2.
王都エーデルブルクの南にある大門から足を踏み入れた時から誰かの絡み付くような視線を感じて胸の中がざわざわして落ち着かない。
おかしい…。
恐らく私には家族や友人といった者はいない筈である。
そうはいっても記憶が無い為、そう言い切る事もできないのだが…。
あの日──
目覚めた時には真っ暗闇の中で倒れていた。
しかも瓦礫に埋もれて。
何とか瓦礫の中から這い出したものの座るだけのスペースしかなく、相変わらず真っ暗で周囲には誰も居らず瓦礫ばかりのようだった。
何故自分がこんな所にいるのかわからないだけでなく、自分が何処の誰かもわからなかった。
幸いな事に失った記憶は自分に関するの事だけのようで日常生活を送る事はできそうだった。
やがて暗闇に目が慣れてきたのはいいが助けを求めて叫ぼうとも私の声以外何も聞こえなかった上、瓦礫に埋もれた時に怪我をしたらしく体中が痛くて何カ所かの傷口からは血も出ていたようだった。
こんな所で誰にも気付かれる事無く死ぬのかと思うと泣きたい気持ちになったが嘆いていても仕方ない。 何とか此処から出る方法を考えなければ。
けれど道具も何も無い。周囲は瓦礫しか見当たらない。
絶望的状況に無力感を感じ、思わず天を仰いだ。
「ん?」
見上げた遥か先にぼんやりとした光が見えた。
「…外…?」
外に出る事ができると喜んだのも束の間、其処までの距離の瓦礫を登る事など無理である。
大きな火力の武器があれば…。
けれど瓦礫の山を消し飛ばすほどの火力でないと瓦礫が崩れて生き埋めになるのが落ちだ。
だがこんな所にそんな火力の武器など無い。
『…ああ…そんな武器があれば此処から出る事ができるのに…。』
そう思った瞬間、この手の中にそれは現れた。
それは一見すると美しい装飾を施された銃にしか見えなかった。
だが大きな火力の武器が欲しいと願った瞬間に現れた銃だ。
ならば試してみる価値があるのではないのか…。
そして私は覚悟をその銃を空に向けて撃ったのだった。
まさか彼処までの火力があるとは思いもしなかった。
そしてその銃こそが魔銃といわれる銃であると知るのはかなり後になってからだった。
──と、話が逸れたが私自身に関する記憶は無いが、何故か私には家族や友人といった者がいない事だけは断言できる。
ならば王都エーデルブルクに入ってからの嫌な視線とは──。
気になりはしたが気の所為かもしれず、ハンターズギルドへ行って依頼を受けないとお金を稼ぐ事ができないので急ぐ事にしたのだった。
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お付き合い(お読み)いただき
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(*・ω・人・ω・)




