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クラスごと異世界召喚されたボッチのオタクとヤンキー女子、パーティ編成でクラスメイトにハブられて2人だけで異世界を生き残る  作者: ミコ


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愛の巣

次の朝、俺が目を覚ますと、またしてもとんでもない状況だった。

俺は沙希さんの胸に抱きつき、さらに静香さんが俺の背中に抱きついている。まるで俺が挟み物の具材になったようなカオスな状態だ。

沙希さんのこめかみがピクピクと痙攣しているのが分かる。


「お前らー、早くどけっ!」

沙希さんが低いドスの効いた声で唸った。熊に睨まれたような威圧感だ。

俺は飛び起き、「す、すみません!」と謝るしかない。静香さんも寝ぼけ眼をこすりながら、「えへへ、大野くん温かくて気持ちよかったです」と無自覚に爆弾を落としていく。沙希さんの目が据わるのが見えた。


「そろそろ俺たちも稼げるようになってきたし、部屋を分けた方がいいんじゃないか?」俺は恐る恐る提案した。このままじゃ俺の理性が保てないし、沙希さんが静香さんを殺し兼ねない。


沙希さんは腕を組み、「そうだな。じゃ私と拓也は今まで通りで、静香に一部屋取るか」と言った。

待てよ。それおかしくないか?

「いやいや、俺が一部屋で、沙希さんと静香さんが同じ部屋でしょ。男女の区別ってものがあるだろ」

沙希さんがニヤリと笑う。「部屋で1人になって何する気だ?」

俺はドキッとして心臓が跳ねた。もしかしてバレてたのか? 昨晩の独り言とか。

「い、何もしないよー!」俺は慌てて誤魔化した。


とりあえず、今の部屋割り問題は保留にして、まずは静香さんの装備を整えることにした。

今日は武器屋に行って、静香さんのまともな槍を買おう。さすがに木の棒の先を削いだだけの槍じゃ、彼女の槍術LV3の性能を活かしきれないだろうからね。


街に出ると、静香さんは子供のようにはしゃいでいた。「わあ、本物の武器屋さんですね! 匂いがします!」

「鉄と油の匂いだろ」沙希さんが呆れつつも、笑顔だ。


武器屋で店員と値段交渉をする。沙希さんが…。そのおかげで、そこそこの鉄製の槍を手に入れることができた。静香さんは槍を握りしめ、「これならもっと戦えます! ありがとうございます!」と目を輝かせた。


「静香さん用の異空間を取りにスライムを倒しに行こう」

俺たちは街の外へ出て、スライム狩りを始めた。

スライムなんて俺たちの敵じゃない。異空間持ちが出てくるまでスライムを無視して歩き回る。

いた!異空間スキル持ちのスライムだ、スキルテイカーを発動して異空間LV1を手に入れた。

それを3回繰り返して、LV2が出来上がった

そして、いよいよ異空間の譲渡だ。


俺がいくよと言うと、静香さんは素直に従った。顔を真っ赤にして、プルプル震えながら可愛らしい唇を突き出している。

その姿が…無防備すぎて、妙に可愛いと思ってしまった俺は変態だろうか。

横から沙希さんの冷ややかなジト目が突き刺さる。「さっさとやれよ」

「は、はい!」


俺は静香さんの唇に自分の唇を重ねた。柔らかい感触。舌先で彼女の歯列をなぞり、口を開かせる。

「んっ…」静香さんの甘い吐息が漏れる。

俺の体内から異空間のスキルが流れ出ていく感覚。唇を離すと、銀色の糸が引いた。


静香さんは顔を抑えながら、「異空間…私の中に入ってきました」と呟いた。

そして早速、異空間の使い方を練習し始めた。買ったばかりの槍を出し入れしている。

「わあ、すごい! どこにもなくなって、また出てくる! 便利ですねー!」彼女は子供のようにはしゃいでいる。

沙希さんも「まあ、荷物持ちが増えたのは助かるな」と認めたようだ。


「じゃあ、ゴブリン狩りに行きますか」

俺たちは森の中へと入っていった。

索敵を展開しながら奥へと進む。ゴブリンの反応がいくつかある。

近づいていくと、いつものゴブリンたちとは様子が違う。

奴らの手に、見覚えのある武器が握られていた。


ゴブリンにしては上等すぎる鉄の剣と槍。

俺はスキルを奪って動きを止め、沙希さんと静香さんで倒した。

静香さんが地面に転がったゴブリンの遺体から目を離し、ハッとしたように言った。

「この装備…あいつらのです」


あいつら。つまり、昨日スキルを奪って追い出した元クラスメイトたちだ。

ゴブリンが持っていたということは、彼らがゴブリンに殺され、武器を奪われたということだろう。

「街の中で出来る仕事を探せって言ったのに…」俺はため息をついた。自業自得とはいえ、元同級生が死んで装備だけが戻ってくるのは虚しい。


「沙希さん、静香さん、この武器使います?」

「一応予備で持っておこうか」沙希さんが剣を拾い上げた。「刃こぼれしてるけど、鍛冶屋に出せばなんとかなるかもな」

「私は大野くんが買ってくれた槍を使いますけど…予備として持っておきます」静香さんも槍を異空間に収めた。


なんか、化けて出てきそうな気がして俺たちは早めに切り上げて森を出た。

宿に戻る道すがら、俺は切り出した。

「人数増えたので、部屋借りませんか? ずっと宿泊費払うのも馬鹿らしいし」

「いいな。毎日銀貨7枚払うより安くなるかもな」沙希さんも乗り気だ。

「私たちの愛の巣を探すんですね」静香さんがニヤニヤしながら冗談を言う。

「愛の巣じゃねえよ!」俺と沙希さんは同時にツッコミを入れた。


どこで探せばいいか分からないので、ギルドのお姉さんに聞いてみることにした。

魔石の換金ついでにカウンターへ行くと、お姉さんは笑顔で応対してくれた。

「冒険者用の部屋ならギルドで斡旋してますよ。ギルドの近くにある長屋ですが、冒険者限定で家賃も安く設定されてます」


「早速見に行っていいですか?」

「ええ、鍵を渡しますから見てきてください」


俺たちはギルドを出て、案内された長屋へ向かった。


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