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2-31話:秘密を知った時点で、だいたい日常には戻れなくなっている

 コハルが自分の病室へ戻って、しばらくした頃だった。


 コンコン。

 静かなノック音が響く。


「……はい?」


 返事をすると、扉がゆっくりと開いた。


「邪魔するぞ」


 入ってきたのは、車椅子に座ったリンカだった。

 その後ろでは、ジュンタが車椅子を押している。


「リンカさん!? もう動いて大丈夫なんですか!?」


「大丈夫なわけないだろ。無理やり来た」


「駄目じゃないですか!?」


「安心しろ。カイリには死ぬほど止められた」


「全然安心できないんですけど!?」


 リンカは笑いながら、コハルのベッドの前で車椅子を止めた。

 そして、すっと表情を引き締める。


「コハル」


「はい」


「今回は、本当にありがとう」


 リンカが静かに頭を下げた。


「あたしを、リュウスケと力を合わせて助け出してくれたこと。心から感謝してる」


「り、リンカさん。頭を上げてくださいっ」


「上げる。でも、その前にもう一つある」


 リンカの視線が、隣に立つジュンタへ向いた。


「ジュンタとクニヒロの馬鹿野郎どもが、お前に働いた非礼についても、あたしから謝る」


「え……」


 コハルは、恐る恐るジュンタを見た。


「……」


 ボコボコだった。

 頬は腫れ、口元も切れている。

 顔には何枚もの絆創膏が貼られていた。


「うわぁ……」


 思わず声が漏れる。

 ジュンタが苦笑した。


「いやぁ……リンカ、起きた瞬間からめちゃくちゃ怒っててさ」


「当たり前だろ」


 リンカが冷たく言い放つ。


「コハルに対して、失礼にも程がある」


「はい……」


「あたしが動けない間に、何を勝手なことしてるんだって話だよ」


「反省してます……」


 ジュンタは肩を落とした。

 それから姿勢を正し、コハルへ向き直る。


「コハルさん」


「は、はい」


「君のおかげで、リンカは助かった。本当にありがとう」


 以前のような軽い調子ではなかった。

 真剣な声だった。


「それから、君に言った失礼な言葉も、すべて撤回させてほしい」


「え……」


「君は、本当に果敢だった」


 ジュンタが深々と頭を下げる。


「誇張抜きで、ヘリオスに関わる帰還者全員の恩人だ。ありがとう。そして、本当に申し訳なかった」


「い、いやいや! そんな大げさな……!」


「大げさじゃない」


 リンカが静かに言った。


「あの場でお前が踏ん張らなかったら、かなり危なかった。たぶん、色々なものが壊れてた」


「でも、私だけじゃ……」


「分かってる」


 リンカは頷く。


「リュウスケもいた。全員が、自分にできることをやった」


「……」


「その上で、お前の功績だと言ってるんだよ」


 コハルは困ったように笑った。

 真正面から褒められると、どう反応すればいいのか分からない。


 すると、リンカがジュンタを横目で見る。


「本当は、コハル本人にもこいつを殴らせたいところなんだがな」


「いやいや!?」


「代わりに、あたしが殴り散らしておいた。ひとまず、それで手を打ってくれないか?」


「もう十分です! 十分すぎます!」


「そうか」


 リンカは、どこか残念そうだった。

 ジュンタが小声で呟く。


「まだ追加があったんだ……」


「あるに決まってるだろ」


「はい……」


「クニヒロも、あとで捕まえる。あいつはスキルを絶対使わせないようにしてから、宙吊りだ」


「うわぁ……」


 ジュンタの顔が引きつる。


「お手柔らかに……」


「自業自得だ」


 リンカは、ばっさりと切り捨てた。

 そのやり取りに、コハルは思わず笑ってしまう。

 張り詰めていた空気が、わずかに和らいだ。


 けれど。

 次の瞬間。

 リンカが、ふっと視線を逸らした。


「それにしても」


「?」


「あの男の姿、かなり男前だったな」


「えっ」


 コハルの思考が止まった。

 リンカは腕を組み、妙に真面目な顔で続ける。


「いや、あれは普通に反則だろ。勇者の男連中を並べても、一番いい顔と身体をしてたんじゃないか?」


「ええっ!?」


 一気に顔が熱くなった。


「な、何を言ってるんですか、リンカさん!?」


「事実だろ。見ただろ、ジュンタ」


「まあ、あれはかなり反則級だったね」


「ジュンタさんまで!?」


 コハルは顔を覆いそうになった。

 ジュンタが楽しそうに笑う。


「コハルさん、モテモテだねぇ。羨ましいな」


 ゴッ。


「いっっっだぁ!?」


 リンカの拳が、綺麗にジュンタの顎へ入った。


「顎! 顎は本当に洒落にならないって!」


「うるさい。あたしは、まだ怒ってるからな」


「今のはただの軽口じゃん!」


「その軽口を叩ける立場か考えろ」


「はい……」


 ジュンタは顎を押さえ、黙り込んだ。

 コハルは苦笑する。


 けれど、その直後。

 リンカの纏う空気が変わった。


「……さて」


 声が低くなる。


「そろそろ、きちんと話しておく」


 コハルの背筋が自然と伸びた。


「今回の件だ」


「……はい」


「月船の探究者について、詳しいことを話さないまま、お前を巻き込んだ。そこは悪かった」


「い、いえ……」


「いや、悪い。これは、あたしの落ち度だ」


 リンカは、はっきりと言い切った。


「本来なら、お前にはもっと早く説明しておくべきだった。でも、時間がなかった。警戒も足りなかった。結果として、お前を危険な場所へ立たせた」


「……」


「だから今、話す」


 コハルは頷いた。


「月船の探究者《クレセント・デバウアー》は、帰還者の集団だ」


「集団……」


「帰還者同士で徒党を組む例は、案外多い。異世界でも、基本はパーティーだっただろ?」


「あ……はい」


「一人で何もかもやる勇者なんて珍しい。前衛、後衛、回復役、荷物持ち、交渉役。役割を分担してたはずだ」


「はい……」


「だから現代へ帰ってきても、その感覚が抜けない。身内を作る。自分たちだけのルールを作る」


 リンカの声が冷える。


「その中でも、月船の探究者は最悪の部類だ」


「……」


「奴らは六人組。自分たちを“家族”と呼んでる」


「家族……」


「長男、次男、三男、四男、五男。そして末っ子の長女」


「本物の家族なんですか?」


「違うだろうな」


 リンカは首を振った。


「欲しいのは、“家族という形”だ。自分たちだけは特別だと、そう思い込みたい連中なんだよ」


「……」


「末っ子の長女が、エリィナ。そして、今回最後に出てきたのが次男のユッカだ」


 コハルは、あの底知れない少年を思い出した。

 笑っているのに、何を考えているのか分からない。

 楽しそうなのに、決定的に壊れている。


「エリィナは、比較的表へ出てくる。遊び半分で挑発してくるような奴だ」


「……はい」


「だが、兄たちはほとんど姿を見せない。あたしは以前、三男と五男に遭遇して戦闘になった。賢者の中には、四男と戦った奴もいる」


 リンカは眉を寄せた。


「だが、今回現れた次男のユッカは、完全に初見だ」


「その人たちは……どうして、そんなに危険なんですか?」


 リンカの目が細くなる。

 ジュンタの表情からも、軽さが消えた。


「五年前」


 リンカが口を開く。


「まだ十九歳だった勇者の少女を、奴らは喰った」


「……え?」


「比喩じゃない。文字どおり、喰った」


 コハルの呼吸が止まった。


「長男が胴体。次男が頭部。三男が右腕。四男が左腕。五男が右脚。そして末っ子の長女が左脚」


「っ……」


 胃の奥が冷えた。

 気持ち悪い。

 頭が理解を拒絶する。


「勇者の身体には、女神の加護が巡っている」


「……はい」


「勇者の力を自分たちへ取り込むために喰った――少なくとも、あたしたちはそう見てる」


「……」


 コハルは言葉を失った。

 喉が乾き、指先が冷えていく。


「それに、あいつらは五年前から、誰一人として見た目が変わっていない」


 確かに、エリィナは十五歳前後。

 ユッカも、十七歳ほどに見えた。

 五年も経てば、子どもから大人へ変わるには十分な歳月だ。


「勇者を喰った影響だと考えられてる」


「……」


「ショッキングな話で悪い。でも、知らないまま次へ進ませる方が危険だ」


「……はい」


「奴らは、そういう連中だ。だから、普通の帰還者とは比較にならないほど強い」


 リンカの声が、さらに低くなる。


「勇者であるあたしたちと同等。それ以上に厄介な可能性もある」


「……すごい話ですね」


「ああ」


 リンカは頷いた。


「しかも、問題はそれだけじゃない」


「え……?」


「月船の探究者《クレセント・デバウアー》は、単独で動いてるわけじゃない」


 リンカはコハルをまっすぐに見た。


「他の帰還者組織とも繋がってる」


「組織……?」


「小規模なものなら、仲良しグループ程度だ。情報交換をしてるだけなら、まだいい」


 リンカの目が冷える。


「だが中には、現代社会の枠から外れた連中もいる」


「外れた……」


「異世界の力で金を稼ぐ。人を脅す。異世界遺物を売る。帰還者だけの閉鎖的な共同体を作る」


「……」


「思想も目的も、組織ごとに違う。でも、月船の探究者は、そういう連中と手を組むのがうまい」


「どうしてですか?」


「奴らが欲しいのは、勇者の情報、実験材料、そして隠れ場所だからだ」


 リンカは淡々と言った。


「他の組織から見れば、月船の探究者《クレセント・デバウアー》は危険だが、利用価値もある。強い。知識がある。危険な遺物や術式にも詳しい」


「……」


「だから、互いに利用し合ってる」


 その時だった。


 コンコン。

 再び病室の扉が鳴った。


「入るよー」


 軽い声。

 レンマだった。

 続いて。


「失礼します」


 マナトの落ち着いた声。

 そして、やや遅れて。


「……僕も」


 リュウスケの低い声が続いた。

 扉が開く。


 レンマ。

 マナト。

 リュウスケ。

 三人が病室へ入ってきた。


「……えっ」


 コハルが目を丸くする。


「皆さん、どうして……」


 レンマが肩をすくめた。


「いや、リンカさんがコハルちゃんのところへ行ったって聞いたからさ」


 マナトが静かに続ける。


「重要な話をしている可能性があると思いました」


 リュウスケは、わずかに視線を逸らした。


「……みんなで、聞いた方がよさそうだなって」


 コハルの胸が温かくなる。

 リンカは三人を見て、ふっと笑った。


「来たか、過保護ども」


「誰が過保護ですか」


 マナトが即答する。


「君だね」


 ジュンタが言った瞬間。

 ゴッ。


「ぐっ……!?」


 リンカの拳が、ジュンタの脇腹へめり込んだ。


「お前は黙ってろ」


「本当に容赦ないな……」


 レンマが苦笑する。

 リュウスケは無言のまま、ジュンタから距離を取った。

 コハルはその様子を見て、息を吐く。


 怖い話は終わっていない。

 むしろ、ここからが本題なのだろう。


 月船の探究者《クレセント・デバウアー》。

 勇者を喰った六人。

 帰還者の徒党。

 協力組織。

 聞きたくない言葉ばかりだ。


 それでも。

 病室には、リンカがいる。

 ジュンタがいる。

 レンマがいる。

 マナトがいる。

 リュウスケがいる。

 一人ではない。

 その事実だけで、コハルは背筋を伸ばすことができた。

 リンカは全員を見渡し、静かに言う。


「じゃあ、ここから先は全員で聞け」


 そして、目を細めた。


「月船の探究者《クレセント・デバウアー》と繋がってる組織。その中に、今回もっとも厄介な連中がいる」


「……誰ですか」


 マナトが尋ねる。

 リンカは低い声で答えた。


「朱雀商会」


 その名前を聞いた瞬間。

 レンマの笑みが消えた。

 マナトの空気が冷える。

 リュウスケの目が、鋭く細められた。

 コハルだけが、その名前の意味を知らない。


 それでも、分かった。

 これは、ただの事件ではない。

 もう、戦争の話だ。


「朱雀商会は、表向きには異世界遺物を扱う仲介屋だ」


 リンカが低く続ける。


「だが、流してるのは危険物ばかり。放置すれば、月船の探究者はさらに力をつける」


 そして。

 リンカは、まっすぐコハルを見た。


「だから、潰す」


 病室の空気が張り詰めた。


「必要なら、壊滅させても構わない。二度と月船の探究者《クレセント・デバウアー》へ物を流せなくなるところまで叩く」


 リンカは、一人ずつ顔を見渡す。


「――ヘリオス副社長として、お前たちに依頼する。朱雀商会を止めるぞ」


 その瞬間。

 コハルの日常は、また一段深く、こちら側へ沈んだ。


          ◇


 同じ頃。

 山間に建つ、古びたペンション。


 色褪せた外壁。

 半分外れた看板。

 厚いカーテンで閉ざされた窓。

 そこが、月船の探究者《クレセント・デバウアー》の隠れ家だった。


 暖炉の火が、古い床板を赤く照らしている。

 その中央で、エリィナが泣いていた。


「ご、ごめんなさい……私、また失敗しちゃった……」


 周囲には、四人の男がいる。


 次男ユッカ。

 三男。

 四男。

 五男。

 そして、長男だけがいない。


「エリィナ」


 ユッカが穏やかに呼びかけた。


「よく頑張ってくれたよ」


「でも……日高リンカも逃がしちゃったし、月岡コハルも連れて帰れなかったし……世界綴りの万年筆《ワールド・エンサイクロペディア》も置いてきちゃった……」


「大丈夫」


 ユッカは、エリィナを責めなかった。

 その声は優しい。

 優しすぎるほど、優しかった。


「今回の目的は、成功してる」


「……成功?」


 エリィナが、涙に濡れた目を上げる。

 ユッカは微笑んだ。


「月岡コハルが、こちら側へ一歩踏み込んだ」


 暖炉の火が、ぱちりと音を立てる。


「日高リンカを失いかけた。仲間を守ろうとした。自分が何者なのかも分からないまま、それでも前へ出た」


 ユッカの目が細くなる。


「それで十分だよ」


「……でも、連れて帰れなかった」


「今は、連れて帰らなくていい」


 その言葉に、三男が眉を上げた。


「へえ。攫わなくていいのか?」


「うん」


 ユッカは、あっさりと頷く。


「今すぐ手元へ置く必要はない」


「じゃあ、どうするんだよ」


「見届ける」


 静かな声だった。

 けれど、その一言だけで、部屋の空気が冷えた。


「月岡コハルが、何を守りたいのか。何を失いたくないのか。どこまで行けるのか。それを見届ける」


 エリィナが不安そうに唇を噛む。


「……それで、兄様を起こせるの?」


 部屋の奥。

 厚いカーテンの向こうに、一つの扉があった。


 誰も不用意には近づかない扉。

 誰も、その前では冗談を言わない。


 長男が眠る部屋。

 ユッカは、その扉へ視線を向けた。


「月岡コハルの中には、普通なら残らないものが残ってる」


「残らないもの?」


「死に近い場所を通った痕跡」


 ユッカは淡々と続ける。


「本来なら、そこで終わっていたはずの運命。でも、彼女は戻ってきた。しかも、女神の加護を歪な形で持ち帰っている」


 四男が目を輝かせた。


「じゃあ、兄様も戻せる?」


「可能性はある」


 ユッカは否定しなかった。

 その瞬間、エリィナの表情が明るくなる。

 だが、ユッカはすぐに続けた。


「ただし、今の彼女では届かない」


「……まだ?」


「うん。あの力は未完成だ」


 ユッカは暖炉の火を見つめる。


「だから、育ってもらう」


 三男が低く笑った。


「悪趣味だな」


「必要なことだよ」


 ユッカの声は、祈りのように静かだった。


「大切なものを失いかけた時、人は一番深いところへ手を伸ばす」


 炎が揺れ、ユッカの顔に影を落とす。


「彼女には、もっと守りたいものが増える。もっと失いたくないものが増える。そして、そのたびに力へ近づいていく」


「じゃあ、朱雀商会は?」


 四男が尋ねた。


「そのままでいい」


 ユッカは微笑む。


「ヘリオスは、朱雀商会を潰しに来る。金色マナトも、木崎レンマも、水瀬リュウスケも動く。おそらく、土門クニヒロと火岡ジュンタも出てくる」


「勇者だらけじゃん」


 三男が肩をすくめた。


「朱雀商会、持つのか?」


「持たないだろうね」


 ユッカは平然と答えた。


「戦力だけで見れば、かなり厳しい。向こうには、勇者が多すぎる」


「じゃあ、見殺し?」


「まさか」


 ユッカが三男を見る。


「ラルゴ。手助けしてあげて」


 三男――ラルゴは、軽く手を上げた。


「オーケー。任せて」


「ただし、勝たせすぎないで」


「難しい注文だな」


「勇者側には、辛勝してもらう」


 ユッカは楽しそうに笑った。


「余裕で勝っても意味がない。負けても困る。傷ついて、迷って、それでも前へ進んでもらわないと」


 エリィナが震えた声で尋ねる。


「月岡コハルが死んじゃったら……?」


「死なせないよ」


 ユッカは即答した。

 その声だけが、ひどく冷たかった。


「彼女には、死んでもらったら困る」


 誰も笑わなかった。


 人を喰った。

 加護を奪った。

 何人もの人間を壊した。

 それでも彼らは、自分たちを悪だとは思っていない。


 ただ、家族を取り戻したい。

 それだけだった。


「兄様が起きたら……」


 エリィナが呟いた。


「また、褒めてくれるかな……」


「当たり前だろ」


 ラルゴが笑う。


「泣き虫で可愛いなって言う」


「それ、褒めてる?」


「褒めてる」


 四男が真顔で頷いた。


 その時。

 壁際に立っていた五男が、初めて口を開いた。


「……兄様は、エリィナを責めない」


 短い言葉だった。

 けれど、エリィナには十分だった。


「……うん」


 エリィナは涙を拭った。


「私、頑張る」


「うん」


 ユッカが優しく微笑む。


「次は、もう少し上手に遊ぼう」


「遊びじゃないもん」


「そうだね」


 ユッカは、まるで反省していない顔で笑った。


「家族のための、大事な準備だ」


 閉ざされた扉の向こう。

 死んだように眠る長男の胸元で、黒い笛がかすかに震えた。

 死を呼ぶ笛《デッド・エンド・エコー》。


 ユッカは扉を見つめ、静かに笑う。


「もう少しだよ、兄様。目を覚ましたら――またボクたちの舵取りをして」


 その声は、祈りに似ていた。

 けれど。

 祈りと呼ぶには、あまりにも歪んでいた。


 月船の探究者は、まだ沈まない。

 月岡コハルが、いつか“そこ”へ辿り着く瞬間を。


 彼らは、待っていた。

2章完結。

3章も書き溜めてあるので、そのまま投稿予定です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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