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転生したら家が銀河帝国の貧乏貴族でした  作者: プラントスクエア


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第12話

ヴィンセント辺境伯領の輸送船に2度目の襲撃をかけるエルカルト伯爵軍。


『くそっ!?また宇宙海賊が出たぞ!?逃げろ!?みんな逃げるんだ!?』


ヴィンセント辺境伯領の輸送船は護衛艦の抵抗もそこそこに輸送船の乗組員が脱出し護衛艦へと移動。そそくさと逃げ出した。


『へっ!あっけねえな~!』

『少しはやりがいがあると思ったんだがな~』

『この前のほうが楽しめたぜ』


兵士たちもすぐに逃げ出した者たちを見ながら上機嫌。ほとんどがその逃走に疑いを向けないのに対して1人だけ疑問の声を上げる。


『でも……逆にあっけなさすぎじゃないですか?護衛の騎士があんなに速く逃走を選択するなんて……それにこの前に襲撃を受けたばかりで同じルートを使うのも気になりますし……』


それは正しい疑問だったのだがしかしそれは上機嫌な先輩たちに拒絶される。


『いい気分なんだから水を差すようなことを言ってんじゃねえよ』

『どうせ俺たちに恐れをなしたんだろ?数も俺たちのほうが上だったしな』

『どうせ相手は貧乏貴族のヴィンセント辺境伯家だ。裏なんてあるわけがねえよ』

『いやでも!ヴィンセント辺境伯家は数ヶ月前に1万弱の宇宙海賊からの襲撃をわずか5000程度で殲滅させたって聞きましたよ!この前の襲撃だって!』

『黙ってろ!新人は黙って俺たちの言うことを聞いてりゃいいんだよ!』


ということで上司が上司なら部下も部下ということで正しい指摘をしていた新人の言葉を恫喝(どうかつ)。それ以上は新人も口にできなかった。

/////

「ほうほう?積み荷の奪取に成功か。よくやった。ボーナスは期待していろ」

『ありがとうございますセコイア様』


ブツっ


部下との通信を切るセコイア・エルカルト。その表情は愉悦に染まっている。


「くっくっく……ハッハッハッハ!どうやらいいカモが見つかったらしい……どうせならこちらから手を差し伸べてもいいかもしれないな。いずれはヴィンセント辺境伯領の権利も……くっくっくっく……」


その愉悦の表情が絶望に染まるまでもうまもなく。


少ししてヴィンセント辺境伯領の輸送船から奪取した積み荷が裏の宇宙ポートへと運び込まれた。そこはセコイア・エルカルトが本星にも内緒で裏の交易を行うために作られた秘密の宇宙ポート。そこでセコイア・エルカルトも今回の"相当重要な積み荷"というのが気になり見に来た。


「これか?積み荷の正体は?」


2m~3m程度の縦に長い箱。積み荷はそれたった一つでありほかにはない。それにセコイア・エルカルトは疑問の表情となる。


「ええ、一応入念に輸送船全体を調べましたがそれ以外はありませんでした」

「ほうそうか……まあいい、おい!この箱の中身を確認したい。開けろ!」

「ハッ!」


別の部下に指示を出しその箱は開かれる。その中身は銅像であるらしい。金色をした人型の銅像にその人物がだれかを即座に理解できたのは幾度(いくど)か会ったことがあるセコイア・エルカルトのみ。


「おお!セコイア様!この銅像はただの金の銅像ではありません!おそらく使用されているのは希少鉱石!希少鉱石でこれほどの大きさの銅像を!」


1人の部下がその銅像に使用されている鉱石を言い当てる。しかし別の部下がその顔に覚えがあり腕を組み悩む。


「この銅像……どこかで見た覚えがあるような……セコイア様はご存じですか?」


そうして振り向くとそこには尻もちをつき驚愕しているセコイア・エルカルトの姿。


「セコイア様!?」


それに気づいた部下がセコイア・エルカルトに近づく。


「……その姿……間違いなくあ(・)の(・)方(・)……どういうことだ……なぜこれをヴィンセント辺境伯家が……なにが起こっている……」


驚愕し混乱中のセコイア・エルカルトに慌てて別の部下が報告をしてくる。


「セコイア様!?大変です!?アークリアル本軍が向かってきています!?」


セコイア・エルカルトもバカではない。銀河帝国アークリアルにて交易で財を築くぐらいには優れた頭脳を持っている。そんなセコイア・エルカルトは事ここに至りついに正解にたどり着く。


「……私は……ハメられたのか……」


そこから慌てて執務室に戻ったセコイア・エルカルト。通信を開くとそこにはレオンの父親のラージ・ヴィンセントが映っていた。


「……何用かな?ラージ・ヴィンセント辺境伯?」

『皇帝陛下にご挨拶をするために本星にやってきておりまして。もうすぐ皇帝陛下への献上品である希少鉱石で作られた前皇帝陛下ブラウ・アークリアル様の銅像が届くはずだったのですが途中で輸送船が襲撃を受けたようで』

「……それは大変なことですな……しかしそれでどうして私に連絡を?」


苦し紛れだとわかっていながらもわずかな希望にすがり抗って見せるセコイア・エルカルト。しかしその直後に出てきた人物でその希望の糸は断ち切られた。


『それはエルカルト伯爵の下に父上への献上品があるからだ』

「あ!?アーサ・アークリアル皇太子殿下!?」


それは現皇帝ルイード・アークリアルの息子であるアーサ・アークリアル(26歳)だった。


『お爺様の銅像の底には発信機が搭載されているらしい。それをたどれば行きついたのがエルカルト伯爵、あなただ』

「ち、違うのです!?殿下!?これは私が宇宙海賊から奪ったものでして!?決して私どもが!?」

『黙れ!!我が父への献上品を強奪する行為は立派な反逆行為!!エルカルト伯爵よ!!降伏するか銀河帝国アークリアル本軍総勢100万との戦争!!どちらを選ぶ!!』


がたん


セコイア・エルカルトはその問いかけに返事はできずその場で崩れ落ちた。こうしてヴィンセント辺境伯領の輸送船襲撃事件は幕を下ろした。


しかしそれがレオンの英雄譚のキッカケとなる事件を呼び起こす。

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