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魔弾の射手 ~ 記憶なくして魔銃片手旅 ~   作者: 雫喰 B


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31/67

30.

─ おじいさんの話 ─

(ほぼ、おじいさんの語りで進みます。)


※注意喚起!!

以下、妊娠・出産に関するセンシティブ(配慮が必要)な内容になっています。

読まれる方は自己責任でお願いします。

読まれない方は、ブラウザバック(回避)して下さい。


~~~~~~


 私達はおじいさんの話を聞く事になった。


「お二人は番(つがい)の事はご存知かな?」


 その質問に二人とも頷いた。


「では、番というシステムが竜種の為だ(・)け(・)にできた物だと言う事はご存知かな?」


「「え!?」」私達は驚いた。初耳である。


「竜種はご存知の通り長命種じゃ。それが故に生まれる子の数が他の種族に比べて極端に少ない。つまり、子ができにくいんじゃ。そのままでは絶滅してしまう。それを防ぐ為に、子ができやすい者同士を娶せる為のシステムが考え出された。それが番というシステムじゃ。そして竜種だ(・)け(・)のシステムだった。」


 私達は、驚きの連続に頷く事も忘れて話に聞き入っていた。


「そのシステムが作り出されたのを気に入らない者がいた。それが…ハイエルフの女王モルガーナじゃった。」


 そう話すおじいさんの眉間に皺が寄る。


「竜種がハイエルフを抑える為に…まぁ天敵みたいな物かのぅ。何にせよその目的で竜種が生み出されたという事も女王モルガーナには赦し難い事だったんじゃろうな。」


 おじいさんはそこまで話すと大きく息を吐き出し、苦々しい表情を浮かべた。


「そして、女王モルガーナは恐ろしい呪いを竜種に掛けた。彼女はハイエルフの女王というだけでなく、稀代(きだい)の天才と言われるほどの魔法使い(魔女)でもあったのじゃ。そんな彼女が掛けた呪いは他の種族にも及び、竜種だけでなく他の種族の亜人や人間にも番が現れるようになってしまった。」


 おじいさんは悲しみに目を伏せる。


「他の種族の亜人や人間はともかく、呪いは竜種にとって致命的な物じゃった。番というシステムが竜種だけの物であった時までは生まれるのは卵だけ。じゃが…呪いを掛けられてからは卵だけでなく他の種族や人間のように親と同じ竜の姿や人の形をした者が生まれるようになった。」


 息苦しさを感じて思わず襟を緩めた。

 おじいさんの話はまだまだ続きそうだった。


「それだけならばまだ良かった。母親の腹の中で竜の姿だった者は生まれる事も叶わず母親も生みの苦しみの中命を落とした。そして、人の形で生まれた者の中には竜の姿になれない者が多かった。じゃが、それすらもまだマシと言えた。それだ(・)け(・)ならの。人の形で生まれた者は総じて未分化のまま性別を持たずに生まれた。そして、そのまま性別の無い状態で育っていった。そんな中でも運(・)の(・)良(・)い(・)者は番に出会え、更(・)に(・)運が良ければ番の性別に合わせた性別になる事ができた。しかし、それ以外の者は…。推して知るべし…じゃな。」


 おじいさんは困り果てたような表情で溜め息を吐く。


 そこで一端話が途切れ、私達も大きく息を吐き出した。

 その上、体を動かした訳でもないのに汗をかいていた。


「喉が渇いたのぅ。茶でもどうじゃ?」

 その場に流れる空気を変える為か、のんびりした口調で言う。


 何も無い場所でそんな事を言うおじいさんに私達は戸惑う。

 

 そんな事にはお構いなしにおじいさんが指を鳴らした。


「「っ!?」」


 次の瞬間、目の前にテーブルと椅子が現れ、テーブルの上にはお茶の入ったカップとお茶菓子が並んでいた。


「さあ、続きはお茶でも飲みながらしよう。二人とも座ってくれ。」


 そう言って笑うおじいさんを両目を見開いた驚きの表情で見たのは言うまでもない。


~~~~~~~


お付き合い(お読み)いただきありがとうございます!

(*・ω・人・ω・)

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