21.
── シュタルク side ──
副(ギルド)マスターに後の事を頼んでエーデルブルクを出たはいいものの…。
きっちり監視が付いてやがる。
「ど~すっかなぁ~。」
と、言ってみたが、監視を撒くのは確定している。
問題はその後だ。
俺が跳ばされた時、彼女もどこかへ跳ばされた筈で…。
それは間違いないのだが、どこに跳ばされたものやら。
そう、彼女の居場所 ──
それが問題だった。
何せどこに居るのかわからないから探しようがない上、会えるかどうかもわからない。
いや、一つだけ方法があるっちゃああるんだが…。
アイツらに手の内を明かすのは嫌だな。
とはいえ、確実に彼女を追える方法を取らざるをえない。
背に腹とかいうやつだ。
実は、彼女と会った時に彼女が持つ魔力にマーキングを施していたのだ。
だから、俺の持つ能力を使って彼女の魔力を追う事ができる。
胸ポケットからサングラスを出して掛ける。
普段、こんな昼日中から外に出る事などほとんどなかったから太陽の光が眩しすぎる。
監視者を撒く為に路地裏へと入った。どんどん奥へと進み細い路地を出鱈目に進んでいく。
まだ付けてきてやがる。しつこいな。
歩く速度を上げた。
四回ほど角を曲がった辺りで何とか撒けたようだ。
路地の先にある隠れ家に入って家の裏手に出ると地面に手を突く。
目を閉じ、地中深くにある光の川の流れを利用してマーキングしていた彼女の魔力を辿った。
居た、彼女だ!
かなり遠くまで辿ったが間違いない。
目を開き、川に潜るようにイメージすると地中深くの流れに出る。
その中でも一番速い流れに身を任せ彼女が居る土地まで移動したのだった。
あっという間に彼女の居る土地に着いたが、流石に人目の多い場所に出る訳にはいかない。
そこで、彼女が居る街の郊外にある森の中へと出た。
今、俺が辿ってきた光の川は地脈で、俺の一族だけが有する能力で移動してきたのだ。
俺も俺の一族も人間ではない。
“土竜”という竜種だ。
ただしこの大陸に住んでいる一族ではない。この大陸に近い大陸にある国が俺の故郷だ。
五百年ほど前に竜種を嫌う魔女に俺達の一族は絶滅寸前まで追い込まれたのだ。
ほんのわずか生き残った数人が海を渡り生き延びた。
魔女に見つからないようにひっそりと。
ちなみに、同じ文字“土竜”で書き表される“モグラ”は俺達とは違う生き物である。
が、眷属ではあるので使役する事ができる。
何はともあれ彼女が居る土地まで来られた事は僥倖だ。
彼女の魔力が感じられる街へと俺は急いだのだった。
街へ入る時に大門を通るのだが、そこでは身分証明書の提示を求められる。
あらかじめ用意していた身分証明書で通る事ができた。
しかし驚いた。
随分遠くまで来たとは思っていたが、まさか大陸の東にある聖導王国だとは思ってもみなかった。
とりあえず、宿屋を探して歩いていく。
すると目の前から彼女が歩いて来ている。
俺は駆け足になって彼女の元へと近づく。
彼女も俺に気づいた。
「よう、また会ったな。」
戸惑ったように笑う彼女に明るく笑いかけた。
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お付き合い(お読み)いただきありがとうございます!!
(*・ω・人・ω・)




