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魔弾の射手 ~ 記憶なくして魔銃片手旅 ~   作者: 雫喰 B


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24.

 あまりにもテンプレ過ぎてリアクションすらしたくなくなる。


「はあぁぁぁ…。」

 うんざりして大きな溜め息を吐く。


 途端に、強面のお兄さん方が気色(けしき)ばむ。


「…んだぁ?下手に出てやってんのによぉ!」

「つけ上がってんじゃねぇぞ小娘が!」

「そうそう。俺達が優(・)し(・)く(・)言ってるうちに言うこと聞いといたほうがいいぜ。」


『あ~…、マジうぜー。何で毎度毎度、絡まれるかなぁ…。』

大きく息を吐き出す。


「はあ?んな事ぁ知った事じゃないわよ。こっちは食ってくために依頼を熟さなきゃならないのに!まったくソ(・)ロ(・)は厳しいのよソ(・)ロ(・)は!!」


 正確にはソロではない。

 戦闘中だ(・)け(・)ソロである。


 昨夜、綺麗で色っぽいお姉様方に囲まれて脂下(やにさ)がっていたシュタルクを思い出し、自分で怒りに燃料投下してしまった。


『なんか余計に腹が立ってきた。』


 私が強面のお兄さん方に絡まれているというのに、シュタルクは綺麗で色っぽいお姉様方と未だ惰眠を貪っている。


 それに魔銃を登録したらギルドの保護下に入れるんだったよね。

 なのに何でギルドの護衛が止めに入らないのか…。


 そう思って受付の方を見た。


 ギルドの受付嬢がニヤニヤと嗤いながらこっちを見ている。


 私の中で何かが切れた。


『もう、やっちゃっていいよね。』


ヴン!


 起動音と共に目の前の男の顔にナイフを突き付けた。

 

 そう、ナイフに変形した魔銃だ。


 魔銃と私の思考にはタイムラグがほ(・)ぼ(・)無い。


 これが相性が良い魔銃と使い手の関係らしい。


「っ!?」


 男の頬が少し切れたようで血が滲んだ。


「な、何しやがる!」


 私から一歩下がって男が言った。


「そこまでだ。」


 聞き覚えのあり過ぎる声に私も男達も振り返る。


「え…。」


 惰眠を貪っている筈の彼がいつの間にここに?


「おい、クラウス(ギルマス)はどこだ?」


 私の疑問を余所に受付嬢に彼が言う。


「は、はい只今!」


 跳び上がり、奥へと走る受付嬢。


 暫くしてここのギルマスことクラウスが受付嬢と共に姿を見せた。


 スキンヘッドで強面の大男を前に男達は気不味そうに俯き、受付嬢と護衛達の顔色は悪い。


「クラウス、登録された魔銃の使い手はギルドの保護下に入っている筈だよな?」


 シュタルクがクラウスに言った。


 「何があった?」


 睨みつけながら問うクラウスに受付嬢と護衛達の顔色が更に悪くなる。


「こちらのお兄さん方に絡まれたんだけど。」


 私の言葉を聞いたクラウスが殺気を纏った圧を受付嬢や護衛達、絡んできた男達に向けた。


 圧を向けられた全員の顔色が青を通り越して白くなる。


「あ”あ”!?どういう事だお前ら?」


 ビクッと肩を跳ねさせるが酸欠の金魚のように口をパクパク開閉させるだけで何も言わない。


「はあぁぁぁ…。」


 大きく息を吐き出した後に言った。


「ベラと護衛達、お前ら明日から来なくていい。それとお前らは一週間ギルドに出入り禁止、今すぐ出て行け!」


「「「「す、すんませんでした!」」」」


 私に絡んできた男達は、ヘコヘコと頭を下げて出て行った。


「ま、待って下さい。俺達は彼女が使い手だって知らなかったんです!」

「そ、そうですよ。ベラから男漁りしてる迷惑ハンターがいるって聞いて…。」


 そう言った護衛達は、クラウスだけでなくシュタルクからも殺気を纏った圧を向けられた。


 溜め息交じりにクラウスが言った。

「ベラ、お前も何言ってんだ。やっぱり受付嬢失格だな。」


 「っな!?だってそ娘(こ)、自分で魔獣を狩らずにシュタルクさんに狩らせて、護られて…。そんなのおかしくないですか?だから…。」

 怒りで顔を真っ赤にしてベラが言い返す。


クラウス:「お前なぁ…。魔獣を狩ってるのは嬢ちゃんの方だ。シュタルクは指一本出しちゃいねぇ。」

ベラ:「え…嘘。だって…。」

クラウス:「ギルド協会の規定で、ギルマスは緊急時以外レイドに参加できないし、自分の武器の使用は認められない。」

ベラ:「そ、そんなのわからないじゃないですか。町から出ちゃえば何とでも言えるでしょう。」

クラウス:「…シュタルク、お前の剣を見せてやれ。」


 尚も食い下がるベラに呆れ果てたようにクラウスが言い、シュタルクは無言でベラの目の前に剣を差し出す。


 クラウスは、その剣の柄と鞘の境目に貼られた札を指差して言った。


「この札は使用が認(・)め(・)ら(・)れ(・)た(・)時(・)以外剥がす事ができない。それに札が剥がれた時は、自動的に記録され通知される。だから勝手に使う事なんてできないんだよ。」

「そんな…。」


 ショックを受けた所為か、ベラが床にぺたりと座り込み、両手で顔を覆ってさめざめと泣く。


「とにかく、お前らはクビだ。私情からギルドに不利益を齎(もたら)す奴は置いておけない。」


 護衛達は、ベラを憎々しげに睨みつけ出て行こうとしたが、クラウスに呼び止められた。


「そいつも連れてけ。」


 護衛達は泣いているベラを半ば引き摺るように連れて出て行った。


~~~~~~~


お付き合い(お読み)いただきありがとうございます!!

(*・ω・人・ω・)


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