13.
※ほぼ会話で話が進みます。
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お茶を半分くらい飲んだ辺りで聖王が口を開く。
「ところで、其方が記憶喪失だというのは真の事なのだろうか?」
またこの質問?
「真の事でございます。」
聖王は目を瞑り眉間に皺を寄せ、顎に手を当て何やら考え込んでいる。
何だというのだろう。
私が記憶喪失だと何かあるのか?
聖王の隣に座っている王女に視線を向けると、王女も思案顔をしている。
聖王が目を開け、王女を見る。
視線が合った二人は互いに頷き合う。
「其方に問う。数ヶ月前、ポラールリヒト…嘗て古の都があった彼の地にて天に向かって光柱が立ち上った。あれは其方がした事か?」
わかっていて問い質していると思った。
「…はい。」
聖王は、怖いほど真剣な表情だった。
肯定したものの、その出来事に纏わる噂には辟易していた私の口から思わず溜め息が漏れる。
「まさか聖王猊下ともあろうお方があのような噂をお信じになられるのですか?」
「いや、あのデマは其方を追い詰め、絡め捕る為にエーデルブルクの女狐が散蒔いた物だろうて。」
そこはわかっているらしい。
ならばその目的は?
「彼の地にいたのが魔弾の射手だとしても…ですか?」
「それこそ…だな。如何に魔弾の射手だとてそこまでの力は持たぬよ。」
聖王の言葉に、本当に噂が単なるデマだとわかっているようで良かったと思ったのだが…。
「したが、そのデマを信じている国があるのも事実。難儀な事よの。」
同じ事を思っていたので頷いた。
「古の魔法や魔導具に精通している聖導王国の聖王猊下のお言葉なら、そのような国々を説く事も可能では?」
「否。無理であろう。」
聖王ならば何とかできるかもしれないと思ったが、即座に否定された。
「何故…?」
「其方は知らぬかもしれんが、この国は魔銃や魔剣等を管理しておる。故に古の力を独占すると曲解されるのが落ちじゃ。」
「…。」
つまり八法塞がりって事か…。
あのハイエルフが散蒔いたデマだと周知されるか、噂が消えるまで待たなきゃいけないの?
その間逃げ回らなけらばならない私はうんざりした。
「それよりも、真っ先にしなければならない事がある。」
しなければならない事?
「先ほども申した通り、我が国では魔銃や魔剣等を管理しておる。故に、魔銃とその使い手である其方の事を登録せねばならん。」
「必ず登録せねばならないのでしょうか?」
あまりその必要性を感じなかった為に聞いたのだが…。
「登録せねば魔銃を欲する者達からも逃げ回らねばならんぞ。それに、登録しておけば何かあった時に各地にあるギルドの庇護下に入る事ができる。しかも庇護下に入ればトラブル回避にもなる上、宿屋が満室でもギルドの施設内に宿泊する事ができる。」
「…ならば登録します。」
話を聞いてギルドの庇護下に入る事ができるのは正直ありがたいと思った。
少なくとも先日のようなトラブルに巻き込まれる事が無くなるようだ。
用意されていた書類にサインしていた時、聖王の側近が聖王に何か伝えると
「まだ片付けねばならぬ執務が残っているので私はこれで失礼するが、王女が其方と話したい事があるそうじゃ。」
そう言って退室していった。
残された私は王女の方を見た。
「本当に記憶を無くされているのですね。」
祈る時のように胸の前で両手を組んだ彼女が言った。
この言い方は、私の事を知っている…?
わからないがなんとなくそう思ったのだった。
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お付き合い(お読み)いただきありがとうございます!!
(*・ω・人・ω・)




