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クラスごと異世界召喚されたボッチのオタクとヤンキー女子、パーティ編成でクラスメイトにハブられて2人だけで異世界を生き残る  作者: ミコジ
異世界探索編

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国王の名は、マサヒロ

セリアとシーマから根掘り葉掘り聞かれながらの道中だった。

この二人は歴史が好きらしく、消えた王国の話や森の中の世界の話に目を輝かせていた。

俺たちもヴァルディス王国については知らないことが多い。なんせ俺たちがここに来たのはつい最近のことだし、100年もの間鎖国していたんだ。

「ヴァンパイアロードが国を封鎖して、外の世界との連絡を無理矢理遮断されていたんだ。俺たちがヴァンパイアロードを倒して、国王に外の世界を見てきてくれと頼まれて来たんですよ」


セリアは目を丸くした。「ヴァンパイアロードを倒したんですか!?」

「ああ、まあな」

沙希が胸を張る。俺は苦笑いしながら続けた。

「なるほど。そっちからも誰も出てこないし、こっちからも強い魔物がいて行けなかったから、もう滅びたと思われていたんですね」とシーマが納得する。

俺はふと思った。「こっちでは強い奴はいないのか? 森を抜けてこれるような」

セリアが口を開いた。「グランツ王国の国王が剣術LV4だと言う噂だけど…」

剣術LV4。その言葉に俺は引っかかった。

「その国王は昔からこの国にいたんですか? 名前はわかりますか?」

セリアは少し考えてから答えた。「10年くらい前に、国王が代わって、いきなり知らない人が国王になったとかで話題になってました。名前はマサヒロ王ですね。彼がヴァルディス王国はもう滅びているって言い出して、みんな森を抜けなくなったんです」


その名前を聞いた瞬間、沙希がビクッとしたように俺を見た。

「おい、マサヒロって日本人だよな? もしかしてヴァンパイアロード討伐に出た剣術LV4の奴じゃないのか?」

俺も同じことを考えていた。「多分な。ヴァンパイアロードの所には行かずにこっちに逃げたんだろう」

10年前といえば、俺たちが来る前に召喚された奴だ。王が言っていた「帰ってこなかった剣術LV4の勇者」。あいつは逃げたんだ。そしてここで王になった。


「まあ、もしそうだったとしても、俺たちが何か言う事じゃないしな。誰だって命は惜しいし、ヴァンパイアロード以外だったらこの世界ではLV4は無双出来るからな」

俺はそう言ったが、アルベル王には報告しないとな。召喚した奴が力づくで隣国の王になって、ヴァルディスは滅んだってデマを流したことを。

セリアが首を傾げた。「マサヒロ王がどうかしましたか?」

俺はとっさに誤魔化した。「いや、なんでもないよ」

まずい。俺たちがヴァルディスから来たことが知られると、とんでもないことになりそうだ。ここの国王が日本人なら、俺たちの正体がバレたら消されるかもしれない。


俺は沙希に目配せをして、セリアたちに言った。「俺たちは一度帰るか。あと、俺たちの事とヴァルディスのことは内緒にしておいてくれないか?」

セリアたち5人は顔を見合わせると、深く頷いた。「命の恩人の頼みだ。絶対誰にも言わない」

元気になったグレッグが前に出た。「次来たら冒険者ギルドで俺の名前を出してくれ。必ず力になるから」

「ありがとう」と俺は言って、5人と別れた。


森に入り、周囲に誰もいないことを確認してから俺は沙希を抱きしめた。

「屋敷に飛ぶぞ」

「ああ」


一瞬の浮遊感の後、俺たちは屋敷のエントランスに戻ってきた。

「おかえりなさいませ、旦那様、奥方様」

メリッサたちが出迎えてくれる。やっぱり家はいい。

「ただいま。ちょっと王に会いに行ってくる」

俺は沙希と共に転移で城へ飛んだ。


玉座の間に現れた俺たちを見て、アルベル王は驚いたようだったがすぐに穏やかな表情に戻った。

「おお拓也殿沙希殿。早かったな。どうだった外の世界は?」

俺は王に報告した。森を抜けた先にグランツ王国という国があること。そこで冒険者パーティを助けたこと。

そして、グランツ王国の王が「マサヒロ」という名前であること。

「…マサヒロ?」王の眉がピクリと動いた。

「はい。10年前に現れたそうです。剣術LV4の力で王になったと」

俺は言葉を続けた。「もしかしたら、以前召喚された日本人かもしれません」

王は深く息を吐いた。「やはりな…帰ってこなかった勇者か。生きていたか」

「ええ。そして、彼はヴァルディス王国は滅びたと外の世界に噂を流したそうです」

王の顔が曇る。「それで外の世界からの交流が絶たれたのか。あやつ、我々を見捨てて逃げたのか」

「恐らく」


王は玉座に深く沈み込んだ。「…そうか。だが生きていたのならそれでいい」

「俺たちが手紙か何かを届けましょうか?」

「マサヒロも勝手に召喚された事を恨んでいるだろう、話を聞くかな」マサヒロが王になっているのが問題だ

「大丈夫です。敵対する気なら、俺たちを殺しにくるでしょう、その時はスキルを奪ってやりますよ!」

俺は沙希と顔を見合わせて頷き合った。


「王様、俺たちは一度屋敷に戻って準備をしてきます。また報告に来ます」

「わかった、親書は用意しておく、頼んだぞ拓也殿」


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