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魔弾の射手 ~ 記憶なくして魔銃片手旅 ~   作者: 雫喰 B


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34.

 港町フェルゼンメアからフォルゲという町を経由して何とか王都ゼーリエに到着した。


 だが、ゼーリエまでの乗り合い馬車に私達を監視している(らしい)者が乗って来た時にはギョッとした。


 こちらが知らないふりをしているのに気づいていないのか、それともバレてもどうとでもなると思っているのか…。


 チラリとシュタルクの方を見た。


 腕組みをして目を閉じている。


 眠っている訳でもない。かといって乗って来た監視者(?)を気にしているようでもないし、警戒している訳でもない。


 こういう時って困るのよね。


 下手に突(つつ)いて藪から蛇が出てくるのは避けたい。


 どうしたものか…。


「おい、お前乗る馬車を間違えてるぞ。」


 連れの男らしき人物がその男に声を掛け、馬車を降りていき事なきを得た。


 と思っていたのだが…。


 王都ゼーリエに到着し、馬車を降りた私達の目の前に一目で近衛騎士団だとわかる一団が整列していた。


 私達には関係ないと思い(たかった。)馬車を降り、その場を離れようとしたのだが、進路を塞がれ囲まれた。


「ご同行願います。」


 先頭に立つ騎士が言った。


 シュタルクの眉間に皺が寄り「断る。」と言ったが聞き入れて貰える筈もなく、仕方なく同行した。


 少し離れた場所に馬車と馬が私達を待っていた。


 馬は騎士団の馬らしく、馬車は家紋の付いていないシンプルな馬車だった。


 嫌な予感しかなく、馬車に乗りたくなどなかったが、有無を言わさない態度に仕方なく乗った。


 丁寧な扱いなようだったけれど、両手を拘束されていないだけで実質罪人のような扱いだと感じた。


 私達が何をしたというのか?


 そう詰め寄りたくなるのを堪(こら)えた。


△▽△▽△▽△


 さして乗り心地の良くもない馬車に揺られる事、十分ほどだろうか王城の裏口らしき門から中へと馬車は入って行く。


 停車した後、降りるように言われ馬車から降りた。


 私達をこんな場所まで(有無を言わせず)連れて来た騎士達から待機していた騎士達に私達の身柄は移された。


「王がお会いになるそうです。こちらへ。」


 そう言って進む方向を手で指し示す。


 その騎士の顔を見て、不愉快だとばかりにわざと大きく息を吐き出した。


「…。」


 騎士の後ろをシュタルクが歩き、その後をついて行った。


「…。」


 思えばシュタルクは、ここへ来るまで一度も騎士達に問い質す事はなかった。

 これまでの彼を見る限りあ(・)り(・)得(・)な(・)い(・)事に気付く。

 

 私が知っている彼ならば、行き先なり理由なり問い質していたと思う。


 確かに同行を求められた時は「断る。」と拒否していたが、それ以外は沈黙を貫いている。


 何か、騎士達に同行を求められるような心当たりでもあるのだろうか?

 それに、ここ最近の彼の言動も疑わしく思えてくる。


 それからもう一つ。


 彼は乗り合い馬車に乗る辺りから一度も私を見ないし、私も目を開けた彼を見ていない。


 まさか…?


 そんな考えが何度も頭を過(よぎ)る。


 そして途中から彼とは別の方へと連れて行かれた。


 その時になって初めて彼と目(・)が(・)合(・)っ(・)た(・)。


 どことなく、済まなさそうな表情を浮かべた彼の姿が遠ざかり、やがて見えなくなった。

 

~~~~~~~


お付き合い(お読み)いただきありがとうございます!

(*・ω・人・ω・)


評価等も本当にありがとうございます!

 

 




 

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