51.
あの日 ──
ポラールリヒトで私とモルガーナは対峙していた。
何度上級攻撃魔法を使用してもモルガーナを斃す事はできず、やがて彼女が持つ魔銃の攻撃に私は防戦一方になり圧倒的に不利な状況に追い込まれた。
やはり伝え聞いた通り、魔銃は攻守兼ね備えた物であった。
故に、モルガーナのように魔力量の多い者が持つと正に鬼に金棒という訳だ。
敵無しと言っても過言ではない。
けれど私も魔力量が多く、その上竜種だった事が幸いした。
こちらが放った攻撃魔法を魔銃で防御弾を撃ち出したり、弾幕を張ったりしたが防ぎきれなかったようだ。
最終的には、二人とも満身創痍で魔力も尽きかけボロボロになっていた。
それでも尚、彼女の目から闘志の光は消えていなかった。
むしろ燃え上がっていたように思う。
そしてモルガーナは最後の魔弾を打ち込んできた。
その魔弾には集大成とも言うべき、彼女が編み出した中で最大級の魔法“トロメルフォイヤー”が込められている。
先見の能力で、幾つもに枝分かれした未来の内の一つとしてそれを視ていた私は、その魔弾が撃ち込まれてしまえば、空から絶え間なく降り注ぐ隕石攻撃に、山も海も大地も粉々に砕け散り、この世界が滅びてしまう事がわかっていた。
だからこそ禁忌とされる魔法に手を出したのだ。
何としてでも“トロメルフォイヤー”を撃ち出される未来を変えたかった。
けれど、それは叶わずもう後が無い。
彼女が撃ち放つ最後の魔弾に対抗できそうな魔法で私に残されていたのは、自ら編み出した魔法“魔女の一撃”だけだった。
恐ろしくて一度も試した事が無い。だから、どんなリスクや代償、付加効果があるかもわからない。
要は、何が起こるかわからないのだ。
しかし、もうそれしか残された道は無かった。
モルガーナが私に向けて魔銃を構えて撃ち、“トロメルフォイヤー”の魔弾が真っ直ぐ私を目がけて飛んでくる。
『せめて対消滅してくれ!』と願い、その魔弾に向けて“魔女の一撃”を放つ。
そこへ私やモルガーナ同様、満身創痍でボロボロになったパーシバルが、まるで盾になるように私の前に立った。
次の瞬間モルガーナの撃った魔弾と私が放った魔法がぶつかり合う。
激しい衝撃とともに目も開けていられないほどの閃光が辺りを包む。
何もかもが蒸発するように消し飛んだ。
…筈だった。
私が憶えているのはそこまでで、消し飛んだ後から目覚めるまでの記憶が無い。
だからあの後、何があったのか何もわからない。
ただ、番に関する記憶だけは戻らなかった…。
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お付き合い(お読み)いただき
ありがとうございます!
(*・ω・人・ω・)
以下、裏話です。(読みたい方だけ)
よろしくお願いします。
・トロメルフォイヤー
太鼓を連打するような砲撃というのが本来の意味です。
“メテオ”のような攻撃だと思っていただければ。
サッカー・ワールドカップでノルウェーの代表選手達の“バイキング・ロー”がインパクト強くて、かっこいいから魔弾の名前にしました(汗)。
・魔女の一撃
“ぎっくり腰”の事です。
誰も立っている事ができないというイメージからつけました。
究極攻撃魔法(防御無効・対象消滅)+予測不能効果




