第18話
戦艦五隻の宇宙海賊の接近。それによりヴィンセント辺境伯軍も迎撃のため出陣した。ちなみに俺はザリルと一緒の戦艦に乗っている。
「どうやら敵の戦艦は四隻が巡洋艦で一隻だけ弩級戦艦のようですね」
「なんで宇宙海賊が弩級戦艦を持ってるんだよ」
「まあどこかの国が裏に流したか"海賊国家"から買ったかでしょうな」
「……エルカルト伯爵が流してた可能性もあるのか……」
「今や元伯爵ですがね」
ちなみに海賊国家とはボル・ノマーノと同様に三大宇宙海賊の一角に数えられているドゥーロ・シモンズのことで無人惑星を根城にしている宇宙海賊で同業者を相手に商売をしているらしい。
「ザリルはあいつらが海賊災害の傘下だと思う?」
「恐らくそうでしょうな。でなければあそこまでの大軍とはならんでしょう」
そんなことを言っているとある程度の地点でお互い停止。
「ザリルさん!敵戦艦から通信です!」
「繋げ。何を言うか見ものだな」
というわけで宇宙海賊と通信を開始することに。
ブン
映し出されたのは中年ほどの男。特に言うほどの特徴はなさそう。
『てめえらがヴィンセント辺境伯軍で間違いないな?』
「その通りだ。で?わざわざ我が国に喧嘩を売るというバカなことをした理由はなんだ?死ぬ前の遺言程度に聞いてやろう」
『はっ!ほざけ!死ぬのはてめえらだ!てめえらは踏んじゃあならねえ虎の尾を踏んじまったんだ!』
「虎の尾ねえ……んじゃあお前らのバックにいるのはボル・ノマーノで間違いないってことでいいか?」
『よくわかってんじゃねえか。どうやら馬鹿じゃねえらしい。だが今更後悔したって遅せえぞ!俺たちの中にはこのために来ていただいたボルさん直下の部下の方々がいるんだ!てめえらはもう終わりだ!あっはっはっは!』
ブツっ!
そうして通信は切れた。するとそれが合図だったかのように敵戦艦から機装戦兵が出撃や戦艦からの攻撃も開始された。
「あれだけ強気だったのはボル・ノマーノ直下の部下がいるからってことか……あの様子からして相当な腕ってなのは確かか……」
「(……なんでそんな大事そうな情報をしゃべっちゃったんだろう?馬鹿なのかな?……)」
『私には理解できません』
ナノさんも先ほどの宇宙海賊が情報を明かしたことには理解できないらしい。
「まあいいか。とりあえず俺は行ってくるよ。敵も次々に出てくるし強そうなやつもいるって言ってたし」
「無茶はしてはいけませんよ。レオン様の才能はこんなところで散っていいものじゃない。こちらの指示に従ってください」
「了解!行ってくる!」
そうして俺もダンザのもとへと走り乗り込む。
「さてさて……やっぱり俺は戦うのが好きなのかもしれないな……」
戦場に出て戦うことにワクワクしている自分に前世との違いで少なからず驚きつつもダンザを発進させた。
ブオオオオ!
片手にライフルを片手に剣で出撃。すると今にもやられそうなドルレットが。
『もらったー!!』
『しまっ!?』
斧を振り上げる敵機体はグルール。宇宙海賊が主に使う黒色の機体。しかしその斧が振り下ろされる前にグルールの腕をライフルで撃ち抜く。
バキュン!
『なにっ!?』
『え!?あのダンザはもしかしてレオン様!?』
俺はとりあえず近くの戦場にてライフルでサポートに回ってみることに。
「支援も大事でしょ。突撃するだけが俺じゃないぞ?」
というわけでしばらくはそこで危険そうな味方機のサポートに徹してみることに。
『マスターが後方よりライフルで危険な味方機を助けることで味方機の被害が減少していきます』
「(今回はこの前とは違って最前線じゃないから突撃して味方を混乱させたらまずいしな)」
俺はそうして5分~10分ほどサポートに徹していた。そこでの敵の数が少なくなって来たため場所を移動しようと周囲を見てみるとヴィンセント辺境伯軍で活躍している一団がいる。
「あそこは他よりも押してるな」
俺の視線の先では見事な連携で攻守を入れ替えながら敵機を撃墜させていく二機がいたり、槍を片手に圧倒している機体があったり、俺みたいに離れた地点から味方機のサポートをしているスナイパーがいたり。
「……なんか既視感があるな……」
『おそらく前回に戦った配置転換されヴィンセント辺境伯領にやってきた騎士たちでしょう。その中でも優れていた人物たちを一か所に集めているのかと思われます』
なんて言ってるとザリルから通信が入る。
『レオン様、今から私も出ます。なのでレオン様は中央をお願いします。あそこが一番劣勢なようなので』
「……無茶するなって言っておいて一番の激戦区に送るのか……」
『レオン様は私が思ってるよりも冷静で周りが見えていることがわかりましたから。であれば経験を積んでいただいてもっと強くなってください』
「はいはい」
"やれやれ"みたいな感じを出しながらも結構楽しみではあった。
「そろそろサポートにも飽きてたことだ。暴れるぞ!ダンザ!」
こうして俺は劣勢を覆すべく中央の激戦区に突撃した。
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