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魔弾の射手 ~ 記憶なくして魔銃片手旅 ~   作者: 雫喰 B


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38/67

37.

※今話、暴力シーンがあります。

 苦手な方は回避願います!

 読まれる方は自己責任でお願いします!


~~~~~~~


 大きな翼は陽の光を浴びてオパールのようにキラキラと輝やいている。


 それはドラゴンの翼によく似ていた。


「っ痛!」


 突然、頭が割れるように痛む。


 両手で顳顬(こめかみ)の辺りを押さえる。


 と、何かに飛び掛かられ縺(もつ)れ合うように落ちていく。


 地面に激突する寸前にそ(・)れ(・)が離れ、私だけ背中から地面に叩きつけられた。


「カハッ!!」


 背中が痛くて一瞬息ができない。


「ヒュッ!…ハアハア…。」


 何とか呼吸をする。


 倒れた私が立ち上がれないように首と腰の位置に交差させた槍が地面に突き刺さる。


 体のすぐ傍に国王が私を見下ろしていた。


ダンッ!!


「ぅあっ!!」


 手首に強い衝撃を受けると同時に魔銃は消えた。

国王が私の手首を踏みつけたのだ。


「っく!!」


 ゴリゴリと更に力を込めて踏みしだく。


「…っぅ。」


 あまりの痛みに息を詰める事しかできなかった。


 最後に強く地面に押し付け磨(す)り潰すようにして足を離す。


「何故、取り上げる事ができない!!」


 怒りにまかせてそんな言葉を吐き捨てる。


 どうやら私から魔銃を取り上げる事ができないくて腹立たしいみたい。


「ふっ。…ぐっ!」


 思わず嗤ってしまった私のお腹を国王が蹴り上げた。


「どうすればお前から魔銃を取り上げる事ができるのだ?」

「従兄上を返せ!戻せ!」

「どうやって縛り付けた?真名か?血か?それとも呪いか?言え!!」


 言葉を言う毎(ごと)に腹部を蹴り上げる。


「いい加減、吐かぬか!!」


 最後に強く蹴り上げられた体が転がっていき、私は意識を失った。


△▽△▽△▽△


 夢の中、これまで何度か見た男が今にも泣きそうな顔で私の頬に手を伸ばす。


 懐かしい筈なのに名前が思い出せなくて悲しくて胸が張り裂けそうに痛む。


 彼の口が「すまない。」と言っているように動く。

 だが、前回頭の中に響いた念話の時と同様、声は聞こえない。


 あぁ…声が聞きたい。

 声を聞く事ができたら思い出せるかも…?


 そんな事は起きないとわかっているのにいつも思ってしまう。


 いつものように彼は私に触れる事はできず、彼の声が聞こえる事もない。

 そして、彼は消え私はここに一人残される。


 

 意識が浮上して、目を開けると同時に涙が一筋流れた。


 手で涙を拭おうとして痛みにのたうちまわる。


「っく!…そう…だった…。」


 意識を失う前の事を思い出した。


 あのドS野郎!


 心の中で罵った。


 

 私にはもうわかっていた。


 夢の中に出てくる男が魔銃に憑いている者だと。

 だが、彼がどこの誰なのか、何故魔銃に憑いているのかまではわからない。


 恐らく国王が“従兄上”と呼んでいる者が彼の正体なのだろう事はわかるが、それ以上の事はわからない。


 それよりもシュタルクが何故裏切ったのか?国王との関係は?今、彼がどこにいるのか?


 そんな事が頭を過るが…。


 それよりも…


 このままだと国王は魔銃を手に入れる為に私を殺すだろう。


 それがわかっていても、もう指一本動かせそうにない。


 けれど、このままむざむざ殺されるのを待つ気は毛頭ない。


 

 取り敢えず、暫くの間は動けないから動けるようになる時を待つしかない。


 そして動けるようになったらその時は…。


 顔を洗って待ってろや!国王(クソ野郎)!!


※今話との齟齬をなくす為に7話を一部修正しています。


~~~~~~


お付き合い(お読み)いただきありがとうございます!

(*・ω・人・ω・)



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