↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラスごと異世界召喚されたボッチのオタクとヤンキー女子、パーティ編成でクラスメイトにハブられて2人だけで異世界を生き残る  作者: ミコジ
異世界探索編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/66

サラサラの沙希

翌朝、目を覚ますとすぐに異変に気づいた。

隣で眠る沙希の髪だ。いつもなら寝癖でボサボサになっているはずの彼女の髪が、信じられないくらいサラサラになっているのだ。指を通すと、するりと滑っていく。

「すげえ…」

思わず感嘆の声が漏れる。昨日の風呂で、日本から持ってきたシャンプーとコンディショナーを使ったのが良かったんだな。異世界の石鹸とは保湿力が段違いだ。サラサラ髪の沙希は、いつも以上にキレイに見える。次はもっと良さそうなのを買ってこよう。

「ん…拓也? 朝から髪いじってどうしたんだ?」

沙希が眠そうな声を上げる。

「いや、すっごくサラサラになっててさ。日本のシャンプーってすげえなって」

「ああ、これか。確かにいい匂いだし、触り心地も最高だよ」

彼女は満足そうに自分の髪を撫でた。


俺はリビングへ降りると、メリッサたちにも声をかけた。

「あのさ、昨日のシャンプーとか、使っていいからね」

「えっ、よろしいのですか?」

メリッサが目を丸くする。

「うん。女の子は綺麗な方がいいからね」

「ありがとうございます、旦那様!」

三人は顔を見合わせて喜んでいた。ていうか、戦えるメイドさんには身だしなみも大事だろ? 清潔感こそ戦力だ。


朝食を食べながら、俺はふと思い付いた。今度日本に帰った時、メイド服も買ってこようかな。

(戦えるミニスカメイドさんって、いいよね。オタクの夢だよね)

俺がニヤニヤしながら考えていると、沙希が呆れたようにため息をついた。

「またスケベな事考えてるだろ、このムッツリ!」

「なんで沙希にはわかるんだ?」

「お前の顔に書いてあるからだ!」

すると、メリッサが口を挟んだ。

「どんな格好でもいたしますよ、旦那様の望みのままに」

「えっ?」俺は驚いた。「俺、声に出して言ってないよね? なんでわかったの?」

メリッサは恭しく一礼し、いたずらっぽく微笑んだ。

「視線を足に感じましたので」

「ぐっ…」

俺、この家で妄想も出来ないじゃん! メイド長、観察眼鋭すぎるだろ!


さて、気を取り直して探索再開だ。

俺と沙希は屋敷を転移で出発し、前回印をつけた場所まで戻った。

そこからさらに奥へと進んでいく。ゴブリンは見かけなくなり、代わりに雰囲気が変わった。木々が巨大になり、空気が重い。

「来たな…」

索敵に反応あり。でかい。今までとは別格の反応だ。

茂みがガサガサと揺れ、現れたのは身長2メートルを超えそうな鬼だった。頭にはねじれたようなツノが生えている。肌は赤銅色で、筋肉が岩のように隆起している。手には丸太のような金棒。

「オーガだ…」

アビリティサイトを発動する。『怪力LV2』。他にはスキルを持っていないようだが、その肉体自体が凶器だ。

「とりあえず奪っておくか」

俺はギフトテイカーを発動した。ズルリとスキルが抜ける感覚。怪力LV2が俺の中に入ってきた。

だが、オーガはスキルを奪われても平気な顔で金棒を振り回して襲ってきた。

「おい、スキル無くても強いじゃん!」

「当たり前だろ、筋肉の塊だぜ」

沙希が叫びながら、風を切って迫る金棒を紙一重で掻い潛る。その動きは目にも留まら速い。

「足だ!」

沙希がオーガの膝の裏を剣で斬りつける。体勢を崩した巨体がグラリと傾いた。

倒れたオーガの頭に、俺が槍術スキルで槍を突き刺す。急所を貫き、オーガは動かなくなった。

「ふぅ…やったか」

俺は荒い息を吐きながら、オーガの死体から魔石を回収した。今まで見た中で一番大きい魔石だ。黒ずんだ色をしている。

「一苦労だったな」沙希が剣の血を振って落とす。「スキル奪っても、物理で殴ってくるタイプは面倒ね」

「だな。でも、いい経験になったよ」


キリのいいところで、俺は近くの木に印をつけて屋敷へと転移した。

エントランスに戻ると、メイドたちが出迎えてくれた。

「おかえりなさいませ、旦那様、奥方様」

ふわっと甘い香りが漂ってくる。俺たちが出ている間にシャンプーを使ったのか、三人とも髪がサラサラだ。特にリーリアの金髪は、絹のように光っている。

「うん、すごくキレイになったよ。三人とも」

俺が褒めると、三人は顔を赤らめて嬉しそうにした。

「旦那様のおかげです」とメリッサ。

「いい匂いでしょう?」とマリーナ。

「髪がまとまるんです」とリーリア。


俺はふと思い立った。こうなったら、もっと文明の利器が欲しい。ドライヤーとか電気製品を使いたくなるよね。髪を乾かすのにも時間がかかるし、夜は暗いし。

「次に日本に帰ったら、発電機も見てこようかな」

「発電機?」沙希が首を傾げる。

「ああ。こっちで電気を使いたいんだよ。ドライヤーとか、冷蔵庫とか、電子レンジとかさ」

「電気ですか?」メリッサが目を輝かせる。「きっと便利な物なんでしょうね」

「ゲームもしたいな、それにDVDプレイヤーも…」俺が小声で呟くと、沙希が「何か言った?」と聞いてきた。

「いや、なんでもないよ! とにかく、次は電化製品調達ミッションだ!」


俺たちはその日の夕食を囲みながら、次の日本行きの計画を練った。異世界の屋敷に、日本の文明を持ち込む。それは俺たちの生活を、もっともっと快適にしてくれるはずだ。そして何より、沙希により良い生活をさせてやりたい。俺の人生の目標は、彼女を笑顔にすることなのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。