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歪に真っ直ぐな赤
赤は未熟だった。
身も心もまだ少年で、
この世のルールをまだ受け入れることが、
〝大人になる〟ということと定義するのであれば、
その少年はその程度には未熟と言えるだろう。
けれど少年は知っていた。
自分もきっと享受する日がくるのだろうと、
子供がおもちゃに飽きるように、
女が昔の約束を忘れるように、
きっと自分も流されるままに生きるのだろうと、
そのきっかけは今考えたところで思い付くはずもなく、
少年はただ哀しくなる気持ちを圧し殺して生きていた。
今日も一日が始まり、そして終わる。
少年はただ、確実に迫る、けれど気づく間もなく
終わってしまう日に、
ただただ呆然と立つしかなかったのだ。
少年はいつしか考えることを始める。
この世界の中で自分だけが孤独なのだと、
そして少年は、ふと昔見たヒーローを思い出した。
信念が変わることなく、そして終わることなく
痛々しいほどに真っ直ぐなヒーローを、
いつしか自分も鼻で笑うようになった、ヒーローを、
胸がしまるような感情に眩みながら
少年は思う。
そしてその叫びにも取れる声は何処かに飛んでいく
誰も気づくこともなく、誰も知ることなく
ただただ、何処かに




