は、頷いた。
「獣人解放法、貴方の、英断のおかげで、我ら、獣人連邦と、エトワール王国の、関係が、根底から、変わった」
ガストル王の、青い目が、ふと、オーレリアンを、見た。
「そして——」
「不死鳥族、生き残りよ」
ガストル王の、声が、ふと、低く、なった。
「貴方も、よく、来てくれた」
オーレリアンが、頷いた。
「ガストル王陛下、お招き、感謝、申し上げる」
ガストル王の、青い目が、何か、を、示唆するように、揺らめいた。
——不思議な、目。
——何か、知っている?
私の、心の、奥に、小さな、不安が、ともった。
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