6.
仕方なくこれまでの経緯を話す事にした。
その話を聞き終わると彼は頭を抱えた後、天を仰いだ。
「なんてこった。じゃああの光柱はシェリーが魔銃を撃った所為だったのか。」
「多分…そう。」
「うーん…。」
シュタルクが顎に手を当て眉間に皺を寄せて唸る。
「何か不味い事でもあるんですか?」
不安になって聞いたが唸るばかりで何も答えてくれない。
暫く沈黙が続いた後、両膝を叩いてから話し出した。
「この世に安寧を齎す者が現れた。又は厄災を齎す者が現れた。この二つの内、両方かどちらかを聞いた事はあるか?」
「ないです。それに、その事と私に何の関係が…?」
シュタルクが私の目をジッと見ているので私も彼の目を正面から見て目を逸らさなかった。
そして、目を瞑ると大きく息を吐き出した後、私に告げた。
「…悪いがこの街から出て行ってくれ。」
「っな!?」
「いや、言い方が悪かった。早くこの街から逃げた方がいい。」
「な、何で?そんな一方的な事を言われて受け入れられる訳ない!理由を言いなさいよ、理由を…!!」
「安寧を齎す者又は厄災を齎す者…そう思われる者を各国が血眼になって探している。勿論、この国もだ。そして、あの光柱ができた場所に居た者がそうだと言われている。俺が言いたい事…わかるよな。」
「はあ?何それ。んな事ぁ知った事じゃないわよ。こっちは食ってくために依頼を熟さなきゃならないのに!まったくソロは厳しいのよソロは!!」
椅子から立ち上がり、テーブルに手を突いて前のめりになり鼻息荒く早口で捲し立てるように言った私の口に指を当てるシュタルク。
「シェリーが言いたい事もわかる。だがなこの手の噂は質が悪い。あの光柱が立った場所に居た者はその噂を信じる両方から狙われ追われる事になる。」
「それって…。」
そこまで聞いて血の気が引いた。
つまり光柱が立った場所に居た私は、世界中どこにも居場所が無い…何処まで行っても追われ続け、逃げ続けなければならないという事だ。
「誰がそんな噂を…。」
「さあな。最初に誰が言い出したかわからんが、色々な国の預言者や占い師が言い出したって話だ。」
あまりのショックに、糸の切れた操り人形のように椅子に座る。
「ショックなのはわかるが、早く街から出ないと遅かれ早かれ取っ捕まるぜ。幸い、今のところこの話を知っているのは俺だけだ。」
「なら…。」
シュタルクが首を左右に振る。
「この街にはあのハイエルフの魔女が居る。下手すりゃもう既に感づいているかもしれない。」
「あ…。」
この街に来た時に感じた絡み付くような視線を思い出した。
「どうした?」
一気に顔色を悪くした私に問いかける。
「この街に来た時に絡み付くような視線を感じたの。」
途端にシュタルクの顔色も悪くなる。
「ヤバいな。だが…まだ居場所までは掴んでいないだろう。だから明日中にこの街を出るんだ。」
「けれど依頼が…。」
先ほど目の前に置かれたバジリスクの討伐依頼書に目をやる。
「クソッ!いい、俺が何とかする。だから…。」
「ギルマスがそれ言っちゃダメでしょう。それに今から行けば何とか…なる…かも?逃げるにしてもお金は要る訳だし。」
そこからは怒濤のバジリスク討伐。勿論、魔銃頼り。でなきゃ無理だった。
そして、その時にわかった事が一つ。
私が持つ魔銃が他の魔銃と違うところ…。
シュタルクが言うには、他の魔銃も装飾が施されているらしい。
けれど、私の魔銃にある船の舳先にあるような人型の装飾が無いのだという。
その人型の装飾から放たれる特別な魔弾を見た彼が教えてくれた。
私の魔銃が他の魔銃よりも希少な魔銃で、“魔弾の射手”と呼ばれる魔銃なのだと。
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(*・ω・人・ω・)




