27.
いやぁ、しかし驚いたわ。
まさか魔銃が暴発するなんて…。
けどなぁ…。あの«くっそ不味い魔力無理矢理流し込んでんじゃねぇよ!!»と魔銃が喋ったのを聞いてから、湯浴みする時は部屋に置いておく(置いておきたい)ようになっていた。
あの時の魔銃の声が男性の声だった所為か浴室に持って入る気になれなくて…。
あれ以降、魔銃に話し掛けたりしてみたものの魔銃からのリアクションは全く無い。
考え過ぎかなって思ったりもする。
まぁ、どうするかは追々考えるか…。
そんな事より魔銃の正体って…何?
△▽△▽△▽△
エクランに向けて町を出てから魔獣に遭遇する事もなく旅は順調だった。
最後に休憩した村とエクランの間には山がある。
それほど高い山という訳ではないのだが峠の辺りに差し掛かると山賊が出るという噂があった。
村にはハンターズギルドが無く、村から一番近い町のギルドに討伐依頼は出しているらしいが報酬の少なさから依頼を受けてくれる者が居なくて村人達は困り果てていた。
「確かに報酬は相場よりも少ないですじゃ。じゃが村人達が出し合って掻き集めた無けなしのお金なのじゃが…はぁぁ…もっと被害が大きくなって町の方から討伐依頼が出るまで待たねばならんのかのぅ。」
力無く言った年老いた村長の言葉が耳に残る。
村長の息子さんは、幼馴染みの血気盛んな青年達数人と腕に覚えのある元傭兵だった村人達と山賊退治に行ったが誰も戻ってこなかったのだという。
その話を聞いた私達は、山賊を避けて山を迂回するルートを行くつもりだったが、ルートを変更して山道を行く事にした。
△▽△▽△▽△
峠が近くなるにつれ馬が落ち着かない様子を見せるようになった。
と、地面に矢が刺さり驚いた馬が前足を上げて嘶く。
振り落とされないように手綱を強く引いた。
「上手く避けたようだが、悪い事は言わん有り金全部と荷物を置いて行け!おっと、勿論馬もな!ゼハハハ…。」
通せんぼするみたいに前方で横並びする山賊と思しき男達の前に立つ小太りの男が嗤う。
真っ昼間に現れた上、ベタな決まり文句を言う男に、思わず「うげぇっ…。」と変な声が出た。
「嫌だと言ったら?」
シュタルクが言う。
「兄ちゃん、粋がるのも大概にしときな。早死にしたくねぇだろ?」
そう言って小太りの男がにやりと嗤った。
「…てな事言ってるけど、どうする?」
「絶対にイヤ。」
「だよな。という事で、嫌だね。」
シュタルクと私の話を聞いた男の顔が怒りで歪む。
「お前ら聞いたか、嫌だそうだ。やっちまえ!」
「「「ヒャッハーッ!」」」
「いっただきーっ!」
山賊の子分達は口々に叫びながら襲い掛かってきた。
先頭を切って駆けてくる奴に魔銃をぶっ放つと、もんどり打って倒れた。
続けて二人目、三人目に向けて撃つ。
身軽なのか思ったよりも動きが早い。四人目を撃ったがすぐ後ろの五人目に遅れを取った。
「しまっ…!?」
『斬られる!』と思ったが、シュタルクが私と男の間に素早く割って入り、魔剣を鞘ごと振りかぶって相手の頭を叩き割った。
山賊達は取り囲むようにじりじりと躙り寄る。
私とシュタルクは背中合わせに山賊達に対峙して睨みを利かせる。
そのうちの一人が、私達の顔面目がけて土を蹴り上げたのを皮切りに一斉に飛び掛かってきた。
私が魔銃を四連射し、シュタルクが魔剣で大きく横一線に薙ぎ払う。三人の男達が吹き飛び転がって痛みにのたうち回る。
残るは山賊の頭だけ。
「…んの、クソッタレがぁ!!」
叫びながら斬り掛かってきた頭に照準を合わせて撃つと、後方に吹き飛び地面に叩きつけられた後、ピクリとも動かなかった。
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