第17話
本星から帰還して1週間ほどが経過。今日は前から予定していた新型の戦艦三隻とさらに三十機もの新型の機装戦兵が到着。
「おお……この黄緑色なのが新しい量産機のディルオーネ?」
「ですです!新しい量産機ゆえに同じ量産機のドルレットよりも全体的に性能は高めで設定されていますです!基本兵装は盾とライフルを想定されてますですな!」
俺はいま軍用の宇宙ポートにおり本星から届いた新型の戦艦や機装戦兵の運び込みを眺めている。ちなみに俺に説明しているのはマリム・モットリーン(36歳)というメガネをかけた女性の整備士。口調に特徴がある優れた整備士だ。
「俺もあとで乗ってみようかな……それにしてもこれが弩級戦艦か~……おっきいな……」
三隻の新型の戦艦の中には我がヴィンセント辺境伯家が今まで持っていなかった弩級戦艦が存在した。その大きさは1つ下の巡洋艦を丸々収容できるのでは?と思ってしまうほどの大きさをしている。
「……これでももう一つ上に超弩級戦艦があるんだよな……そんなのいつ使うんだよ……」
「それは戦争じゃないですか?通常の宇宙海賊退治だったり他国との小さな小競り合い程度では運用されませんが連邦のような大国との本格的な戦争となれば出てくるでしょうな~」
「……そんなことが起こらないことを祈ろう……」
そんな感じで運び込まれる機体を眺めているとそこでアナウンスが鳴り響く。
ビー!ビー!ビー!
【宇宙海賊接近!戦艦5!宇宙海賊接近!戦艦5!各自迎撃準備に当たれ!繰り返す!──】
そのアナウンスを聞いて慌ただしくなる現場。それは優秀な整備士のマリムも同じ。
「あわわわ!?五隻の宇宙海賊!?す、すいませんレオン様!?私も準備をしなくてはです!?」
「了解。お互いがんばろう」
「はい!」
ダッダッダッダ!
慌てながらも自身の役割を全うするために走り出すマリム。しかし数歩走って立ち止まる。
「……お互い?……まさかレオン様!」
レオンの行動を予測して振り返るもそこにはすでにレオンはいない。レオンもすでに動いていた。自身の愛機とした青い精鋭機ダンザの下に。
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「それにしても一気に五隻の宇宙海賊なんて……どうしてそんな大所帯が……」
ダンザの下に走るレオン。本来は呼び止められるところだが今はみんなが大慌て状態。自身のことでいっぱいなためレオンがいることに気づく者は少ない。それに気づいたところで自身のことを優先してしまう。
『通常ではありえない量での宇宙海賊がヴィンセント辺境伯領へ接近。銀河帝国アークリアルという大国の領地へ接近する宇宙海賊は本来なら多くないことを考えると例の存在が関わっているかと予測できます』
「(例の存在?……ああ!三大宇宙海賊の!)」
『はい。通称:海賊災害と呼ばれるボル・ノマーノ率いる宇宙海賊です。おそらく今回の五隻はその傘下の可能性が高いかと考えられます』
「(陛下の危惧が当たった感じか。そして今回は主力だと思う?戦艦が五隻ってなると相当な量の機装戦兵がいる気がするけど)」
『宇宙海賊はそれぞれで所有する船員が違うために一概に言えませんが万は軽く超えるでしょう』
「(う~ん……やっぱりこの世界の治安の悪さは異常だと思う……)」
前世の日本人の感覚が残ってるため万を軽く超える犯罪者から1年以内に2度も襲われることに違和感しかない。
『ご心配ありませんマスター。現状はこの世界でも十分に珍しいケースです』
なんてナノさんと話しているうちに俺のダンザに到着。早速乗り込む。
「さあて!久々に暴れるぞ!ダンザ!」
すると通信が入る。開くとそれはザリルだった。
『やっぱり一緒に行く気なんですね?レオン様?』
「当然!この前で証明しただろ!俺は実践でも戦えるんだよ!」
『それはそうですが……現在は騎士の人数も機装戦兵も足りています。レオン様はそもそもまだ12歳でしょう?ネスティア騎士学校に入学すらまだじゃないですか。戦う必要のない子供ですしいまだ緊急と決まったわけではありません』
「強さの上に子供も大人もない。本人がやる気で強さが証明されてる以上は大人がすべきことはたった一つ!俺を支えろ!ザリル!」
『レオン様……かしこまりました。元近衛騎士長としてレオン様をこの命にかけて守ることを誓いましょう』
ということでなんとかザリルの説得に成功した俺は再び戦場へと出ることが許された。
しかし今回の宇宙海賊は三大宇宙海賊の一角ボル・ノマーノが傘下の宇宙海賊。前回の約3万からなる宇宙海賊とは実力が大きく異なっていた。
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