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魔弾の射手 ~ 記憶なくして魔銃片手旅 ~   作者: 雫喰 B


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9.

── シュタルク・アーバインの話 ──

    

 宿屋で魔銃に注がれた魔力が放出され、その影響か俺達は跳ばされた。


 目覚めるとそこはギルドにある俺の部屋だった。

 一緒に跳ばされた筈のシェリーの姿はどこにも無かった。


 ギルドに居た奴にも話を聞いたがシェリーの行方は杳(よう)として知れなかった。


 俺は副ギルド長に後の事を任せシェリーを探しに行く事にした。


 無責任だと思われるかもしれないが、どのみちあ(・)ん(・)な(・)事(・)に巻き込まれた以上ギルド長を続けるのは無理だと思う。


 すると、案の定まだ夜も明けていないというのに件のハイエルフと王宮騎士団がギルドに乗り込んで来た。


 そして、俺はあの魔女(ハイエルフ)に彼女の行方を詰問される事となった。

 魔女相手に嘘を吐いても意味が無い上、時間の無駄であるとわ(・)か(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)ので正直にそのまま答えた。


「俺にわかる訳が無いだろう。」


 すると、予想通り“真贋”の鑑定魔法を掛けていたらしく、俺が答えた後「嘘は言っておらぬな。」と言って王宮騎士団の騎士達と共に城に帰って行った。


 そして、俺は予定通りシェリーを探しに王都エーデルブルクを後にした。


 だが、たった二、三日一緒にいただけの彼女の事など何も知らないに等しい。


 どこからどう探せばいいのか…それすらわからないまま、取りあえず次の町まで行く事にしたのだった。



△▽△△▽△



 馬車が通る道ぐらいあるだろうと楽観的に考えて歩いたはいいものの、よほど辺鄙(へんぴ)な場所に跳ばされたらしく、あれから歩き続けるも未だ見渡す限り草原である。


 お腹は空くし、喉が渇いても小川すら見付けられずにいる。


 いい加減疲れた私は、仕方なくその場で大の字になって寝転ぶ。


「だぁー!もうほんとここどこなのよー!…お腹空いた…。」


 シュタルク…どこに跳ばされたんだろう?

 私に関わった所為で捕まっていなきゃいいけど…。て、そこまで関わってなかったか…。


 ガサッ。


 草むらの草が揺れる音がして、そちらを見ると大耳ウサギが鼻をヒクヒクさせながらこちらをじっと見ている。


 『焼いて食ったら美味しそう。』


 思わずゴクリと唾を飲み込む。


 懐から魔銃を取り出し、ゆっくりとうつ伏せになり構えた。


 絶対に外したくないので、攻撃範囲を広く頭の中でイメージして魔弾を撃ち出した。


<キュッ!!>


 ジャンプして逃げようとした大耳ウサギに命中した。


 皮は売れるので丁寧に剥ぎ、下処理してから再度魔銃を構えて撃つと炎が上がる。

 火が消えれば大耳ウサギの丸焼きが出来上がった。


 久しぶりの食べ物を味わう。


 まさか料理に魔銃を使うとは…。何だか情けないような気がするが、背に腹はかえられない。


 手の平をじっと見詰め、そこに現れた魔銃を見ながら考えた。


 魔銃には、まだまだ謎が多い。

こ(・)れ(・)もその内の一つ。

 魔銃には、普通の銃に使用されるようなガンホルダーやガンベルトは必要ない。


 使用する時には手の中に現れ、使用後は手の中から消えるからだ。

 そして、暗器というか小刀が収納されている。


 記憶の無い私には、いつ魔銃を手に入れたのかわからない。


 あの時、目覚めた私は瓦礫の山の中に居た。

 しかも、瓦礫は地中(地下)にまであったのだ。

 その瓦礫は、高度な文明を持った古代都市の成れの果てで、魔銃を一発放ったぐらいでは無くならなかった。


 そして…私は無意識に魔弾の射手を撃った。


 けれど、魔弾の射手でも一発では無理だった。

 だから私は撃った、何発も。


 そして、必(・)ず(・)外(・)れ(・)る(・)と言われている七(・)発(・)目(・)で光柱が立ち上るのと同時に瓦礫の山は無くなったのだった。


~~~~~~~


お付き合い(お読み)いただきありがとうございます!!

(*・ω・人・ω・)



 



 

 






 




 

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