48.
まだ未明と言ってもいいような時間。
荒々しくドアをノックする音に飛び起きる。
「???何なのよ一体。」
眠い目を擦りドアを睨み付ける。
返事が無い事に焦れたのか再びドアをノックする音が…。
眠るのを諦めてベッドから降りようとしたその時、ドアを開けて部屋に入って来た人物がいた。
「だれぇ?」
寝ぼけ眼を擦りながら問うも無言でツカツカとこちらに歩いてくる。
「え?」
目の前まで来た人物に有り得ないと思う。
「今から行く所がある。早く用意してくれ。」
若い乙女が眠る部屋に無断で入室した上、早く用意しろとは…。
「ちょっ…。まず説明して下さいよ。話はそれからです。」
「説明は後だ。まったくあの人は…。だから…なんだ。」
「はあ?」
「とにかく、早く用意しろ。急ぐんだ。」
言うだけ言うと部屋から出て行ってしまった。
まずドアを閉めろ!
そして人の話を聞け!
と思った私の耳に隣の部屋のドアをノックする音が聞こえた。
頭痛い…。
「何なのあの人?あれが国王?有り得ないんですけど。」
そう。人の話を聞かず、言うだけ言って部屋から出て行ったのはブリーゼ国王その人だった。
仕方ないので、取り敢えず顔を洗い着替えると隣の部屋へと向かった。
が、悲鳴を上げなかった自分を褒めたくなった。
真っ裸のシュタルクがブリーゼ国王にシーツを取られまいと必死で抵抗している最中だったからだ。
へ~シュタルクって寝るとき真っ裸な方だったんだ~。
「じゃなくて…、何やってんですか!?」
ブリーゼ国王の話によると、どうやらシュタルクに声を掛けても起きないからシーツを取り上げれば起きると思ったそうだ。
ぬ~ん。(思わずチベスナ顔になってしまう。)
そんな事より、国王の暴挙を止め、事情の説明を求めたらば、昔からいる賢者が私に会いたいと言ったらしい。
「…。」
それが何故、早朝に叩き起こされる事に繋がるのか…?謎である。
△▽△▽△▽△
彼の側近が来て初めて事情がわかった。
国王曰く、「善は急げ。」だそうだ。
で、件の賢者が何処に居るかというと、ハウプシュタット侯爵領の領都、フェルゲセンハイトにある大神殿に居るのだという。
そして私とシュタルクだけでなく、(何故か)ブリーゼ国王(お忍びで)と側近のハンス・グリューネ・ケプラーも一緒に行く事になった。
こうして私達四人は、馬に乗りフェルゲセンハイトの大神殿を目指して王都ゾイレを出発したのだった。
目的地までは馬で三日かかるらしく、途中で野宿も有り得るとの事。
国王もいるのにいいのか?と思ったが、当の本人はお忍びの旅にご満悦のようだ。
側近のケプラーによると、仕事をしなくていいのが嬉しいらしい。
本当にこれが国王でいいのか!?
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