本選、終盤
その後の、五週間。
スター・サバイバルの、本選は——
順調に、進んだ。
毎週、十人ずつ、脱落。
五週後、ファイナリスト、五人、決定。
ファイナリスト、五人:
1. クレマンチーヌ(十六歳、平民、歌手、ベルロワ・カーヴ第二号タレント候補)
2. アンジェリーヌ(十四歳、子爵令嬢、踊り手)
3. テオドール(十七歳、平民、男声歌手)
4. ファニー(十五歳、商家の娘、演劇)
5. リュシアン(十八歳、獣人、楽器演奏家)
特に——
リュシアン。
獣人(狼系)、十八歳、楽器演奏家。
彼が、ファイナリストに、残ったことは——
エトワール王国、社交界に、衝撃を、与えた。
「獣人が、優勝候補?」
「ありえない——」
「いや、彼の、演奏は、本当に、素晴らしい——」
そして、最終週。
ファイナリスト、五人が、ベルロワ・カーヴで、最後の、公演を、行った。
公演、終了後——
全国十都市の、シネマ・エトワールで、最終投票が、行われた。
投票数、合計、五十万票。
エトワール王国、人口、約、五百万人の、十分の一が、投票した。
そして——
優勝者、決定。
——リュシアン。
獣人、十八歳。
楽器演奏家。
「な——」
「獣人が、優勝——?」
「これは、エトワール王国、初の——」
私は、舞台で、リュシアンに、優勝、トロフィーを、授与、した。
「リュシアン、優勝、おめでとうございます」
「ありがとうございます、ルリアージュ様——」
リュシアンの、目に、涙が、浮かんでいた。
「私、獣人、なのに——」
「私の、ような、者が——」
「身分なんて、関係ない」
私は、にっこり、笑った。
「あなたの、演奏が、五十万人の、心を、揺さぶった。それだけが、真実」
舞台の、観客が——
立ち上がって、拍手を、続けた。
——よし。
——スター・サバイバル、第一回、大成功。
——獣人、平民、貴族、誰もが、輝ける、世界。
——コレットの、夜明け、エトワール王国、全土に、広がりつつある。
私は、心の中で、コレットに、報告した。
——コレット、見てる?
——あんたの、夜明け、来てる、よ。
---




