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魔弾の射手 ~ 記憶なくして魔銃片手旅 ~   作者: 雫喰 B


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10.

シュタルクは言っていた。

「七発目は必ず外れる。」と。


けれど、瓦礫の山から抜け出す時に魔(・)弾(・)の(・)射(・)手(・)の七発目はちゃんと的を捉え命(・)中(・)していた。


魔銃についての記録が間違えているのか?それとも私の持つ魔銃が例外なのか?


ま、いいか。


いくら考えても答えの出る訳でもないのだから。


「っ!?」


 いきなり手の中に魔銃が現れた。


『魔銃が警戒している?』そう思ったのと同時だった。


「っと、お迎えに上がったのですが。」


「誰?」


 どこから現れたのか、見知らぬ異国風の衣装をった纏(まと)った男達がいた。

 その服装から恐らく聖導王国の高い地位にいる者の関係者だろうと思われる。


 魔銃を構え立ち上がると彼等(かれら)は敵意が無いと示すように両手の平を見せながら手を上げた。


「迎えに来てもらう謂(い)われなんてないのだけど。」

そう答えると、先頭に立つ男が 

「ですが、聖王猊下のご命令ですのでご同行願います。」


 シュタルクの言葉を思い出して思わず苦笑した。


「厄災を齎すと信じる者、安寧を齎すと信じる者の両方から追われる事になる。」


 聖王猊下とやらが、そのどちらの噂(うわさ)を信じているのかまではわからない。


 だが、聖導王国は古(いにしえ)の魔法や魔導具が現在も残る国だ。

 故に、ここで抵抗したとして逃げ切れるとも思えない。


 仕方なく同行する意思を示し、魔銃を仕舞おうとしたのだが…。


「離れて!」


 突然の声に身構えた。


 すると目の前の男達が剣を鞘から抜き放ったかと思うと一斉(いっせい)に斬りかかってきた。


 敵(・)に向かって魔銃を二発続けて撃つ。


 一発目で盾(デア・シルデ)展開、二発目で広範囲の麻痺(レームング)だ。


 いくら斬りかかられたとはいえ、事情がわからないうちは、怪我をさせたり死なせたりするのは不味いかな?と思ったりするし、何かしらの情報を得る事ができるかもしれないからだ。


男達がその場に一気に体中の力が抜けたように崩れた。


 麻痺して動けない彼等に魔銃を構えたまま、先ほどの声の主の方を見た。


 彼等の攻撃が未遂に終わった事に安堵の表情を浮かべた後、申し訳なさそうに眉を八の字にして言った。


「我が国の者達が無礼を働き誠に申し訳ありませんでした。」


 そして、深く体を折り曲げ謝罪する男を警戒心を顕わにした目で見る。


「警戒されるのも仕方ありません。こうなる事を危惧して、急いでお迎えに来たのですが…。情けない限りです。」


 横目でちらりと倒れている男達を不快感を滲ませて見ると視線を私に戻した。


 そして、聖王からの勅命書を広げて見せる。


『見せられても本物かどうか私にはわからないんだけどね。』

心の中だけで独り言(ご)ちた。


「さっき彼等にも言ったんだけど、迎えに来てもらう謂われなんて私には無いんだけど。」


その言葉を聞いた彼は頷くと言った。

「疑われるのも無理ありません。ですが我々も子供のお使いではないのでご同行いただく以外の選択肢は無いのですが。」


 その有無を言わせぬ雰囲気に仕方なく行く事にした。


 聖導王国ならば魔銃に関する記録が多く残されているかもしれない。

 そしてその先に失われた私の記憶に繋がる何かがあると期待せずにはいられなかった。


~~~~~~


不定期、のろのろ更新の作品にお付き合い(お読み)いただき、本当にありがとうございます!

(*・ω・人・ω・)



 


 


 


 

 




 





 

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