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変わる赤
少年は空を仰ぎながら、
どこに届くかもわからない声で、
ただただ叫ぶ。
この広い広い空の下、そこにあるのは少年一人
それは変わらず、世界も同様。
けれど、少年の心だけは変わっていく。
まだ見ぬ道へ進むために、
それは進む指針が決まったから、
そうして少年は、
まだ何者にも染まっていない心を、赤に染め
そして震える心と共に、
ただただ叫んだ。
過ぎ去りし時を頭に浮かべ、
涙はとうに枯れたその瞳に、
小さな、本当に小さなそれを瞳に浮かべ、
ただただ無情に流れゆく雲と空に目を写し、
その光景を刻み込みながら、静かに瞳を閉じる。
きっと世界は変わらない。
少年が体も、心も、何者さえも
枯らし、崩し、朽ち果てても、
きっと世界は変わらない。
そんなことは誰もが知ること、
そんなものは分かりきったこと、
それでも少年は叫んだ。
そのとき確かに少年は移る。
変わるのでも、終わるのでもなく、
ただただ少年は移りゆく。
新たな百億万の線上に、
少年は移られる。




