49.
賢者に会う為にフェルゲセンハイトを目指して馬を駆る私達四人だったが、明日には目的地に到着するという日になってトラブルに見舞われていた。
これまでは大きな街道を避け、最短ルートを走破して来た。
が、ここへ来てトラブルである。
目的地に到着する前日だからと街道筋にある宿場町に宿を取る事にしたのだが…。
深夜、私が泊まっている部屋に賊が侵入、命を狙われるも枕元にナイフを突き立てられるに止まる。
ハウプシュタット侯爵領に入ってすぐの宿場町だった為、恐らく実兄が放った刺客だと思われた。
それだけならば良かったのだが、その宿場町を出て街道を走っていたのだが、前方から荷車を引いた暴れ馬が突っ込んで来た。
道の端に避けたが、荷車に爆発物が載せられており、私達の傍まで来た時にタイミング良く爆発(遠隔操作と思われる)。
念の為と、事前に張っていた結界のお陰で事なきを得た。
「「「…。」」」
三人が何とも言えない表情で私を見る。
記憶を失う前の私って実兄に相当嫌われていたと思われる。
そして、トドメが大神殿内。
賢者が居る“星見の間”と呼ばれる部屋へと向かっている時だった。
案内役の神官長と神官の後ろを国王、側近、シュタルク、私、神官の順で歩いていたのだが、どこからか現れた神官二人と神官見習い四人に後ろから襲われ、私の後ろにいた神官は逃げる間も無く致命傷を負い亡くなった。
前方にいた神官長と神官は、私達四人が応戦して撃退した為、無傷だった。勿論、私達も。
恐らく国王がいる事を知らないのだろう。知っていたら襲撃などできない筈だ。
と思っていたのだが、国王の話によるとそうではないらしい。
「自分の方が国王に相応しいと最後まで言ってたからな。」
「え?マジで!?」
思わずどれほどの馬鹿なのか、その顔を拝みたくなったとしても無理は無いだろう。
などと、神官長や神官達の後ろでコソコソと話している内に“星見の間”に着いた。
「ここより先へは皆様だけでお進み下さい。」
神官が左右から扉を開け、神官長が頭を下げる前を通りゾロゾロと中へ入っていった。
四人とも部屋に入ると扉が閉められた。
部屋の中は薄暗いが天井には暖かい光が満ちている。
まるで星空のようで“星見の間”と呼ばれているのも理解できた。
天井一面の星空に見蕩れていると「遠い所をよくおいで下さいました。」と声が聞こえた。
声がした方を振り返ると…。
「「あれ?」」
私とシュタルクの声が重なる。
そこに立っていたのは、エクランの町の観光名所である石柱群で出会った、自称・元神官長のおじいさんだった。
「元神官長のおじいさん。」
「な、なんでここに?」
私達の問いに、白くて長い顎髭を撫でながら「ふぉっふぉっふぉ。」と笑顔を見せる。
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